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カードファイト!!ヴァンガードG ネクステージジェネレーション

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turn:21 決戦!ギアクロニクル!

 
前書き
地区大会もいよいよ大詰め
強敵とのファイトを乗り越え勝ち進んでいくタイガ達
ミライへのリベンジに燃えるタイガ
幾多のファイトを乗り越えついにその時がやってきた
はたしてこの戦いの果てには何が待つのか 

 
一回戦を勝利したタイガ達
強敵相手に勝利したことで勢いがつき順調に勝ち進んでいた
「さあ!いよいよ準決勝!この試合に勝ったチームが全国大会に出場できるよ」
「クロノファング・タイガーでグレイトフル・カタパルトにアタック」
クロノファングの振るった拳がグレイトフル・カタパルトに炸裂
見事勝利を収めた
メグミとハジメも勝利、三人でグータッチして勝利を喜び合った
「チームクレストロード!決勝進出決定!お!こっちも決着つきそうだよ」
そう言ってミツキの見る先ではもう一つの準決勝の試合が行わていた
「貫け!レギオンアタック!」
クリムゾンとヴァーミリオンの同時攻撃がさく裂
マコトの勝利によってミライたちも3人全員が勝利して決勝へと進んだ

Turn:21 決戦!ギアクロニクル!

「「おお~!」」
重箱に敷き詰められたおいしそうなお弁当に感嘆の声を上げるタイガとメグミ
「今朝ミツキに持たされたんだ、みんなで食ってくれってさ」
重箱の蓋を持ちながら説明するハジメ
朝早くから台所に立っていたミツキの姿を思い出し苦笑していた
「そういえばそのミツキは?」
「スタッフと打ち合わせだってさ、あ、飲み物ねえな、しゃあねえ、こいつで決めるか」
そう言って自分のデッキから三枚のカードを取り出すハジメ

「「「グレードじゃんけんじゃんけんポン!」」」
ワンダーエイゼルを引いたハジメとハウエルを引いたメグミ
一番グレードの低いカリアはタイガの手にあった
「スポーツドリンクな」
「紅茶お願いね」
そう言って小銭を差し出す二人
タイガは肩を落としてそれを受け取った
「ちゃんとペットボトルで買って来いよ」

自動販売機のスペースにやってきたタイガは頼まれたスポーツドリンクと紅茶を一度おいて自分の飲み物を選び始めた
「さて、俺は何にするか………ん?」
タイガが選んでいると丁度ミライがやってくるところだった
「あ」
こちらに気付いたミライも思わず声を上げる
タイガはお茶を選んで取り出すとスポーツドリンクと紅茶を持ってその場から急ぎ足で立ち去る
「今度は負けねえからな」
去り際にそう声をかけるとミライは振り返って彼を見た
あえて何も声をかけず僅かに口元を緩めて

昼食を終えたタイガ達は決勝戦について話し合っていた
「あいつとは俺がやる!こればっかりは譲れねえ!」
タイガはミライとファイトしようと意気込んでいた
「まあ、ユウカさんは俺がやるべきだろうし」
「そうね、私もマコ姉とは小さい頃からよくファイトしてるし、ミライともファイトしてみたいけど」
「決まりだな」
2人の言葉を聞いてタイガはにやりと笑う

「さあ!いよいよ決勝戦の開幕だよ」
ミツキの言葉と共に会場の中央に三つのコンソールが現れた
「決勝ではこのNEO-GIRSを使ってのファイトになるよ」
タイガ達がコンソールにファイカをセットするとファイカの中央からファイトテーブルの映像が投影された
既にファーストヴァンガードとデッキがセットされた状態でデッキに手をかざすと五枚の手札が手元に現れた
「おお、すげえ」
初めてこれを使ったタイガは思わず声に出てしまう
そんな彼を見て小さく笑うとミライも手札を確認する
「見せてもらうわね、あれからどれだけ成長したか」
「上から目線で言いやがって、びっくりして腰抜かすなよ」

「やっぱり私の相手は貴方になったのね」
「あんたのデッキは特殊すぎる、対抗できるのは俺のデッキだけだ」

「メグミとこうしてファイトするのは久しぶりね」
「マコ姉相手だからって容赦はしないから」

「それでは皆さんご一緒に!」
「「「「「「スタンドアップ!」」」」」」
「「ザ!」」
「「「「「「ヴァンガード!」」」」」」
ファーストヴァンガードを開くと会場が光に包まれまるでここが惑星クレイの中にあるような風景が広がった

「BN-PRISM サファイア!」
「リザードソルジャー サイシン!」

「緋色の小獅子 カリア!」
「錯綜の星輝兵 カーボン」

「ガンナーギア・ドラコキッド!」
「クロノ・ドラン!」

お互いのクランが同じギアクロニクル
とはいえその動きは千差万別
どんなカードを入れているか、トリガーはどんな組み合わせにしているか
デッキの構築やファイターの腕が試されるといえる
「ライド!メーザーギア・ドラゴン!」
タイガがメーザーギア・ドラゴンにライドすると彼の目の前にいたガンナーギアも同様に姿を変えた
「すげえ、まるで本物のユニットがいるみたいだ………」
「ライド!タイムブレイク・ドラゴン、アタック」
タイムブレイク・ドラゴンが剣を構えながらメーザーギアに向かっていく
「ドライブチェック」
【スチームファイター バリフ】トリガーなし
タイムブレイクが振るった剣でメーザーギアの体が宙に舞う
「ダメージチェック」
【クロノファング・タイガー】トリガーなし
「ライド!スモークギア・ドラゴン!更にムダルをコールしてアタック!」
スモークギアへと姿を変えたヴァンガードはその4本の足でがっしりと着地
その横から姿を現したムダルが突っ込んでいく
「ガード」
スチームブレス・ドラゴンが前脚を振り下ろしてムダルの行く手を阻んだ
【スチームバトラー マシュダ】クリティカルトリガー
スモークギアの前足がタイムブレイク・ドラゴンの鳩尾に食い込むようにして決まる
【スチームメイデン メラム】トリガーなし
【ヒストリーメーカー・ドラゴン】トリガーなし
「ライド!ヒストリーメーカー・ドラゴン、スモークギア・ドラゴンをコール、アタック」
ミライのスモークギア・ドラゴンがタイガのスモークギアに突進攻撃を決める
【スチームメイデン アルリム】トリガーなし
「ヒストリーメーカーでアタック!」
「マシュダでガード!」
ヒストリーメーカーの前にマシュダが立ちはだかった
パワーの合計を考えるとこの攻撃はまず通らない
「ドライブチェック」
【スチームバトラー ウル・ワタル】スタンドトリガー
「効果はすべてスモークギアに、アタック」
「マシュダでガード!」
「ターンエンド」

「ダメージはお互い2対2、次からお互いグレード3、そろそろファイトが動くころだな」
ファイトを観戦していたカムイは互いの盤面を見比べてそう呟いた
「問題はあの手札、タイガ君の方はガードにずいぶん手札を使っちゃったから後に響かないといいけど」
そう言ってエミは心配そうにタイガを見つめた

「我が望む世界へ導け!ライド!クロノファング・タイガー!」
咆哮を上げ相手を見据えるクロノファング
「アップストリームとナンネアをコール、アップストリームでアタック」
「スモークギアでインターセプト」
「ガンナーギアのブースト、クロノファング」
クロノファングの攻撃宣言にミライは手札を見つめたが
「ノーガード」
「ツインドライブ」
【スチームバトラー ウル・ワタル】スタンドトリガー
「ゲット!アップストリームをスタンド!セカンドチェック」
【スチームスカラー エメルアンナ】トリガーなし
クロノファングの拳がラリアットのような形でヒストリーメーカーに決まる
【スチームファイター バリフ】トリガーなし
「アップストリーム!」
スタンドしたアップストリームの放った歯車もヒストリーメーカーに決まる
【タイムブレイク・ドラゴン】トリガーなし
「ムダル!」
「ガード!」
カー・ランマがヒストリーメーカーの前に立って身構える
それによってムダルは攻撃できなくなってしまった
「スタンドアンドドロー」
手札に来たカードを確認して
「運命を導き、我が世界を切り開け!ライド!クロノジェット・ドラゴン」
以前見た時と同様に凛とした佇まいでクロノファングを見据えるクロノジェット
「今こそ示せ!我が真に望む世界!ストライドジェネレーション!」
炎に包まれて現れる時空獣 メタリカ・フェニックス
以前ミツキとのファイトで使っていたユニットだ
「ストライドスキル、アップストリームを山札の下へ、ウル・ワタル、クロックフェンサー・ドラゴンをコール、クロックフェンサーのスキルでウル・ワタルをタイムリープしてエタナをコール」
クロックフェンサーが剣を掲げると現れた時空の門にウル・ワタルが飛び込んだ
エタナが現れクロックフェンサーの後ろで身構えている
「ウル・ワタルのスキルでデッキに戻して2枚ドロー、1枚を山札へ」

「ライド!星輝兵 カオスブレイカー・ドラゴン!」
鎌を持った白い竜のユニットがユウカのヴァンガードとして現れる
「スキル発動、バグデマグスを呪縛(ロック)
カオスブレイカーが手をかざすとリアガードにいたバグデマグスが黒い輪に包まれそのまま球体のようなものに閉じ込められてしまった
呪縛(ロック)はユウカのクラン、リンクジョーカーが持つ特殊能力
呪縛(ロック)を受けたユニットはサークルごと封じられ使えなくなってしまう
まさに相手を無力化する呪いのような能力なのだ

ドラゴニック・デスサイズの振るった鎌から放たれた電撃でリアガードのケルトが退却する
「どうしたの、そんなんじゃ私に勝つことなんてできないわよ」
クリムゾンがローザを見据えて言い放った
ローザは冷や汗をかきながら力強くクリムゾンをにらむ

「みんな苦戦してるわね」
「去年の全国優勝ってのは伊達じゃない、苦しいファイトになるな」

「メタリカ・フェニックスでアタック、スキル発動、クロノ・ドランをタイムリープして、スチームスカラー ジジをコール、クロノ・ドランのスキルで………」
Gゾーンの時空竜 ワープドライブ・ドラゴンを表にすると扇状に広げたデッキから1枚のカードを取り出すミライ
「クロノジェット・ドラゴンをコール!」
これでミライは3列すべてが攻撃可能になった
「ジジのスキルでドロー」
クロノ・ドランとタイムブレイク・ドラゴンをコストとしてソウルからドロップゾーンへ
メタリカ・フェニックスが炎を纏いながらクロノファングに向かっていく
「トリプルドライブ」
【スチームメイデン ウルル】ヒールトリガー
ダメージゾーンの裏になっていたメラムを回復するミライ、続けて2枚目
【スチームスカラー カー・ランマ】クリティカルトリガー
「クリティカルはメタリカ・フェニックス、パワーはクロノジェットに、サードチェック」
【クロックフェンサー・ドラゴン】トリガーなし
炎を纏って向かってきたメタリカ・フェニックスをクロノファングが必死に受け止める
「ダメージチェック」
【スチームメイデン アルリム】トリガーなし
【スチームスカラー カー・ランマ】クリティカルトリガー
「エタナのブーストしたクロックフェンサーでアタック」
「ムダルでインターセプト!」
「ジジのブーストしたクロノジェットでアタック」
「ウル・ワタルでガード!」
ミライの残りの攻撃を何とか捌くタイガ
汗を拭いながらカードをドローする
「ストライドジェネレーション!フロートギア・ヒポグリフ」
タイガはこの後ガンナーギアのスキルを使いクロノファングを手札に、そのクロノファングをコールしてナンネアでブーストしてアタック
「カー・ランマでガード」
「ヒポグリフでアタック!トリプルドライブ!」
【スチームバトラー マシュダ】クリティカルトリガー
【クロノファング・タイガー】トリガーなし
「クリティカルはヒポグリフに!ヒポグリフのスキルでナンネアをタイムリープ、サードチェック!」
アップストリーム・ドラゴンが勢いよく時空の穴から飛び出す
【キラキラ・ワーカー】ヒールトリガー
「パワーはアップストリームに!」
タイガも負けじと攻撃を仕掛けていた
ヒポグリフの起こした突風に身構えるクロノジェット・ドラゴン
「ダメージチェック」
【アップストリーム・ドラゴン】トリガーなし
【スチームバトラー ウル・ワタル】スタンドトリガー
「パワーはクロノジェットに」
「アップストリームでクロックフェンサーにアタック」

「え?何でクロックフェンサーに?」
「トリガーも乗ってんのに、なんかもったいなくね?」
観客からはそんな声も上がってる
だがミライは真剣な表情で手札を、性格はそこにあるクロノジェット・ドラゴンを見据えた
「(ユニットを減らしてこちらの攻撃に備えるつもりね)」
クロックフェンサーはアップストリームの攻撃を受け退却、アップストリームは再びナンネアに戻るとクロノファングの後ろに控えた
「ストライドジェネレーション!クロノドラゴン・ネクステージ!ストライドスキルでナンネアを山札の下に」
次のターンの攻撃に備えヴァンガード後ろに置いていたナンネアだが容易く対処されてしまう
「ドキドキ・ワーカーとクロックフェンサーをコール、タイムリープしてエタナをコール、ネクステージでアタック」
肩の砲門から放たれた攻撃がクロノファングに向かっていく
「トリプルドライブ」
【スチームメイデン アルリム】トリガーなし
【ヒストリーメーカー・ドラゴン】トリガーなし
【パラドクスカノン・ドラコキッド】クリティカルトリガー
「クリティカルはネクステージ、パワーはクロックフェンサーに、ネクステージのスキル、再び立ち上がり我が運命を導け!クロノジェット・ドラゴンでアタック!」
【メーザーギア・ドラゴン】トリガーなし
【スチームブレス・ドラゴン】トリガーなし
そのままクロノジェットがクロノファングに向かっていくが
「ジェネレーションガード!ハイブロースチーム ラファンナ!スキルでクロノファングを山札に、ウル・ワタルをコール!」
ジェネレーションガードでうまく防いだ
「ツインドライブ」
【スチームブレス・ドラゴン】トリガーなし
【スチームメイデン アルリム】トリガーなし
「クロックフェンサーでアタック」
「エメルアンナ!クインテットウォール!」
ナンネアが2枚、アルリム、スモークギア、キラキラ・ワーカーがエメルアンナの呼声に答え集まった
「ターンエンド」
「よし!スタンドアンドドロー!手札からムダルをバインドしてストライド!」
その大きな翼を広げてクロノジェットを見据える、今まで何度となくタイガを救った切り札
「時空竜バインドタイム・ドラゴン!」
その姿を見てミライはタイガのヴァンガードサークルに置かれたカードに目を凝らした
「(彼のソウルは3枚………一気に攻めてくる)」
「ムダルのスキル発動!ソウルブラストしてバインドゾーンからコール!更に同じスキルをもう一度!!」
両サイドに2体のムダル、タイガはこのターン一気に決めるつもりだ
「まずはムダルでアタック」
ミライは手札を見つめた
アルリムが2枚、ウルル、スチームブレス、そしてクロノジェット・ドラゴン
「(インターセプトしてもいい、でもここは………)スチームブレスでガード!」
「バインドタイム・ドラゴンでアタック!スキル発動!ウル・ワタルをバインド!」
バインドタイム・ドラゴンのスキルでミライはリアガードを山札に戻さなければならない
ここでミライはクロックフェンサーを選び山札に置いた
「ウル・ワタルのスキルで2枚ドローして1枚を山札に戻す」
「アルリムで完全ガード!」
もう1枚あったアルリムをコストに、残ったウルルとクロノジェットを見ながらタイガのトリプルドライブの結果を待つ
【スチームスカラー ジジ】トリガーなし
【変革を呼ぶギアイーグル】トリガーなし
【アップストリーム・ドラゴン】トリガーなし
「ムダルでアタック」
「ウルルでガード!」
もしトリガーが出るようならジェネレーションガードするつもりだった
だがタイガのトリガーチェックは何も出なかった
ウルルは持っていた砂時計を両手で支えながらムダルの剣を受け止める
「くっ、ターン終了(けど、あいつの手札は1枚、こっちはインターセプトもある、何とか凌いで………)」
インターセプトに使えるユニットは2体、今のままでもなんとか防げるかもしれない、そう考えてタイガはミライのターンを待つ
「スタンドアンドドロー、ストライドジェネレーション、刻め!運命の時を!時空竜 ワープドライブ・ドラゴン!ストライドスキル!ムダルを山札の下に」
時空の穴に落ちるムダル
だがそれでもインターセプトは残っている
それにネクステージではない、ガードを抑制されない以上このユニットの攻撃をしのげば
「そしてドキドキ・ワーカーをコール」
「(よし!手札を使い切った!ここを凌げば………)」
「ワープドライブ・ドラゴンのスキルで、2体のドキドキ・ワーカーをタイムリープ」
2体のドキドキ・ワーカーは光に包まれその姿を変えていく
「スチームメイデン メラムと、頂に立つギアウルフをコール、更に、この能力でタイムリープしたユニットの枚数以下のグレードを持つ相手ユニットを山札の下に」
「しまった!」
これでタイガはインターセプトを失った
「さらにギアウルフのスキルで、相手のリアガードが山札に置かれたことによりパワーアップ」
「けど………なんでいきなり2体も………あっ!あのユニットまさか!」
タイガは思い出した、今ミライのヴァンガードにいるのは最初のメタリカ・フェニックスで表にされたカード
「そうよ、ワープドライブ・ドラゴンは表のワープドライブ・ドラゴンの数だけタイムリープできる」
「最初からこの攻撃に備えていたのか………」
メラムのスキルと合わせ、ギアウルフとメラムのパワーの合計は21000
タイガの手札にこの同時攻撃を凌ぐ手段はない
「ワープドライブ・ドラゴンでアタック」
【アップストリーム・ドラゴン】トリガーなし
【クロックフェンサー・ドラゴン】トリガーなし
【ヒストリーメーカー・ドラゴン】トリガーなし
「くそぉお!」
ワープドライブ・ドラゴンの砲撃がクロノファングを飲み込んでいく
【スチームバトラー マシュダ】

「貫け!レギオンアタック!」
マコトのレギオンが放った同時攻撃がローザ、ヴェール、ケルトに決まる
これにより6枚目のカードがメグミのダメージゾーンに置かれた
「負けた………」

「星雲竜ビッグクランチ・ドラゴン!アタック」
プラチナエイゼルがビッグクランチ・ドラゴンの攻撃を受けてしまう
その両サイドには呪縛(ロック)されたカード
ハジメのダメージゾーンになす術なく6枚目のカードが置かれた
「またいつでも相手になってあげる、全国大会で待ってるわ」
そう言ってコンソールから取り出したファイカを手にユウカも立ち去った
「くそっ」
敗れたハジメにはただ俯くことしかできなかった

決勝戦さえもホープ・デスティニーの圧勝で終わったことで観客席は彼女たちの話題で持ちきりだった
だが観客席の奥の方、革ジャンを羽織った水色の髪の男性だけは違った
「あいつが本城タイガか」
丁度そこへ表彰式を見るためやってきたタイヨウが男性の姿に気付いた
「あれ?ヒロキ君じゃないか!」
タイヨウが男性に声をかけると相手もこちらに気付いた様子
「よ、よぉタイヨウ、久しぶりだな」
「なんだ、大会を見に来てたんなら言ってくれればよかったのに」
「そんなんじゃねえよ、ちょっと野暮用でな」
そう言って試合の行われていた会場の方を見る
「クレストロードか、結果は残念だったけど、全国大会に進むことはできるし、今年の大会はなかなか盛り上がりそうだよ、きっと彼らは強くなる」
「へっ、だろうな、さて、俺はそろそろ戻るわ」
そう言って頭の後ろで手を組んで立ち去ろうとするヒロキ
「スタゲ支部のみんなによろしくね………あれ?」
ふと、タイヨウは彼が持ってる封筒に気が付いた
「あれ、何だろう?」
残されたタイヨウはただ首を傾げることしかできなかった 
 

 
後書き
次回予告
ホープデスティニーとのファイトで惨敗したタイガ達
気持ちを新たに全国大会に備えることに
そんな彼らをカムイたちがある場所へと連れていく
そこで待っていたのは………
turn:22 ヴァンガードの熱い夏 
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