| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十二部第一章 有利な中でその二十七

「どれだけ優勢な状況でもだ」
「敗れる」
「そうなるのですね」
「勝てると思った時、その時にだ」
「油断が生じ」
「そしてその油断から」
「敗れる」
 今度の言葉は一言だった。
「必ずな」
「だからこそこの選挙も」
「油断することなくですか」
「最後の最後まで」
「そうしていくのですね」
「この選挙は私の目標ではない」
 選挙に勝ちエウロパの国家元首になることはというのだ。
「ほんの通過点だ」
「ゴールではなく」
「それですね」
「そうだ、それに過ぎない」
 あくまで通過点だというのだ。
「望みのうちにも入らない、緒戦だ」
「総統選挙は緒戦」
「本格的な戦いの前の」
「そうだ、緒戦だからだ」
 それでだというのだ。
「ここで油断するつもりもない、そしてこれから」
「油断することなく」
「政治を進められますか」
「私は神々から運命を授けられている」
 ギルフォードの信仰はギリシア神話の系列である、アテナを信仰しオリンポスの他の神々も崇拝している。
「エウロパを救いだ、そして」
「そのうえで、ですね」
「さらに」
「この国を発展させる」
 そうすることがだ、授けられた運命だというのだ。
「その運命を授けられているからな」
「だからこそですね」
「ここで、ですね」
「油断はしない」
「総統選挙では」
「必ず勝つ、そして勝って満足せずにだ」
 さらにだった。
「エウロパに栄光をもたらすのだ」
「この国の経済と社会を立て直し」
「そうしたうえで」
「新天地を目指す」
 その具体的な政策の話にもなった。
「暗黒宙域を超えてな」
「あの何十万光年もの宙域を」
「超えられて」
「そしてだ」
「そこにある新天地をですね」
「我々は手に入れるのですね」
「連合やマウリアが何故発展しているかだ」
 特に連合だ、この場合は。
「それは開拓地があるからだ」
「無限の開拓地がですね」
「そうだ、それがあるからこそだ」
 連合は発展している、それでだというのだ。
「彼等は発展している。全て土地と資源だ」
「その二つですね」
「国家の発展を支えるものは」
「その通りだ、最早エウロパは狭い」
 今の彼等の領土は、というのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧