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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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86部分:第十話 サガの力その三


第十話 サガの力その三

「ば、馬鹿な・・・・・・」
「強い・・・・・・」
「強いと言った筈だ」
 雷に打たれ黒焦げとなり地面に倒れ伏す彼等に対してかけた言葉だ。
「先にな」
「ああ、思い出したぜ」
 ここで後ろからアンタスの声がした。
「そうだったな、ブルーサンダークラッシュだ」
「やっと思い出したか」
「相変わらずと言って欲しいのか?」
 からかうように笑いながらブラウに問う。
「ここで。どうなんだ?」
「そう言いたいのなら言うといい」
 ブラウもまた少しシニカルに笑って彼に言葉を返した。
「御前がそうしたいのならな」
「じゃあそうさせてもらう」
 こう言葉を返すアンタスであった。
「相変わらずだな」
「そうだ。いや、違うな」
「違う?」
「俺は修行時代とはまた違うぜ」
 不敵な笑みになってアンタスに言葉を返してみせたのだ。
「あの時よりも。強くなってると思うんだがな」
「少なくともあの時よりはな」
 アンタスはまた笑って彼に言葉を返した。
「強くなっているだろうな」
「御前よりもな」
「おいおい、それはまた大きく出たな」
 そうは言っても悪い気はしていないアンタスであった。
「俺よりもな」
「違うっていうのか?」
「当たり前だろ。じゃあ見せようか?」
「是非見てみないな」
 さりげなくアンタスを煽ってみせる。
「それも是非な」
「じゃあ見せてやるさ」
 その言葉に乗ってまた構えに入る。
「俺の本当の実力ってやつをな」
「楽しみにしているぜ」
「ふん、こいつ等」
「いきがっていられるのも今のうちだ」
 インプ達はそんな彼等を取り囲んでまた言うだった。
「所詮数が違う」
「二人ではな」
「二人か」
「それはどうかな」
 しかしここでまた声がしたのであった。
「二人だけとは限らないぞ」
「むしろだ」
 その声はさらに続けられていく。
「俺達もいる」
「それを忘れていないか」
「何っ、まさか」
「くっ、迂闊だったか」
 インプ達はようやく自分達のミスを悟った。そうだったのだ。ここには聖闘士達がまだいたのだ。その彼等とは。
「旗魚星座のゾルダ」
「八分儀星座のレッシュ」
 それぞれ名乗りつつインプ達の前に姿を現わしたのであった。
「そこにいる馬鹿共の同僚だ」
「知らなかったわけではあるまい」
「だが貴様等は」
「我が同志達に取り囲まれていた筈。それがどうして」
「ふん、あの程度の数なぞ」
 ゾルダがまずインプ達の問いに対して冷笑で返した。
「俺達にとっては大したことではない」
「朝飯前というやつだ」
「何っ、朝飯前だと!?」
「我等に対して何という侮辱」
 今の二人の言葉にさらに激昂するインプ達であった。赤い鎧がさらに禍々しく輝いてみるのがことさらに不気味さを映し出していた。
「貴様等、こうなっては」
「最早容赦はせんぞ」
「おいおい、最早かよ」 
 アンタスが今のインプ達の言葉に笑って突っ込みを入れる。
 
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