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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1537話

 アハトが去ると、当然ながらOZの兵士達もそれについていく。
 そうしてここに残ったのは、俺と凛。それとノベンタの執務室の護衛をしている連合軍の兵士のみとなっていた。

「ノベンタに会いたいんだが、大丈夫か?」
「……少し待って下さい。聞いてきます」

 ノベンタと、元帥を付けずに呼び捨てにしたのがあまり面白くなかったのだろう。連合軍の兵士は若干面白くなさそうな表情をしながらも、そのまま執務室へと入っていく。
 今の俺達は連合軍の兵士ではないので、正確にはノベンタの部下ではない。
 いや、ノベンタに雇われている以上、その部下なのは間違いないのだが、直属の部下という事もあって、色々と特殊な立場にいる。
 特にトールギスを操縦する俺の能力は、現在好き勝手に暴れている5機のガンダムに対しての切り札的な意味があった。
 それだけの実力を持っているのは以前の演習で証明しているし、向こうにとっては、呼び名の1つや2つは特に気にするような事もないだろう。
 ともあれ、そんな訳で俺達シャドウミラーはノベンタに心酔している兵士達にとってみれば、自分達の尊敬する上司に対して口の利き方がなっておらず、それでいながらいざという時に役立てるだけの実力は非常に高いという……色々と厄介な存在であった。
 もっとも、それは俺に対してだけであって、凛や綾子なんかは連合軍の兵士にも人気が高いんだが。
 ……何だかんだ言っても、兵士達も男だって事だよな。
 当然ながら連合軍の兵士達が俺に敵意を向けてくる理由の中――場合によっては大部分――には、凛や綾子のような美人を独り占めにして侍らせているというのもある。
 正直、ホワイトスターと連絡がついて行き来出来るようになったら、どうなる事やら。
 凛や綾子に勝るとも劣らぬ美人の恋人10人以上……間違いなく連合軍の兵士達に闇討ちされそうな気がしてきた。
 いや、それならそれでいいんだけどな。こっちも相応の態度を取るだけだし。
 ともあれ。数分の奇妙な沈黙の中で執務室から先程の兵士が姿を現す。

「ノベンタ元帥がお会いになるそうです」

 その言葉に頷き、執務室の中に入る。
 するとそこには、書類を読んでサインをしているノベンタの姿があった。
 ノベンタは俺と凛が執務室に入ってきたのに気が付くと、笑みを浮かべて口を開く。

「よく来てくれた。それで、今日はどのような用事かな? 模擬戦の結果が出て来た……というのであれば、こちらとしても嬉しいのだが」
「いや、残念ながら模擬戦についてはまだまだだな。このままだとガンダムに勝つというのは不可能に近い。大きな被害が出るのを覚悟の上で、物量戦を仕掛けるなら話は別だが」

 原作でも、オペレーション・デイブレイクでノベンタ達がいる基地に攻撃を仕掛けた時、物量でガンダムが押されていた。
 ……まぁ、トロワとカトルが援軍に来た結果、戦局は逆転したんだが。
 ともあれ、普通のMSでガンダニュウム合金製のMS、ガンダムにダメージを与えるのは酷く難しい。
 何発も同じ場所に攻撃を当てるか、はたまたガンダムのパイロットが疲労で動けなくなるまで攻撃を行うかしかない。
 あるいは原作でデスサイズを破壊したようにトーラスカノンのような強力な武器を用いるか。
 まぁ、一番無難なのはガンダムに乗る前にパイロットの身柄を確保する事だろうが。

「ふむ、それではもう暫くはアクセルの指導に期待するしかないか。では、何が目的でここにきたのかな? 私はそれなりに忙しいので、茶飲み話に来たというのであれば遠慮して貰いたいのだが」
「さすがにそんな真似はしないよ」
「であれば、こちらとしても助かる。遠坂とは先程話したばかりだが?」

 俺の事はアクセルとファーストネームで呼ぶのに、何故か凛の事は遠坂と名字で呼ぶんだよな。ああ、勿論綾子も美綴と呼んでいる。
 この辺、やっぱり男と女の違い……か?
 ミス遠坂とか呼んでも良さそうだが、その辺は軍人だというのが影響しているのだろう。

「ええ。ですが知っての通りアクセルは色々と常識に疎い事がありますから。そこで妙な真似をしないかどうかを見に来たんです」
「……いや、それはどうよ」
「あら? 何か?」

 にっこりと笑みを――ただし目が笑っていない――浮かべて尋ねてくる凛に、何を言っても無駄だろうと判断して小さく肩を竦める。
 そうしてから、改めて俺がここに来た本題に入る。

「TVのニュースで、ドーリアン外務次官がコロニーに行くとやってたんだが、それは止めるようにして欲しいと要望したと思うが?」
「……その件か。先程ロームフェラ財団の者が来たのだが、知ってるかね?」
「ああ、扉の前で会った。色々と胡散臭い男だったな。俺がトールギスを盗んだんじゃないかと、疑っていたよ」
「はっはっは。だろうな。普通に考えてあの機体を君が……アクセルが持っているというのは、色々と怪しい。向こうの懸念もしょうがないと思うが?」
「残念だが、俺はあの機体をマーケットで購入しただけだ」
「ふむ、そういう事にしておこうか」

 この様子から考えると、既に俺がトールギスをマーケットで買った訳じゃないってのは調べが付いてるんだろう。
 それでも何も言わないのは、ここで下手に俺に向かってそこを追及すれば、ガンダムに対抗出来るMSがなくなってしまうというのが大きい。
 もし色々と偶然が重なって俺からトールギスを奪い取る事に成功しても、そもそも今の連合軍にはトールギスに乗れる程のパイロットもいないだろうし。
 やっぱりあの演習に強引にでも乱入したのが効果的だった……って事か。

「ともあれ、先程のロームフェラ財団からの使者が、かなり強硬な態度でな。ドーリアン外務次官を、何としてでもコロニーに向かわせるようにとの事だ。おまけに、既に根回しは終わっているらしい。アクセルが見たTVというのもそれだろう」
「……なるほど、そう来たか」

 OZに……そしてロームフェラ財団にとって、やはりドーリアン外務次官というのは厄介な存在なんだろう。
 オペレーション・デイブレイクを成功させる為に、どうしてもここでドーリアン外務次官を殺しておく必要があった。
 しかも、コロニーで殺せばそれを行ったのは当然のように犯人はコロニーの強硬勢力という事に出来る。
 実際、原作でもレディ・アンがコロニーの仕業としていたしな。

「……止める事は難しい、と?」
「そうなる。何か明確な理由があるのならともかく、理由もなく止めるというのであれば、だが」

 明確な理由か。いっそドーリアンの家にテロを起こすか?
 そうすれば家族が心配で……いや、そうでもないか。実際原作では色々と地上が不穏な状況でもドーリアンはコロニーに向かった。
 もし多少のテロがあっても、ドーリアンがコロニーに行くのを止める事はないだろう。
 それこそ、妻や娘が殺されるような事にでもならない限りは。
 だが、そこまでやるべきか? 何より痛いのは、この件が知られれば俺は間違いなくこの世界でも指名手配になりかねないという事だ。
 特にノベンタは俺がドーリアンを宇宙に向かわせないようにしたと知ってるので、もしテロやら殺人やらがあれば、当然俺を疑うだろう。
 勿論、影のゲートを使って転移しての犯行であれば決定的な証拠という事にはならないだろうが……
 そこまでやる労力があるかと言えば、否だろう。
 ただ、このまま放っておくというのもあまり面白くないので、忠告の手紙でも……いや、違うな。手紙を送るにしても、それは既に俺の仕業だとは絶対に分からないんだから、レディ・アンがドーリアンに同行してコロニーで暗殺しようとしている。
 そんな風に核心を書いても、この場合は問題ないか。
 よし、なら早速行動に移すか。

「分かった。この件はOZが強引に運んだという事だな。……まぁ、向こうは向こうで色々と考えがあるんだろうが……厄介な存在だな」
「それは否定せんよ。ガンダムが襲撃している基地には、連合軍もいるがそれ以上にOZの兵士が多い。恐らくガンダムの狙いは、連合軍ではなくOZなのだろう」
「だろうな」

 その後も短く話をし……俺と凛は執務室を出る。

「そう言えば、凛にしては珍しく何も口を挟まなかったな」

 通路を歩きながら隣の凛にそう告げると、呆れたようなジト目を向けられた。

「あのね、アクセルは私の事をどう思ってるのかしら」
「うん? そうだな、頼れる恋人だと思ってるぞ」
「……馬鹿」

 何だか通りすぎた連合軍の兵士が嫌そうな表情をこっちに向けてきたんだが……惚気にでも見られたか?
 いや、実際に惚気と言えば惚気なのかもしれないが。
 ともあれ、まだ仕事があるという凛と別れて俺は用意された士官部屋へと向かう。
 正直なところ、ノベンタに雇われて一番不満があるのは、やっぱり部屋が凛や綾子と別々になってしまったってところだよな。
 マフィアに匿われている時の連合軍の基地や、ハワードの有するサルベージ船ではきちんと3人一緒の部屋だったのに。
 いやまぁ、連合軍という立場を考えれば、まさか官舎で同棲させる訳にはいかないというのも分かる。
 家族用の官舎も今は空きがないらしいし。
 もし一緒に暮らしたいのなら、どこかに家なり部屋なりを借りるようにと、そういう事なのだろう。
 夜の生活の事を考えれば、家なり何なりを借りた方がいいのは間違いないんだが……これからのW世界の流れを考えると、家を借りると色々と不味い気もするんだよな。
 特にこの1年はポコポコと組織が出来ては潰れていくなんて感じだし。
 ホワイトスターとの行き来が可能になれば、こっちとしてもそれなりに量産型Wとかバッタとかの護衛を呼び寄せる事が出来るんだが。
 ともあれ、凛と恋人らしい会話をしながらも途中で仕事があるという凛とは別れ、俺は自分の部屋へと戻ってくる。
 そうして部屋にやってくると、一応念の為にスライムを使って部屋に何も仕掛けられていないかを確認する。
 何だかんだと、今の俺の立場では色々と敵が多いからな。
 特にロームフェラ財団なんか、間違いなくこっちを敵視している筈だ。
 そう考えれば、一応ではあっても周囲のチェックをしておくというのは絶対にやっておくべきことだろう。
 そうしてスライムにより部屋の安全をチェックすると、早速手紙を書き始める。
 当然手紙には俺の指紋がついたりしないように細心の注意を払いながら……というか、スライムにペンを持たせて書いてるんだから、指紋のつきようもないんだが。
 一応紙は空間倉庫から出した物だし、それもスライムを使ってやってあるので指紋の心配はいらない。
 ……まぁ、もしかしたらこの紙を製造した世界で誰かの指紋がついてはいるかもしれないが、W世界に……いないよな?
 実は全く同じ指紋を持っている人がいたりしたら、少しだけ驚く。
 ただ、平行世界だという事を考えれば、もしかしたら他の世界と同じ指紋を持っている奴がいる……という可能性はある、か?
 そんな風に考えながら、スライムを使ってペンを操り手紙に文字を書いていく。
 OZがドーリアンをコロニーに行かせるように考えていて、コロニーでドーリアンを暗殺しようとしている事。
 それをコロニーの仕業として公表し、コロニーと地球の関係を悪化させる事。
 オペレーション・デイブレイクについても触りだけだが書いておいた。
 勿論本当に触りだけであり、何を目的にしているのかというのは書いていない。
 ただ、地球とコロニーの関係を悪化させて何かを企んでいる……といった程度。
 それでも、これを見ればOZが何かを企んでいるというのは警戒するだろう。
 ……まさか、サンクキングダムの完全平和主義の思想が残っていて、それでもOZを信じるなんて事は言わないよな?
 いや、完全平和主義ってのはそういうのじゃないと思うんだが、どうにもシャドウミラーを率いる俺とは色々な面で合わないんだよな。
 ともあれ、連合政府の役人としてしっかりとした地位を築いている以上、妙な真似はしないと思うんだが……それでも心配に思うのは、やっぱりサンクキングダムという毒の影響が残っているからだろう。
 少なくてもリリーナをコロニーに連れて行くような真似はしないと思うが……あ、でもそうなれば、リリーナがピースクラフトの遺児だという事は分からないのか?
 いや、母親も知ってた筈だな。
 ともあれ、手紙を書き終わるとそのまま影のゲートを使って、ドーリアンの家に向かう。
 ……もしかしたらリリーナや、あるいはヒイロ辺りと会えるかもしれないと考えたが……いや、ヒイロはもう転校したんだったか?
 そんな期待を抱きつつ、俺はドーリアンの家に侵入する。
 外務次官という地位にあるだけあって、家は屋敷と表現するのが相応しい規模だ。
 警備の方も、ある程度の人数はいる。
 ただ、それでも基地とかに比べれば特に気にする必要はない程度な訳で……ましてや、影のゲートを使っての侵入に気が付く筈もない。
 ともあれ、そんな理由からドーリアンの屋敷に侵入し……執務室と思われる場所の机の上に手紙を置き、そのまますぐに去るのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1213 
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