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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
  なのはStrikerS ~フェイト、受難の巻~



「ふぁ~~~~~~ぁ・・・・・あれ?なんでオレここにいるんだ?」


蒔風がいるのは森の中。
実際には森を再現した訓練場だ。


そこにあぐらをかいて座っている蒔風。
どうやらさっきまでうつらうつらだったようである。


すぐそこではエリオとキャロがフェイトから訓練を受けていた。



「・・・・・っていう感じにね?」

「すごい・・・・」



(む?どうやら回避行動の訓練みたい・・・・だ・・・・な・・・・・ねむ・・・・い・・・・)



そうして蒔風がまたコックリと首を倒してまどろみの中へとダイブする。
その光景をみて、キャロがあれ?と声を出す。



「あ・・・・・舜さんまた寝てる・・・・・」

「もう・・・・朝弱いのは変わらないんだから」


フェイトが呆れた感じで笑い、蒔風を見る。

そしてそうだ、と何かを思い付いたのかエリオとキャロに耳打ちをする。


「今から舜に攻撃を向けてみるから、その動きを見てみてね?」

「え?でも寝てますよ!?」

「大丈夫。舜ならあの状態でも避けるよ」


そう言って蒔風を指差し、威力の低いスフィアを作って飛ばす。



エリオとキャロが固唾をのんでそれを見守る。



そして、スフィアが







パコン、と蒔風の頭に当たった。






「あ」

「「あ」」


三人が同じ声を上げる。
当の蒔風はというと、首が後ろに反ったがすぐに前に戻ってまだ寝ている。


「・・・・・・エリオ君、あの舜さんをどうやって連れて来たの?」

「え?普通に手を引いて来たけど・・・・」


そう、蒔風をここまで連れて来たのはエリオ・モンディアルその人である。





昨日のこと

蒔風の寝床はどこにしようか、という話題になり、ちょうどフォワードで男子一人だったエリオと同室になったのだ。


エリオとしてはありがたい申し出だった。
何しろ同い年だからと同室にされたキャロは自分をなんだと思ってるのか、いきなり着替え始めたり、風呂上がりにバスタオル一枚で歩き回って牛乳を一気飲みしたりとその行動に困っていたのだから。


蒔風に、注意しないのか?と聞かれてエリオの答えは


「しましたけど、「エリオ君、恥ずかしがり屋なんだね」って言われただけでした・・・・・」

「oh・・・・・」

だった。
無邪気な子供は恐ろしい。






そしてなにより、あの翼人と同室だ。
エリオが断るはずもない。


そして一晩が明け、エリオが訓練に出ようと起き、ついでに蒔風も起こそうとして、そしたら蒔風が「うーーー」とか言いながら腕を伸ばしてきたのだ。
そしてそのまま手をとってここまで来て現在に至る。






そんな朝の状況をキャロに教えていると、ポコポコポコと音が聞こえる。




エリキャロが振り返ると、フェイトが一個当ててはもう一個、またもう一個とポコポコ蒔風の頭にスフィアを飛ばしていた。
それに応じて蒔風の頭もグラグラと揺れていく。


「フェイトさん!?何やってるんですか?」

「え?あ、あはは!なんだか面白くなって来ちゃって・・・・・」


そう言いながらもスフィアを飛ばすフェイト。


「むう、起きないなぁ・・・・」

「フェイトさん・・・・・・そろそろ・・・」

「あ、そうだね。じゃあ(ガスッ)」


じゃあ二人とも回避訓練を始めようか、とフェイトが言おうとよそ見をし、効果音が「ポコ」から「ガスッ」になって止まった。


フェイトが恐る恐る振り返ると、蒔風を見る。

あぐらをかいて、腕を組んで座っているのは変わらない。
しかしその首は後ろにのけ反り、黄色いスフィアが顔面に減り込んでいた。
上を向いていてちらりと見える口元がヒクヒクと動いてもいる。



そして蒔風の腕がゆっくりとスフィアを掴んで顔から外す。

蒔風の首が起き、にっこりと笑う。



「フェ~~~~イト♪」

「あ、あは!おはよう、舜♪」

「昔みたいにひん剥いてやろうか!!」

「キャアアアアァァァァァァァァァァァァ!!!」

「「舜さんとフェイトさんの過去に何がーーーーー!?」」




蒔風が立ち上がって全力でフェイトを追いかけ始める。
効果音がガッシュガッシュと鳴っている。どんな走りだ。


それに対しフェイトも負けてない。
流石は得意分野が「速さ」であるだけあって、蒔風に勝るとも劣らない速度で逃げる。

しかしその表情は必死そのもの。
涙目になって走りまわるその姿は、年相応の少女にしか見えない。


・・・・・・・・いや、この歳の少女は逃げながら地面を一直線に抉ったりしないか。





「フェイトさん・・・すごい!!!」

「舜さんから逃げている!!!」

「そうか!!これを参考にしろってことですね!!??」



エリオとキャロが二人をあこがれのまなざしで見ているが当の本人達はそんなこと知った話ではない。
追う方も逃げる方も必死なのだから。



「キシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」

「ヒイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!た、助けてなのはぁあああああああああああああああ!!!!!!」



そしてついにそんなことまで叫んでしまったフェイト。
しかし



「なるほど・・・・ギリギリまで救援は呼ばないんですね!!」

「できるだけ自分の力でやり遂げる・・・・流石です!!!」


もうこの二人には現実など見えていない。
なんかフィルターかかってしまっているようだ。




と、そこに




「ティアナ、あれを撃ってみて!!」

「は、ハイ!!!」



パンパンパン!!!!


なのは&ティアナ、自分たちの訓練場からやってきた。
大方、さっきのフェイトの叫びが聞こえたのだろう。


「いい?ティアナ、さっき教えた通りに、ああやって動く敵を打ち抜くのがセンターガードだからね。じゃあ・・・始め!!!」


そんなことを言ってフェイトと蒔風を訓練に使い出す始末。
いま、あなたの親友が危機にさらされているのですか。


ティアナが蒔風を狙って発砲するが、全く当たらない。


その間にもフェイトが走りまわり、蒔風が追いまわす。


その動きを見ながら参考にし、エリオとキャロが回避訓練を始めている。





「おーーーーい、何やって・・・・・なんだこのカオス」

「さあ・・・・・・」



そしてその場にヴィータとスバルがやってきて、フェイトがついに空中に逃げだしたところで騒動はおさまった。






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「ずっこくない?オレさん飛べないのに!!!」

「あれ?舜君飛べなかったっけ?」

「飛べませんよ。力を借りればできるけど、オレ個人の力として飛ぶには開翼しにゃあならんのよ」

「舜君も魔力使えれば飛べるのに」

「マジ!?魔力なら力変換して使えるって!!教えて教えて!!!」





目も冴え、落ち着いてから今日の訓練は終了となり、くたくたと歩くフォワード陣となのはたち。
蒔風がなのはに飛行のイロハを教えてもらう約束をしていると、六課の隊舎前に着いて、そこで外回りに出ると言うはやてと出会う。


なんでも今回彼女たちの追っているロストロギアは様々なルートで流れており、他の部署から人員を借りて調査するのだそうだ。



「ほんじゃ、行ってくるなーーー」

「行ってらっしゃいです。はやて、怪我すんなよ?気いつけろよ?」

「子どもやあらへんのやから大丈夫やって。ほななーーーー」



そう言って走り出すはやての車。


さすがに部隊長となると忙しそうである。




「そういえばさ、今回おまいらの追っちょるモンってなんだったけかな?」

「ああ、話してなかったっけ?「レリック」だよ」

「なにそれ?」

「ここで話すのもなんだしさ、一旦シャワー浴びてからにしよ?体中汗でベトベトだし」


確かにそうだ。
蒔風とフェイトは砂や土で汚れていたし、フォワード陣は汗ダクダク。




よってそんな感じでシャワーになる。
しかし男のシャワーなんぞはあっという間。

そんなわけでエリオと蒔風はシャワールーム外の階段に座っていた。






「それにしても舜さんって本当にすごいんですね!!」

「おだてるなよ。ほれ、ジュースだ」

「あ、ありがとうございます。でもフェイトさんと追いかけ回れるなんて相当ですよ?」


その言葉に笑いながら肩をすくめる蒔風。

「耳が痛いな。あいつの・・・と言うかお前ら全員もだけど、その力は自身の成長で得ていったもの。オレのは得てしまったものだから、純粋に素晴らしいかと言ったら、お前らの方が断然いい力だよ」

「???」


エリオが蒔風の言葉に首をかしげるが、蒔風がま、それは置いといて、と話題を変える。


「確かエリオってフェイトの保護下にあるんだっけ?」

「そうですね。キャロも一緒にです。引き取ってもらえて、優しくしてもらって、家族をくれました。フェイトさんは僕のお母さんみたいなものですよ」


そのエリオの顔を見て、蒔風が柔らかく笑う。
そしてその頭をガシガシと撫でた。


「え?うわ、なにするんです!?」

「いいなぁ。幸せもんめ。誰かが何かを残す。俺にもできたらねぇ・・・・・」


そんな感じで揉みくちゃとじゃれ合っているうちに、女性陣が出てきた。
そこのシャワー室にはフォワード陣しか入っていなかったので、ティアナたち三人だけだったが。


蒔風が立ち上がって「ンじゃ、ここで」と言ってフェイトの元に行く。



エリオもまた後で、と手を振って皆とその場を去っていった。





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そして蒔風がフェイトがいるという部屋に着く。
そこではシャーリーとフェイトがモニターに映ったガジェットの残骸を調べていた。



「よ、きたよ」

「あ、舜」


部屋に入り、蒔風もモニターを見る。


「これってあのガラクタどもじゃねえか」

「ガラクタって・・・・結構厄介な奴らなんだけどなぁ・・・・」


蒔風の言葉にガックシとなるシャーリー。
それを見てフェイトが軽く笑う。


「舜が使うのは魔法じゃないからね。だからAMFも意味がないんだ」

「はーーーーー。じゃあ何使ってるんですか?気合?」


シャーリーが感心したように蒔風に訊く。
それに対して蒔風が顎にを当てて答えた。


「AMFって魔法効かないエリアだろ?そりゃあ俺には効かないね。俺は他の世界で仲間になった奴らの力使ったり、十五天帝使ったりするけど、基本的に俺の力は「願い」だね」

「「願い」ですか?」

「翼人ってのはその翼に各人異なった感情を司っているんだけどな、俺のはその想いってのが「願い」なんだよ。で、ありがたくも俺のことを心配してくれる「奴」のオレに無事でいてくれ、とか力になりたい、って思いを翼が受け取って、それを使ってそいつの力を俺が使用できる、というわけ」

「じゃあ他の事も出来るですか?」

「たしか・・・・・炎とか雷出してたよね?」

「おう、あれは単純な変換だな。力を炎とかに振り分けて使ってんのよ。だから出そうと思えば魔力も出せるよ?」




蒔風が自分の説明をし、そんなことは置いといて、と自分がここに来た目的を聞く。



「レリックって何なん?」

「レリックは・・・・・・第一級捜索指定ロストロギア。性質としては高エネルギーを帯びる「超高エネルギー結晶体」であることが判明してるんだけど、本当のことはよくわからないの」

「ふぅーーーん。とにかく、よくわかんない魔力を持った塊があって、なんかの拍子に爆発するとやばいから確保して安全な場所に保管しよう、ってことだな?」

「おおむねそんな感じかな?そして・・・・・」

「それをこいつらが集めてるってわけね?」



そしてモニターに出ていたガジェットドローンの映像を見る。


「このカプセル型のがⅠ型。飛行機みたいなのがⅡ型。大きな球体型のがⅢ型」

「これどっから来るんだ?」

「それはわからないんですよねぇ・・・・・この写真のはシグナム副隊長やヴィータ副隊長が捕獲したもんなんですけど」

「捕獲ってか、破壊、回収だな」



そんなことを話しながら写真が次々に出されていく。
そしてその内の一枚にフェイトと蒔風が注目した。


「シャーリー。二枚後に戻ってくれ」

「え?はい一、二と」


そして望みの画像が出てきた。
それはガジェットの内部の配電盤のようなものだ。

いくつもの回路が張り巡らされ、その中に二人のよく知る物が取り付けられていた。




「おお、やっぱジュエルシードじゃねえか」

「ジュエルシード?」

「私となのは、舜が、昔集めてたロストロギア。でも全部回収したはずなのに・・・・」

「大方、どっかのバカに盗まれたんだろ?ほれ、ご丁寧に名前まで書いてあらぁ」


そう言って蒔風が指差したところには確かに名前が書いてある。
その名前を見て、フェイトが重い声を上げる。


「Dr.ジェイル・スカリエッティ・・・・・・・!!!!」

「だれ?」


蒔風の問いに、モニターから目をそらさずにフェイトが答える。


「ドクターの名の通り、生命操作や生体改造、精密機械に通じた科学者で、ロストロギア関連以外にも数多くの事件で広域指名手配されている次元犯罪者。私がここ数年追ってる奴」

「生体操作に生体改造、ね。それはまた因縁がありそうだな」

「あるよ・・・・とっても」



フェイトの目に因縁じみた何かを感じとった蒔風がフェイトを見、そしてモニターに映ったジェイル・スカリエッティの顔写真を見た。
その顔には大人しそうな表情に、何もかもを欲したがるような目が張り付いていた。



「で、でも、なんでこんな名前出しなんかしたんでしょうか?リスクしかないんじゃ?」

「いいや、科学者ってのはな、自分がやったっていうことを証明しなきゃならない性分なんだよ。何かを成し遂げても、誰がそれをやったのかわからないんじゃ意味がないだろ?「自分の出した結果です」って公表しないとやっていけない人種なんだ。もちろん、すべてそうとは言えない。だけどこう言う俗にマッドサイエンティストなんてやつらは大体そうだね。一言でいえば「自己顕示欲が強い」」

「でも、簡単に決めつけるのは早いよ。もしかしたらブラフかも」

「そこを含めて調査しないとな」



蒔風がにやりと笑いながら改めてモニターの男を見る。
経歴はともかく、その内容は天才的だし、素晴らしい頭脳の持ち主であることがうかがわれた。



(いい顔してる。自分の欲望に忠実な顔だ。問題は・・・・・・そこで迷惑になるかどうかだけどな)






そうして蒔風は敵を知る。



物語が大きく動き出した。







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くっくっくっく・・・・・・

プロジェクトFの残滓二体に、タイプゼロファースト。
この部隊は素晴らしいねぇ。

そろそろ私のメッセージに気付いてくれただろうし、ここからが面白くなりそうだ。







それにしても・・・・・・・あの男は何者だろうか?
どんな資料を調べても出てこない。
あの力も妙だ。

これは・・・・・・また研究対象が増えてしまったかもしれないな





ふふふふふふふふふふ・・・・・・・・・・










to be continued
 
 

 
後書き

今回は日常andスカさんでしたね。
自分の中ではスカさん嫌いじゃないんですけど、なんかアニメ見直したら悪いやつだった。
二次創作のスカって大体いいキャラかネタキャラだからかなぁ

アリス
「いろいろぶっ飛んでる人ですしね」

ラボの中に何人もの女の子か居るカプセル並べてたもんね。
あれじゃただの変態にしか見えないよ。



アリス
「そういえば蒔風、飛行訓練うけてましたね」

長く生身で飛べなかったですからね。
飛ぶには開翼か力借りるかでしたから。






アリス
「次回、海鳴市へゴー!!サウンドステージだ!!」

メタな発現しない。
ではまた次回。











もう大丈夫、安全な場所まで一直線だから! 
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