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42部分:第四十一話


第四十一話

                 第四十一話  雅美の魔法
 華奈子の不敵な笑みの前で今雅美が動く。彼女は勝負に出て来た。
 ギターの演奏と共に魔法を出す。それは様々な色の光であった。
「私と同じ!?」
「いえ、それだけじゃないみたいよ」
 赤音に梨花が答える。
「どうやらね」
「じゃあ一体何を?」
「今わかるわ」
 赤音に今度は美樹が答える。
「けれど凄いのが見られるのは事実よ」
「そうなの」
「ええ」
 美樹はまた答える。
「それだけは私にもわかるわ」
 その言葉通りであった。雅美は光の次はシャボンを出してきた。しかしただ出したわけではなく何とそれで光を包み込んできたのであった。
「えっ!?」
 今度驚いたのは春奈であった。彼女も思わず声を漏らす。
「あんな使い方があったなんて」
「今のはちょっと」
 これには梨花も驚きを隠せなかった。流石に唖然とした声になっている。
「嘘・・・・・・」
「けど。嘘じゃないわ」 
 そう述べる美樹の声も梨花と同じになってしまっていた。
「こんなやり方って」
「普通に魔法の腕が凄いだけじゃないのね」
 赤音はそれを見てあらためて述べる。
「これはアイディアよ」
「アイディア?」
「そうよ」
 春奈に対しても述べる。
「普通に魔法を複数使うだけでなくてその応用」
「それがあれなのね」
「そうなるわ。けれど」
 彼女はまた言う。
「こんなの凄いとは思わなかったわ」
 雅美はそこにさらに鎌ィ足を出す。それでシャボンを切り裂くとそれが無数に増えていく。そしてまたステージを飾っていくのであった。
 これでステージはさらに華やかになる。その中でさらに演奏を続ける。
「凄いわね」
「ええ」
 美奈子と華奈子はそれをじっと見ている。しかし彼女達にもアイディアがあった。
 それへの備えはもうあった。後はステージに立つだけだ。
 雅美のステージは終わった。拍手が会場を包む。おそらくそこにいる雅美は満面の笑みであろう。クラウンにもそれははっきりとわかる。
 だが彼女達は負けてはいなかった。ステージに向かう前にそれぞれの手を合わせる。
「行くわよ」
 リーダーの梨花がメンバーに声をかける。
「勝ちに!」
「了解!」
 皆それに頷く。今彼女達もステージに向かうのであった。


第四十一話   完


                  2006・12・28


 
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