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密会

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第四章

 いつも教会で逢引をしていた二人だ。その二人を見て言うのである。
「この二人は。その」
「愛し合う二人ですね」
「それはその通りです。しかしです」
 グレゴリ神父は微笑んでいた。カレーラス神父もその微笑みを見て察した。そうしてそのうえでだ。彼は一旦言葉を止めてだ。こう言ったのだった。
「そういうことですか」
「そうです。では宜しいですね」
「わかりました」
 納得してだ。こうグレゴリ神父に答えたのであった。
 そしてだ。あらためてその二人を見てだ。カレーラス神父は言った。
「では。式の時はです」
「神父様が俺達にですね」
「祝福をして下さるのですね」
「神に代わって」
 まさにそうするとだ。彼は二人に微笑んで答えた。
「そうさせてもらいますので」
「そうですか。それじゃあお願いしますね」
「結婚式の時は」
「はい、ではその時に」
 整った顔に微笑みを浮かべてだ。また言うのであった。
「こちらも。お願いします」
「ではです」
 三人に対してだ。グレゴリ神父は温和そのものの笑みで言ってきた。
「式の細かいことをお話していきましょう」
「はい、そうしましょう」
 こう話してだ。四人になってだ。
 結婚式のことを細かく調整してだ。それからだった。
 カレーラス神父は式典の日を迎えた。彼が式を執り行うだ。
 控え室でだ。彼は緊張している顔でグレゴリ神父に言った。
「いや、本当にです」
「緊張されていますね」
「はい、とても」
 その通りだとだ。カレーラス神父自身も言う。
「そうなっています」
「そうですね。ましてやですね」
「あのお二人ですか」
「納得されていると思いますが」
「既にそうはなっています」
 このことはだ。彼も否定しなかった。
「しかしそれでもです」
「緊張はされますか」
「あのお二人はどうなのでしょうか」
「緊張していますよ」
「主役だからですね」
 結婚式程主役が明らかなものもない。まさにそれは言うまでもないことだ。
「それ故にですね」
「そうです。その通りです」
「では」
 それではだとだ。また言うカレーラス神父だった。 
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