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天本博士の怪奇な生活

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17部分:第十六話


第十六話

               第十六話   自衛隊なんて怖くない
「さあ来たぞ」
 博士は満面に笑みを浮かべていた。
「伝説の破壊神が」
「結局破壊なんですね」
「うむ!核融合炉を使った最強のロボットだ!」
「もう発明していたんですか!」
 何と核融合炉である。驚かずにはいられない。
「この前な。ちょっと暇潰しにな」
「はあ」
 暇潰しでそんなものを作れるそのこと自体が凄い。
「それが今来るのじゃ。装備が凄いぞ」
「どんなのですか?それ」
「まずミサイルにビームライフル」
「ふんふん」
「ドラグーンシス○○にフェ○○シ○○装甲」
「またそちらですか」
「ビーム偏向装甲に速射砲、ビームサーベル、ブラックホール発射装置まであるぞ」
「凄い重装備ですね」
「地球最強じゃ」
 胸を張って言う。
「それは安心せい」
「で、それが今ここに来ているんですよね」
「うむ」
「この基地を破壊しながら」
「それがどうした?」
「ここ、自衛隊も来るんですよ」
「それはわかっておるわ」
 海上自衛隊である。海自は南極観測に全面的に協力しているのである。彼等がそれを行っていると言っても過言ではない程なのだ。
「いちいち君に言われんでもな」
「じゃあわかりますよね」
「何がじゃ?」
 肝心なところは一切わかっていない。それが博士だ。
「自衛隊の基地を破壊って」
「そんなことはどうでもいいわ」
「どうでもよくありませんよ、また睨まれますよ、防衛庁に」
 睨まれるどころの話であるのは言うまでもない。
「そうしたら大変なことに」
「だから構わんのじゃ」
「何でそんなに強気なんですか?」
「自衛隊なんぞ気にしていたら科学の研究はできんからじゃ」
 説明になっていない。
「じゃあ破壊しても平気だと」
「全く。こんなことは日常じゃ」
「はあ」
 これで本当に日常なのだから恐ろしい。
「さあ来るぞ」
 破壊の物音がいよいよ近付いて来る。
「最強の破壊神が」
「やれやれ」
 溜息をつく小田切君。今二人の前にその巨神が姿を現わしてきた。


第十六話   完


                   2006・9・9


 
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