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とある異世界の交差物語(クロスオーバー)

作者:鉄龍王
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第43話 睨み合う夜叉と飛天、出会う管理局と海竜

 
前書き
大変お久しぶりです。本当は12月中に投稿する予定だったのですが、思った以上に遅れてしまいました。大変申し訳ありません。

今回はいつもより若干お話が長いです。よかったら見ていってください

それではどうぞ! 

 


抜刀斎を交えたリオン達とクロノ達管理局との戦いに終わりが見えたちょうどその頃・・・



白いロングコートを着た銀髪の青年………ライゼルは先程自分たちを襲った爆風を起こした主を追い、人気が全く無い街道を駆け抜けていた

「出てこい■■■!!何処にいる!!」

ライゼルは何も無い空間を睨みながら獣のごとき咆哮をあげながら、誰かの名を呼んでいた

「また()()()の様にやりたい事だけやり、殺したいだけ殺し、結果的に助かった人間の顔も見ずに勝手な自己解釈して逃げる気か!!」



ーーー・・・・・・・・・ーーー



先程の爆風の主と因縁があるのか怒りを込めた口調で叫ぶライゼルに対して返事は無く、ただ静寂が周囲を包むだけだった。


シビレを切らしたのかライゼルは腰に差している2本の剣の内、片割れである紅く彩られたサーベルに触れ、居合の構えをとりながら、その瞳に怒り…否、憎悪に満ちた眼で宣告した。

「そうか・・・出てこないなら仕方ない………この街を火の海にしてでも炙り出してやる。」

サーベルの柄を握りながらライゼルはボソッと呟いた

(すめらぎ)流……」

ライゼルが腰に差しているサーベルを抜こうとした瞬間……

「兄者っ‼」

「っ‼」

仁九郎(おとうとぶん)の叫びに反応し、サーベルを掴んでいた手を離し、仁九郎に振り返るライゼル。彼の視界に写っているのは怒りと焦りの感情(いろ)が浮かんでいた。

「仁九郎……?」

「何をやってるんだ兄者!!リオン殿の状況が不利になりつつあるから我等はこれからその援護の為に出陣()なければならぬと言うのに、一体何を暴走しているんだ‼」

「………………」


仁九郎の言葉によって冷静になったのかライゼルは深呼吸し、落ち着きを取り戻し、仁九郎(おとうとぶん)に感謝した。

「すまない仁九郎……私としたことが随分取り乱した」

「いや、解って貰えば良い。俺としても此処で兄者を失う訳にはいかん。もっと己の立場を考えてくれ」

「ああ、胆に命じておく」

ようやく冷静さを取り戻したライゼルは仁九郎に現状の確認をした。

「ところで仁九郎、又兵衛はどうした?」

「アイツならもうすぐコッチに着く。アイツは俺や兄者ほどの速さは無いが、それでも・・・」

「大兄貴――っ!!仁の兄貴――っ!!」

「っと、噂をすれば・・・」







二人が又兵衛の声がする方へ視線を向けながら、仁九郎はライゼルに先程の行動の理由を訪ねた


「ところで兄者。先程まで何やら叫んでいたが何故いきなり……」

()()が現れた」

「ん?」

「先程の感じた狙撃手(スナイパー)のごとき視線、ギリギリまで押さえ込んだ殺気、そして、僅かだがあの爆風の中に感じた魔力・・・忘れようとも忘れられない」

「兄者、さっきから何を言ってるんだ?視線だの殺気だのとまるで・・・・」

途中まで言いかけたところで仁九郎は察してしまった。自分の兄が何故笑いだし、怨嗟の声を上げていたのか。そして仁九郎も思い出したのだ。
たった一度だけ戦ったある人物を・・・・



「まさか兄者、()()()が……!?」

青ざめた仁九郎の問いにライゼルは僅かに首を縦に振りながら答えた

「そうだ。又兵衛の情報通り、()()()がこの海鳴(まち)にいる。理由は解らんが、どうやら闇の書の守護騎士達と協力しているようだ。さっきの攻撃がその証拠だ」

「そうだったのか・・・・だが兄者、今は・・・・」

「解ってる。今回は私の失態だ・・・・まずはリオンの援護に向かおう」

「・・・・・・・何がどうしたんだ?」

ようやくライゼルと仁九朗(兄貴分達)と合流できた又兵衛(弟分)は妙な空気に首を傾げていた。
そんな又兵衛(かれ)に二人の兄貴分はなんでもないと答え、リオンの援護に向かうと指示を出すが、又兵衛からトンでもない事態が発生したと告げられる。


「何だと⁉」

「それは本当なのか⁉」

ライゼルも仁九郎も目を大きく開きながら又兵衛に確認をし、又兵衛も答える。


「ああ、リオンの嬢ちゃんが例の助っ人の侍と小競合いを始めやがった!!」










一方その頃、クロノ達管理局とリオン達との戦闘は膠着状態に陥っていた。何故ならお互い味方であるはずのリオンと抜刀斎がにらみ合いを始めたのだ。

抜刀斎から見れば味方であるはずのリオンがまさかコチラの邪魔をするとは思わなかったらしく、驚愕の表情を晒しながらも、すぐに眉間にシワを寄せながらリオンを睨み付けた。



「…………一体何のマネだ……リオン殿?」

それに対してリオンは臆することなく、むしろ抜刀斎を射殺す程の鋭い眼光を光らせ、睨み返した。

「何のマネ?それはコッチのセリフよ抜刀斎。私達はさっさとこの場から撤収したいだけで、ここにいる子供たちを殺せなんて一言も指示を出してないわよ?」

「それはソチラの言い分であろう?俺はある“御仁”の命を受け、此処に来たのだ。それを今さら標的を殺すなと言われてハイわかりましたと言えるわけないだろ?」

「それこそコッチの知った事じゃないわ。元々ラスト・トレイター(私達)は連中をある程度体力を削らせて撤退する予定だったのよ。それを……」

「そちらにどんな理由があろうが俺には関係無い。依頼の人間を斬る………それだけだ」

「あっそう……そっちがその気なら…………」

「……?」


リオンが言い切る前に姿を消した為、抜刀斎は一瞬戸惑うがすぐに辺りを見回し、リオンを探すがその一瞬の戸惑いが命取りだった。


「っ!?」


油断はしていない。警戒を解いてなんていない。だがリオンは確かに抜刀斎(かれ)の目の前に居た筈が一瞬……否、()()する間もなく視界から消えたのだ。そして………


「私も遠慮しない……!」


「ぐっ…!」


背後から途轍もない殺気に中てられ反応が遅れたが、本能的に前へ転がる形でリオンの攻撃を避ける事で致命傷を避ける事には成功した。しかし、突然襲ってきた彼女(リオン)の殺気に中てられ、反応が遅れていしまい、右肩から背中にかけての一閃を貰ってしまった。傷は浅いとはいえ、久しぶりに味わった痛みに抜刀斎は顔を歪めながら一定の距離を作りながら味方であるはずの彼女(リオン)を警戒する。

「ふっ!」

「なっ!」

しかしそんな抜刀斎(かれ)の考える暇など与えないと言わんばかりに彼女(リオン)の特攻が襲いかかってきたため、抜刀斎はその手に持っていた刀を強く握り応戦する。



そして応戦が始まってまだ1分も経ってないはずなのに抜刀斎と夜叉姫(2人)剣戟(たたかい)は数十どころか数百を超えていた。何度も刃を交え、急所を狙った一閃をギリギリでかわし、首や手足の脈を狙うリオンに対して抜刀斎は彼女(リオン)自身ではなく、彼女の双剣(ぶき)を破壊しようと剣だけを狙っているが、それを直ぐに察したのかリオンは抜刀斎の刀を双剣で受け止める姿勢から受け流す構えに変え、戦いを続けていた。しかし、その戦いも長くは続かなかった






「そこまでにしてもらおうか。リオン殿、緋村殿?」







「「「「「「「「「「っ!?」」」」」」」」」」

突然この(くうかん)を支配する様な不気味な声が響き、その場にいる者全員が声がした方へ視線を向けるとそこに居たのは頭から熊の毛皮を被り、武者甲冑の格好をし、腰にハンドガンと日本刀、背中に刃渡り2m近くの巨大な斬馬刀を背負っている青年だった。目元は熊の毛皮で隠れて見えないが、全身からは怒り狂ったオーラが滲み出ている。常人だとそのオーラに充てられただけでショック死を起こしかねない。
そのオーラに一線級の実力を持つ戦士たちは直ぐに気づき構えるが、当の本人は一切気にせずリオンと抜刀斎にゆっくり歩み寄り、口を開いた。


「これは一体どういう事だ?リオン殿の助っ人として緋村殿を送ったというのに、敵前でその緋村殿とリオン殿(味方同士)が斬り合うなど……愚の骨頂を通り過ぎて三文…いや、二文芝居以下の茶番ですぞ?」

「クマ……そう、抜刀斎(こいつ)を寄こしたのはアンタの差し金だったのね……!」


目の前の存在を知ってかリオンは怒りの表情を浮かべたまま、熊の毛皮を被った青年……クマに殺気を飛ばすが彼は殺気(それ)を軽く受け流す

「差し金とは人聞きの悪い…元々我々と管理局(彼ら)は敵対関係なのです。そこの黒い小僧に先のP・T事件に貢献した白と金の小娘ども……()()()()の輩と対抗できる戦力は十分ですが、そこのユーノ・スクライア(金髪の小僧)だけは別です。そこの小僧は後々厄介になる可能性が高い故に緋村殿に殺害の依頼を出したので……」


---フォンッ---


言い切る前に風切り音と共にクマの頬を金色の剣が飛び、(あか)い一本の線を走らせた。その剣の主である黒髪の少女はクマを射殺すような鋭い眼光で睨みつけていた。


「今すぐアンタの兵隊連れて消えなさいクマ。それ以上戯れ言続けるなら容赦しないわよ。その言葉は私たちラスト・トレイターだけじゃ対処出来ないって意味かしら?元々ラスト・トレイター(私たち)()()()()の直々の命を受けたのよ?アンタの独断なのか()()()()からの命令なのか知らないけど、私に何の一言も無く、そんな行動に走るという事はあの御方の御言葉を蔑ろにするのと同等じゃない?」


ユーノ本人の前で物騒極まりない言葉を続けるクマという青年を前に、ユーノ()を庇う様に前に出る管理局の仲間たちより先に敵であるはずの夜叉姫(リオン)が庇うその姿にユーノは不思議と安心感を覚えた。何故敵であるはずのリオンに安心感を覚えるのかユーノはこの時、理解できなかった。

味方同士であるはずのリオンとクマの睨み合いが続いたが先に切り上げたのはクマだった

「ふぅ……分りました。些か私の早計でしたゆえ、今回は引き上げましょう」

そう呟くとクマはクルリと背を向き、スッと片手を上げる。するとクロノ達がいる場所周辺の建物や樹木の陰からナニカが一斉に飛び出し、何処かへ遠のいて行った。そのナニカは人の様な形に見えただけで詳しくは見えなかった。

「なっ!?」

「コイツ等、何時の間にっ!!」


突然飛び出したナニカにフェイトとアルフは戸惑うばかりだった。他の面々も口に出さなかったが強張るばかり。

「ほっとけ。アンタ等はあの頭に熊の毛皮を被ったヤツだけを警戒すればいい」

「そうそう、周りは気にしなくて良いよ。雑魚だから」


しかし大剣を持つオレンジ色の髪の少年…海斗(かいと)と錫杖を持つパイナップルの様な髪型をした黒髪の少女…茜雫(せんな)だけは気付いていたのか周囲にいたナニカは無視し、目の前のクマ()だけは視線を逸らさなかった。何時でも応戦できる位置に立ち、即座に対応できるように警戒し続けた。そんな視線を今気付いたのか、それとも最初から気付いていたのかクマは首を僅かに海斗と茜雫(かれら)に向けた。


「しかし、貴公等のその眼光も流石ですな。私の気配に気付いた上で放置していたのですかな?」

「ハッ!ソッチこそ、()()からこの事態を作ろうとしてたんじゃないの?」

「そういうテメェ等は一体何が目的で海鳴(ここ)に来た?」

クマの言葉を鼻で笑うように茜雫はあしらい、逆にクマの思惑を指摘した。そして海斗はクマに海鳴に来た目的を尋ねた。


「やっぱり、()()魔導書が目的か?」

「……………」



図星だったのかそこから先はクマは口を開かず、そのまま海斗たちに背を見せたまま闇の中へ姿を消し、完全に消える前にポツリと一言つぶやいた
















































「また会いましょう………」














































しばらくの沈黙が続き、いつの間にかリオン達も姿を消し、この場にいるのはクロノ達管理局と海斗と茜雫の2人のみ。長いようで短い沈黙を破ったのはアルフだった。

「で、結局アンタ達は一体何なんだい?見たところ管理局の摩導師じゃないみたいだけど?」

アルフの言葉に頭をガシガシかきながら気まずい表情(かお)をしながら海斗は

「あー……取りあえずそれは後日改めでいいか?コッチはついさっきこの街に着いたばかりでクタクタでな、俺達は此処の騒ぎを聞きつけて着ただけなんだ。」

そう言いながら海斗は懐に手を入れ、あるモノを取り出し、それをクロノに投げ渡した

「これは?」

「俺達の連絡先の番号が書かれている。1週間後に連絡してくれれば、ソッチに顔を出す」

「……何故1週間後なんだ?」

「言っただろ?俺達はついさっきこの街に着いたばかりだって……俺の仲間は今宿を取ってる所でな…その後は拠点の確保があるし、助っ人連中を出迎える準備と色々あるんだよ」

「貴方は一体……」

クロノの質問を答える前に海斗は茜雫を連れて背を向け、ある一言を呟き立ち去った。

「その答えは1週間後だ。どうしても知りたかったら自力で頑張んな」

そう言い残し、2人は今度こそクロノ達の前から姿を消した。残っているのは管理局の魔導師たちのみとなった。

「一体何だったんだ。あの人たちは……」

ポツリと呟くユーノの言葉に答えられる人間はこの場にいなかった。























それから2日後……























---まもなく、海鳴…海鳴---











電車経由で()()()から数人のグループが海鳴の街にやって来た。そのグループのリーダー格の男は長い間電車に揺られていたのか少し疲れた表情で眉間にシワを寄せながら電車から降りてきた。


「フゥ、やっと着いたか。ここが海鳴か……」

「土方さ…じゃなかった、土方先生!」

そう呟く男は黒髪で長身、の男…土方歳三が呟いた。そんな土方に声をかけたのは一人の少女だった。

長い黒髪を肩に乗せ、それをピンク色の髪留めで結んでいる少女…雪村千鶴は荷物を持ちながら土方の後を追ってきた。

「千鶴、ここは学校じゃねぇんだ。わざわざ『先生』なんて呼ばなくていいんだぞ?」

「で、ですが……」

「それにだ千鶴。お前、こんな時でもまだ“土方さん”なんて他人行儀なのか?」

「ふぇ………?そ、それは…私だって土方さんの事を……というか、今この場で言う事じゃないですよね!?」


土方の指摘に千鶴は納得出来ないのか少し言い淀む表情を見せたかと思えば顔を真っ赤にしながら突っ込みを入れる。もし此処に幕末(むかし)から彼等の事を知っている新選組の仲間たちが見れば驚きを隠せない顔を見せていただろうが、この場にいるのは全く別の人間だった…

「もうっ!としぞーもちづるもイチャイチャし過ぎなんだよ!少しは周りの目を気にすべきかもだよ!!」

「い、インデックスちゃん!?」

土方と千鶴の2人が出す甘い空気に業を煮やしたのか白い修道服を纏う蒼銀の長髪のシスター……インデックスと呼ばれた少女だった。

「あ~~、土方先生~~……俺たちはなんでこの海鳴(まち)に来たんでしたっけ?そして俺は何でまた学園都市から出ているんですか?」

「ンなもん、1週間前の電話のせいだろ」

「ですよね………」











そう、本来なら学園都市からは簡単には出ることができない土方たちが何故この海鳴にいるかというとそれは1週間前の出来事から始まる……






















「お、終わった~~~……」

毎回恒例の如く、上条当間は学校からの課題と補習に追われる日が続き、ようやくそのすべてが終わり、この時の上条は精根全てを使い果たし、某ボクサーのごとき顔で真っ白に燃え尽きていた。そしてそんな上条に声をかけるのが…


「当間君、お疲れさま」

そういって上条にお茶のペットボトルを差し出すのは最近の彼にとって癒しと呼べるクラスメイトの千鶴だった。


「あ~ゴメンな雪村。わざわざ待っててくれて………」

「ううん、気にしないで。私が好きで待ってただけだから」


このやり取りだけで見れば2人は惹かれ合ってるかと予想するが、実際はそうではなかった。


「それにあの1件……鵜堂さんの事件から学校側も『外出時は必ず2人以上で行くように』って言ってたからね。警備員(アンチスキル)も日中夜問わずの警戒としてパトロールが続くし、他の皆はもう帰っちゃったしね。それに土方さんも………」

「うっ………」


千鶴の『土方さん』という単語に上条は身震いを抑えられず、その時の土方を思い出した

















『いいか上条、俺は警備員(アンチスキル)で忙しく、常に千鶴の傍に居る事が出来ねぇ。だからこそ、信頼できるお前に千鶴を守って欲しいと思ってるんだ。同じ学生であるお前にこんな事を頼んでる時点で最低だって自覚はしてるが、千鶴が俺以外に信頼を寄せてるのが上条である以上、お前が適任だって俺は思ってる。ああそうだ、上条、お前は千鶴の()()として信頼しているのであって、決して()()じゃないって事を理解してるよなぁ?もし千鶴の体が目的ならどうなるか分かってるよなぁ?』





その時の土方は目が一切笑っておらず、彼の背には蒼い炎を纏った般若が見えた瞬間、上条はプルプル震えながら首を何度も降り続けた。














「さて、課題も補修も終わったし、そろそろ帰るか?」

「そうだね。あ、当間君、帰りの途中にスーパー寄っていい?今ならタイムセールに間に合うはずだから」

「ああいいぜ。俺も今日の分を買っておきたいからな………………それに同居人の暴食腹ペコシスターに頭をかじりつかれそうだ……」

「当間君?」

「あ、あぁいや、何でもないでせうよ?」

「?」

上条の反応に首を傾げる千鶴だったが何でもないと言い切り、支度を済ませた上条たちはカバンを持ち席を立とうとしたその時、教室の入り口からピンク色の髪を持つ幼女……上条たちの担任教師である月詠小萌が顔を出してきた。


「あ、上条ちゃんと雪村ちゃん、これからお帰りですか?」

「はい。これから当間君と夕飯の買い物に……」

「そうですか。上条ちゃん、雪村ちゃんは土方先生の家族なんですからお手手を付けてはいけませんよ?」

「先生!そのセリフは最も言ってはいけないセリフの1つではないかと(わたくし)上条当間は思うのでせうがというか、そんな事をしたら土方先生に間違いなく斬られます!!」

「まぁおふざけは此処までにして、上条ちゃんと雪村ちゃん、突然で申し訳ありませんが職員室まで来てください」

「職員室?」





この時の上条たちはまだ知らなかった。この呼び出しが、とんでもない大事件の前触れだったとは……

 
 

 
後書き
如何だったでしょうか?ライゼルのいうヤツとは一体誰なのか、ユーノを庇うリオンの謎の奇行、そして大変お久しぶりな土方先生方学園都市組ご一行の登場。

今後彼らがどう絡むかはその時のお楽しみという事でお待ちください。

次回も月1以上に遅れる可能性がありますが、出来るだけ早く出します。



出来れば感想と評価もお願いします


 
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