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ドリトル先生と沖縄の蛇達

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第三幕その九

「そうしました」
「そうですか」
「そして旧王家の方々のお墓は」
「こちらにあります」
 沖縄にというのです。
「王墓がありまして」
「そうですね」
「ですが旧王家の方は東京在住ですから」
「東京でお産まれになって」
「そこが寂しいですね」
 実際に寂しいお顔になって言う真喜志さんでした。
「どうにも」
「そうですか」
「沖縄県民としては」
「県民ですか」
「はい、県民です」
 こう答えた真喜志さんでした。
「僕達は」
「そうですか、県民ですか」
「本土、ヤマトンチューの人達にはどんどん来てもらって」
 沖縄にというのです。
「楽しんで欲しいですね」
「観光を、ですね」
「是非」
 こう言うのでした。
「先生も観光を楽しまれていますし」
「はい、観光もです」
「学問だからですね」
「楽しんでです」
 そのうえで、というのです。
「学ばせてもらっています」
「つまりフィールイドワークですね」
「そうですね、僕にとってはです」
 観光、旅行そのものがです。
「フィールドワークです」
「そうなりますか」
「ですから」
「楽しまれますか」
「そうしていかせてもらいます」
 是非にという返事でした。
「王宮の中にも入って」
「それではそちらにもどうぞ」
「はい、それでは」
 先生は真喜志さんに頷いてでした、そのうえで動物の皆と一緒に王宮の中にも入ってそのうえで観て回るのでした。
 それが終わって長い長い階段を降りてお城から出て真喜志さんと別れてです、動物の皆は先生に言いました。
「いい場所だったね」
「広くてね」
「しかも建物は奇麗で大きくて」
「よかったね」
「周りも大きいお家が多いしね」
「うん、いいお城だね」
 先生も皆に笑顔で応えます。
「何度観てもいい場所だよ」
「ここで住みたいとか?」
「先生思った?」
「そんなことも?」
「いや、住むとなったら」
 そう考えると、でした。先生は。
「僕とトミー、皆が住むにはね」
「広過ぎるかな」
「ちょっとね」
「だからいいんだね」
「住むことは」
「それはいいよ」
 別にというのでした。
「適度な広さのお家でいいよ」
「じゃあ神戸のあのお家だね」
「先生が一番いいお家は」
「そうなのね」
「そうなるね、イギリスにいた時はあのお家で」
 そしてというのです。
「今はね」
「あのお家だね」
「あのお家がいいんだね」
「そう言うんだね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「お家は狭過ぎても広過ぎてもよくないから」
「適度な広さ」
「それがいいんだね」
「それが一番快適」
「そう言うんだね」
「そうだよ」
 まさにその通りというのです。 
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