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シークレットガーデン~小さな箱庭~

作者:猫丸
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序章
     序章 出会いと別れ 2

 
前書き
「えぇぇぇぇぇ!?貴方がルシア!?」

「そ、そうだけど…」

突然目の前に現れた不思議な少女は目玉が飛び出そうなくらいに驚き絶句していた。
ルシアは何が何だかよくわからずポカンと口を開けている。
 

 
「ふ~ん……」

大きな声で驚いた後、ランファと名乗った少女は 
ジ~~とルシアの事を嘗め回すかのように真剣な表情でじっくり見回し始めた。

「な……なに?」

引きつった表情でルシアはランファに尋ねるが聞こえていないのか真剣な顔で

「(ふ~ん……若いころは草食系男子って奴だったんだぁ~へぇ~)」

ボソボソと独り言のような心の声が漏れている。

「……?」

草食系男子の意味が解らずポケ~とした顔をするルシアを見てランファはふと我に返ったようで 慌てて

「あっっっ、いやっっ、なんでもないっ! なんでもないのですよ~~~とっと」

ルシアから離れ クルリと後ろを向き 明後日の方向を向いて口笛を吹きながらそう言った。
少々頬が赤く染まっているような気がするが、鈍感なルシアはそれに気づかず普通に

「そ、そう?まぁ、君がいいならいいや」

受け流し

「ヨナ。ヨナからもランファにお礼を……ヨナ?」

妹のヨナの名を呼びかける。
だがどこを見渡しても先ほどまでルシアのそばでブルブル震えていたヨナの姿はなかった。
もう一度ヨナの名を呼ぼおとしたその時だった。
ほんの少しばかり緊張感が崩れたこの空間が、脆くも壊れだしまた張りつめた生と死の世界に逆戻りするのだった。


「キャーーーーーーー!!!」

「「っ!?」」

何処からかヨナの悲鳴が聞こえてきたのだ。

「ヨナーーーー!?」

先ほどよりも念入りに 悲鳴が聞こえてくる方向を聞き逃さ無いように 懸命に耳を澄ませヨナを探す。
すると森の暗闇に溶け込み陰になっている道で、必死にもがいて暴れているヨナとそれをビクともせずに肩に抱えている紅い鎧着た者が走り去って行く後ろ姿が見えた。

「はなして……はなして……!おにいちゃん……」

ヨナは紅い鎧を着た誘拐犯の背中を必死に拳で叩き足で腹を蹴っているが、所詮は齢八の少女の力。
しかも病弱でまともに栄養あるものを食べていないため力もない。
いくら叩いたり蹴ったりしようが誘拐犯にはなんらダメージがなく、痛くも痒くもない。
むしろヨナの少ない体力が奪われてゆくばかりだ。

「ヨナーーーーーーーヨナーーーーー!!」

妹の名を呼びながら、ルシアは必死に誘拐犯の後を追いかける。

「ヨナおば………ヨナちゃんーーーー!!」

ランファは何かを言いかけたが すぐに言い直してルシアと共にヨナを追いかけた。
森はの中はだんだん日が沈み暗くなってゆく。森は昼間とは別の顔をルシア達に見せるのだ。


誘拐犯を追いかけていると森を抜けある広い空間へと出た。
そこは誰がなんのために建てたのかわからない。
…が太古の昔からそこにあったとされる神殿。
近くに住む人々からは石の神殿と呼ばれ 月日が流れ脆く崩れやくなっているため人の立ち入りを禁止にしている場所だった。

「あれは……まさか…」

石の神殿を見た途端、ランファはなにか恐ろしい物を見るような表現をする。
立ち止まって後ずさりし始めた。
そして先を走っていたルシアの腕をいきなり掴み、必死そうな表情で

「だめっっっ!! あの神殿に行っちゃだめ!」

石の神殿にルシアを立ち入れまいとする。

「は、はなしてランファ! 僕は…僕は…ヨナを助けに行かないといけないんだ!!」

いくらランファが命の恩人だったとしても、世界にたった一人の大切な 
しかも病人の妹をここで見殺しにすることなど到底できるはずもない。
ルシアは大きく手を振りランファの足止めをかいくぐり神殿の中へと入って行った。

「だめ……だめなの…だめーーーーーー!!……貴方はあの神殿に行ったら……」

自分の必死の忠告を無視し神殿の中へと入って行く
ルシアの背中を見ながらランファはポロポロと大粒の涙を流しながら言った。


「ここが石の神殿……」

神殿の中は大量の苔が生えそこらじゅうが崩れ荒れ放題になっていた。
天井が高く最上階までは苔の生えた螺旋階段と崩れて窓になっている物しかない縦状の灯台の様な造りになっているようだった。

「ヨナは?ヨナはどこだ!?」

辺りを見渡して見るがあるのは苔と崩れた岩ばかり…
耳を澄ましてみてもヨナの悲鳴もおろか足音すらも聞こえてこない。絶望的状況のその時、

「ん?これは…ヨナの押し花の………花びら?」

月の花と呼ばれる 特別な場所で特別な条件が揃わないと咲かないといわれる
貴重な花の花びらが、一定間隔で散らばっていたのだ。
ヨナがルシアに残した道しるべだとすくに気づき

「ヨナ、今助けにいくからね。少しだけ待ってて…」

ルシアは螺旋階段をタタタッと駆け上がって行く。
一気に最上階まで駆け上がると一つ扉があった。ルシアはなんの疑いもなく扉を開けるすると

「侵入者発見! 侵入者発見! 発見!」

二体の巨大な顔に小さな手足の巨大なロボットが待ち構えていた。
その先に、祭壇に横たわるヨナとそのそばに立つ誘拐犯の姿があった。
 
 

 
後書き
【異世界からやって来た少女】

名前:ランファ
年齢:15歳
性別:女
種族:不明
職業:特異点

容姿:銀白色でふんわりボブショート。右目が灰色で左目が赤色のオッドアイ。
   赤いポンチョをまとい貧乳で背丈も低いため子供っぽい見た目をしている。
   背中に自分の背丈よりも大きな剣を背負っている。

武器:大剣
出身国:不明
詳細:ある日突然、ルシアとヨナの目の前に現れた不思議な少女。
  たまに「未来」の事をを口走ったりしているが、それが彼女のただの妄想かそれとも真実かは誰にもわからない。
  花と動物と兵器が大好きで、花を育てたり動物とふれあったり武器を作るのが趣味。
  浮き沈みが激しくウザイくらいに明るく前向きでわがままだったり、その一方で使命を果たすためだったらどんな犠牲を払ってもいいと思うダークな部分もある。
 
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