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天本博士の怪奇な生活

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25部分:第二十四話


第二十四話

             第二十四話   いらん発想
「何たることじゃ!」
 博士が新聞を見て怒りを爆発させていた。
「とんでもないことをしよる!」
「ああ、あの国が遂に核実験ですか」
 小田切君はその新聞の一面を見て言った。
「とんでもないですよね。国際社会への挑戦ですよ」
「違う!わしが怒っているのはそれではない!」
「へっ!?」
「わしが怒ってるのは今更核兵器を作っておるということだ!」
「またか」
 何かいつもの嫌な予感がしてきた。
「今はブラックホールだ!」
 博士は主張する。
「ブラックホール粒子砲を開発する!よいな!」
「あの、博士」
 いつものとんでも発言をしだした博士に対して突っ込みを入れる。
「ブラックホールって危ないですよ」
「それがどうした?」
 いつもの調子であった。やはり。
「実験、科学の進歩には犠牲がつきものじゃ。まあ見ておれ」
「どうするんですか?」
「こっちへ来てくれ」
 地下の研究室へ小田切君を案内する。するとそこには大型のライフル銃のようなものがあった。
「これじゃ」
「もう開発してたんですか」
「昨日な。時間があったからな」
「時間があったらブラックホール粒子砲も作れるんですか」
「言っておるじゃろう、わしは天才じゃと」
「はあ」
「ほんのちょいと時間があればいいのじゃよ」
「で、これどうするんですか?」
 銃を手にして問う。
「実験とかまだですよね」
「それはこれからじゃ」
「これからって」
 何かメタリックで未来的なデザインの銃がやけに重く感じられた。
「もう実験に使う場所は決まっておる」
「警察や自衛隊の施設だと今度は人口衛星で外に出されますよ」
 本当にされてもおかしくはなく文句も言えないのがこの博士の凄いところである。
「またカイザージョーで脱出するにしろ」
「フン、そんなところは狙わんわ」
「山とか海に撃ったら環境破壊ですよ」
「環境破壊が怖くて科学が出来るか」
「また捕まりますよ」
「まあこれは冗談じゃ」
「本当ですか!?」
 とても冗談には聞こえはしなかった。おそらく本気で山か海に撃つつもりだったのだろう。この博士はそうしたことを平気でやる人物である。
「一つ候補地がある」
「何処ですか、それ」
「怒られるどころか消し去れば喜ばれるところじゃ。まあ来い」
「わかりました」
 博士は小田切君を連れて銃を手にある場所に向かう。そこでとんでもないことがまた博士の手によって起こるのであった。


第二十四話   完


                  2006・10・9


 
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