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おたく☆まっしぐら 2016年の秋葉原

作者:本郷明
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深い世界に集うものたち

 
前書き
魂が動くのを待っていた。
更新は遅いですが、ぼちぼちやります。

そろそろキャラ設定を書きたいw 

 
本郷はあまりSNSをしない。なぜならオタクとはそもそも自分のFavorite loveを貫き通すものだからだ。
一分一秒と時間を無駄には出来ない。
明「ここがtwitterか」
アプリを起動し、青色の鳥が映し出される。
今となっては2ちゃんねるよりも情報が早いであろうtwitterで情報収集することにしたのだ。
架空のアカウントでぱらぱらと閲覧していく。
そして見つける。
明「オタク解放同盟……」
過去のオタクを賞賛し、今のライト層を憎むものたちがひしめき合う。
秋葉原での事件はすでに大きく取りざたされていた。
明「英雄現るか」
ラジオ会館内部で暴れた男を万世橋署の警察は現行犯逮捕したものの、精神障害で現在犯人は入院中。
明「こういうのはどうなのか」
本郷は煽りツイートを送る。
明「昔のオタクってきめぇ! おっさんは早く引退して子作りしてろよ!」
するとすぐさま反論にすらなっていない罵詈雑言が飛び交う。
明「ひどいもんだ」
スマホを操作しながら、何度もあおる。
本郷はなにをしているのか。誰が主導しているのか知りたかったのだ。
明「乗ってこないか……」
ユーフェミア「あきらぁー」
猫なで声で彼女は本郷の膝の上に転がる。
明「今、忙しい」
ユーフェミア「えーあたしとエッチなことしよう!」
明「おまっ!」
どんどんどん!
玄関の扉が大きく叩かれる。
本郷は恐る恐る扉を開く。
警察「こんにちはー いま、幼女の声でエッチなことしようって」
明「ロリ物のエロゲしてるんだ」
警察「……気をつけてくださいね」
彼の目にハイライトはない。すでに疑ってかかっている。
明「盗聴器でもついてんのかよ」
ユーフェミア「あきらぁ……」
のぼせたような表情を浮かべて本郷の股間に吐息をぶつけてくる。
明「ええい、発情した猫かお前は!」
ユーフェミア「にゃあー」
明「ジッパーを下ろすんじゃない!」
ユーフェミア「旦那様はじっとしてたらええにゃ」
明「旦那になった覚えは……おおっ……」
本郷のジッパーが下ろされる前にもう一度チャイムがなる。
無の境地で扉を開けた。
宮園 萩音の姿がそこにあった。
萩音「あ、あのすいません……お取り込み中でしたよね。すいません」
明「いや、いいんだ」
本郷は彼女を部屋に上がらせる。不服そうなユーフェミアを胡坐の上に座らせ、話を聞き始めた。
明「でだ、何しにきたんだ」
萩音「それは……あの、あなたが戦った相手のことについてです」
明「それか、ストリートギャングじゃないのか」
萩音「ええ、なにか銃みたいなものを使ってませんでしたか?」
明「これのことか?」
本郷はプラスチックの弾を宮園に見せる。彼女はそれをまじまじと見つめた。
萩音「これは……原始的ですが、心を抑制する薬ですね」
明「前にもコレと似たようなものがあった。これもオタクに効いていたがなぜだ?」
萩音「そうですね……未来では感情的になることは無能の烙印を押されます。だからこの薬で感情を落として精神を保ちます」
明「物欲や性欲を減らすということか」
萩音「そもそもセックスすることも、オタク趣味があることも未来ではデメリットしかありませんから」
未来の事情は本郷には分からない。だがそこはオタクには住みにくいディストピアであると感じていた。
明「そんな世界、クソ異常だな」
萩音「ですから、わたしのような組織が動いているのです」
明「どういうことだ?」
萩音「必ずしも物欲や自然の恋愛を否定するものたちばかりではないんです。すいません」
明「アンチディストピアか」
萩音「そうなりますね」
ユーフェミア「難しいこといいよるけど、結局相手は誰なん?」
萩音「オタク、それも深いところにいた者たちです」
明「敵は、身内か……」
ユーフェミア「秋葉原はオタクの街やん! なんでそんなことするん?」
萩音「すでにオタクの街というのは過去の話で、アングラなんてものはないんです。すいません」
クリエイティブの敷居の低下、加藤の乱、オタクの一般化で秋葉原も二次元業界も大きく変化している。
明「俺はオタクでやっていけてるが?」
萩音「秋葉原のディープなオタクレベルは下がってきてますが、なくなったわけではないので」
明「聖地であることは変わらないということか」
萩音「数の理論です。少数のディープなオタクたちによってこの秋葉原が形成されたように、ライトなオタクがたくさん集まり同等の世界になったんです」
ユーフェミア「それなら別にテロみたいなことしなくてもええやんか」
明「そうか……追いやられたのか」
萩音「そう、そして彼らはコレを皮切りに日本を、世界を変えていきます」
オタクの楽園、秋葉原。
それは、ディープなオタクたちにとっての理想世界。
奪われたものは大きい。
明「ディープなものほど、スペックは高いからな」
萩音「ですね。本郷さんが戦ったものは単なる戦闘員です。リーダーは別にいます」
明「面白くなってきたじゃないか!」
大きな笑い声を上げ、本郷は満面の笑みだ。
明「オタクとしてこの戦いは参加したい。ディープな奴らはすべて俺が倒す」
アンチ大好き本郷くんであった。

ユーフェミア「明……」
明「なんだ?」
ユーフェミア「明はディープなオタクじゃないん?」
本郷は困った表情をした。
彼はオタク。それも深い世界にいるオタク。
ゆえに彼の考えはライトから秋葉原を取り戻そうとする彼らに共感する部分もある。
明「秋葉原は変化の街。そうオタクも変化していっている」
ユーフェミア「……」
明「混沌とした秋葉原ではないが、ライトもディープも二次元が好きであることに変わりはない」
どれほど変わろうとも二次元大好きの者達が集う世界を、本郷はなくしたくはないのだ。
明「だったら俺が粛清していく」
ユーフェミア「なら……あたしも手伝う!」
かくして本郷は武器を持って戦うことになった!
ユーフェミア「だから……あきらぁ……」
覆いかぶさる彼女の目はすでに本気であった。
明「お、おい……」
本郷と彼女の長い夜は始まった。 
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