| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

『justice//wrong』

作者:零那
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

『LOOSER』



『此の世界には勝者と敗者しか居ない』
誰かがそんな悲しいことを言ったんだ。
其の過程にいる人なんて無意味な存在だと。
どんなに負けまいと歯を食いしばり生きてたって、結局は負けるんだと。

そう、勝者になる人は既に決まってる。
敗者になる人も既に決まってる。
其れは誰もが決められた運命なんだと言う。
だから逆らう事なんて無理なんだって。

何もかもが崩れ去る音を聞きたいわけじゃない。
正義を振りかざしたいわけじゃない。
自分が正しいだなんて思ってない。
綺麗事が言いたいわけじゃない。
決して...。
でも、なんで?

高い処から他人を蔑んでる人が勝者なんて笑えるでしょ?
勝者なら嬉しくて輝いてる筈でしょ?
どうしてそんなに醜い面引っさげてるの?

狂った世の中を嘆いたって何も変わりはしない。
たとえ僕が居なくなったとしても決して何も変わりはしない。
そんな僕は間違いなく敗者なんだろう。

媚びへつらって愛想笑いしてる勝者。
高みの見物で心が動かなくなった勝者。
誰かの心の声に耳を傾けることが出来ない勝者。
そんな勝者なんかより、僕は今の敗者のままがお似合いだ。


 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧