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ラブライブ! コネクション!!

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Track 2 受け取るキモチ 繋げるミライ
  活動日誌6.5 これからのさむでぃ! (涼風プロローグ)

 
前書き
タイトル通りオリジナルキャラ(表紙絵の右側の女の子です)
高町涼風視点のプロローグになります。

この話のラストが前話の雪穂達のスクールアイドルへの誘いの場面へと
繋がっていると思ってください。
尚、この話は本来ボートラ扱いですので Comments はありません←

後書きにて彼女のプロフィールを載せておきますので
併せて目を通していただき、彼女の雰囲気を感じ取っていただけたら幸いです。 

 
 私、高町 涼風(たかまち すずか)。国立音ノ木坂学院の1年生。
 この春、期待と希望に満ち溢れて音ノ木坂学院に入学をしたのだけれど。
 入学式から数日経った今、私は不安と心配を胸に学院生活を送っているのだった。

 元々、アイドルが好き――と言うよりも、歌って踊れるアイドルが好きだった。
 見ているだけで幸せになれる。元気になれる。そして、自分も同じように歌って踊りたい。
 そんな風に憧れていられる存在のアイドルが好きだった。
 そんな風に好きだから、習慣的(しゅうかんてき)に見ていたアイドルの動画。
 たまたま A-RISE の動画を見てファンになったのが、スクールアイドルを知った(・・・)キッカケ。
 だけど、彼女達の歌と踊りは洗練(せんれん)されすぎている。
 頑張ってみても自分には真似ができない――自分の壁を知り挫折(ざせつ)しかけていた。
 そんな風に(ふさ)ぎ込みながら、日課(趣味)のスクールアイドルの動画を見ていた時――
 画面の向こうに、まだ3人の頃(・・・・)の μ's の動画が映し出されていたのだった。

 お世辞にも上手とは言えない踊りと歌。だけど A-RISE では感じていなかった胸の鼓動を感じていた。
 きっと自分の求めていた――憧れていた歌と踊りはコレ(・・)だったのだと確信する。
 A-RISE の歌と踊りはレベルが高いから真似ができないのではなく、周囲の人達を魅了(・・)するものなのだろう。
 きっと、彼女達にしか生み出せないものだと思う。だから、自分が立ってはいけない領域(りょういき)なんだと感じていたのだった。
 だけど自分が求めていたものは、彼女達と同じように歌って踊りたい。
 自分も他の人達へ色々な想いを届けたい。
 想いを繋いでいきたいものだから。
 3人の動画を見て、同じ領域に立ってみたい――そんな気持ちが芽生えていたから、ファンとして1年間彼女達を見続けてきたのだと思う。

 動画を見続けていくうちに μ's のメンバーが増えていくのは、とても嬉しかった。
 彼女達の動画再生数やコメントが増えていくのも嬉しかった。
 だって、私が感じたこと。思ったこと。そう言うもの全てが周りの人達も共感してもらえたのだと思ったから。
 もちろん、私の勝手な解釈(かいしゃく)だろうし、彼女達の功績(こうせき)でしかないのだけれど、嬉しく感じていたのだった。

 最初は普通に動画だけを見て応援していたのだけれど、彼女達は地元(・・)のスクールアイドル。
 動画だけではなく、実際に私が行っても平気なライブには、何度も足を運ぶようにもなっていた。
 その際に良く見かけていた――同い年くらいだろう。2人の女の子がいた。
 最初は「私と同じで彼女達のファンなのだろう」程度にしか思っていなかった。だけど――
 第1回ラブライブ! を目指していた時に、学院の学園祭で開催されたライブ。
 そのライブで新曲を歌いきった直後、高坂さんが倒れると言うアクシデントに見舞われる。
 突然の出来事で何がなんだかわからなくなって、呆然(ぼうぜん)と立ち尽くしていた私の目に――
「お姉ちゃん!」と呼んで走って近づく、ファンだと思っていた彼女達の1人の姿が映っていた。
 そこで初めて、彼女が高坂さんの妹だと気づいたのだった。
 ううん。「そうなのかな?」って感じだったのかも知れない。だって、私は彼女の名前を知らない。
 近所のお姉ちゃんと言う可能性もある。
 だけど何故だか私は、彼女が『高坂さんの妹』のような気がしていたのだった。 
  
 その文化祭のライブは中断され、数日後に μ's がラブライブ! のエントリーを取り消したことを知った。
 その話を知った時。もちろん悲しかったけれど、それでファンをやめるつもりは全然なかった。
 違うのかも知れない。それ以上に応援したいと思えるようになっていたのだから。
 だって、彼女達のあのライブには凄い感動した。
 無理をしてでもステージを成功させたい――みんなに想いを伝えたい。
 ラブライブ! への熱意が、見ている私の心にも熱意を(とも)していた。
 そんな、見ている私も「頑張らなくちゃ!」って思えるようなライブだったと思う。
 だから高坂さんのそんな想いに、私は強く()かれていたのだろう。
 私はエントリーを取り消した後も、変わらず応援し続けていたのだった。
 
 そんな時、第2回ラブライブ! が開催されることを知った。
 正直、私は彼女達が出場するのか、とても不安だった。だって、前回のこと(アクシデント)があるから。
 だけど彼女達は出場した。そして前回以上の感動を、彼女達のライブで感じることになった。
 ――それが絢瀬さん達の『卒業』と言う、彼女達の見えない絆によるものだと知ったのは、だいぶ先の話なのだけれど。
 私は彼女達に前よりも強い憧れを抱いた。前よりも近づきたいと願った。
 
 だから自分のできることを頑張ってきた。
 とは言え、元々近づく努力は(おこた)っていなかったはずだから、前以上にと言う意味なのだけれど。
 音ノ木坂学院に入学する為に勉強も、スクールアイドルになる為にダンスや歌の練習も。
 そう、少しでも彼女達に近づける(・・・・)ように頑張ったのだった。

♪♪♪
 
 そして、この春。私は無事に高坂さん達の通う音ノ木坂学院に入学することができた。
 入学式の日。
 私が教室にいると、妹であろう彼女達が揃って教室に入ってきた。
 彼女達の顔を見た私は、何とも言えない嬉しさが込み上げてきて、恥ずかしくなって机に突っ伏してしまったくらいだった。
 そして、次の日の最初のHR。
 自己紹介の時に彼女達の苗字が『高坂・絢瀬』であることを知り、私の思っていたことが確信に変わる。
 まさか高坂さん達の()と同じクラスになれるなんて!? 
 そして直接聞いた訳ではないけれど、2人でスクールアイドルについて話しているのが耳に入った時――
 やっぱり彼女達もスクールアイドルを目指しているんだと思って嬉しくなっていた。
 彼女達もお姉さん達みたいなスクールアイドルを目指していたんだ――
 そんなことを思ったのも(つか)の間。逆に自分よりも確率(・・)の高い話だと感じて苦笑いを浮かべるのだった。
 だけど、彼女達は自己紹介の時に高坂さん達の妹であることを言わなかった。
 彼女達が苗字を言った瞬間に、クラス中から感嘆に似た呟きが()れ広がっていた。
 当然、彼女達の耳にも入っているだろう。だけど――
 そのことには一切触れずに席に座るのだった。
 そして、休み時間(ごと)に姿を消していた。
 最初の休み時間の時に、私はクラスの皆に彼女達が高坂さん達の妹であることを教えた。でも、それと同時に――
 そのことには触れないようにしようと全員で約束をしたのだった。

 本人達が言わないこと。私達を()けるように、休み時間ごとに姿を消すこと。
 つまり、あまり騒いで欲しくないのかも知れない。好奇(こうき)の目で見られたくないのかも知れない。
 確かにクラスメートから、姉達のおかげ(・・・)で人気者になっても嬉しくはないだろう。
 それは私達も同じかも知れない。私達のクラスメートは、雪穂さんと亜里沙さんなのだから。
 私達は普通にクラスメートとして友達になりたいと思っていた。
 だけど何か壁を作ってしまえば、少なくとも1年間同じクラスにいるのに距離なんて(ちぢ)まらないのだと思う。
 高坂さん達を見ていて『壁の感じない近しい絆』に憧れていた私は、自然とそんな考えでいたのだろう。
 そのことを伝えるとクラスの皆も同意してくれた。だけど――
 頭では理解できていても、いざ話しかけようとすると尻込(しりご)みをしてしまう。
 あえて触れないようにするのは、逆に意識してしまうものだから。
 何かの(はず)みで話題にしてしまう可能性がある――
 全員がそんなことを考えて、別の意味(思いやり)で壁を作ってしまっていたのかも知れない。

 そんな感じで、何とも言えない雰囲気の教室内。結局、誰も彼女達に近づけずに時間だけが過ぎていった、その日の放課後。
 その壁を壊してくれたのは、他でもない高坂さんだった。
 高坂さんの発言により、雪穂さんが高坂さんの妹だと言う事実が知れ渡った。あの状態で隠し通せる訳もないと、苦笑いを浮かべる雪穂さんと亜里沙さん。
 だけど、その表情が安堵感と高坂さんへの感謝を含んでいるように思えていたのだった。
 3人が教室を出て行った後に、私はクラスメートに明日の朝、私達が話し合ったことを全て話そうと提案する。
 私の提案を聞いてくれていた全員が、心に抱えた悩みから解放されたような、晴れやかな表情で賛同してくれていた。もちろん、私も同じように晴れやかな気持ちになっていた。
 自分達では、どうすることも出来なかった壁を簡単に壊していってくれた高坂さん。
 改めて、高坂さんの魅力に()かれて彼女達に近づきたいと願うのだった。

 次の日の朝。
 私は教室に入ってきた雪穂さんと亜里沙さんへ近づくと、昨日の話を彼女達に始めた。
 私が彼女達に話を始めると、教室にいたクラスメートが私の周りに集まってきた。
 そんな大人数に囲まれながら、黙って私の話を聞いていた雪穂さんと亜里沙さん。
 私の話が終わると、苦笑いを浮かべながら彼女達の話をしてくれた。
 結局、お互いが同じことを悩んでいたみたい。
 それがなんだか可笑(おか)しくて、クラス中に皆の吹き出し笑いが響いた。
 こうして、私達は高坂さんのおかげで、見えない壁を壊して友達になれたのだった。

 だからと言う訳ではないけれど――
 私は雪穂さんと亜里沙さんと、共にスクールアイドルになりたいと言う想いが芽生えていた。
 もちろん入学式の日に彼女達を見た瞬間、私の心に淡い願望としては生まれていた想い。
 だけど、今日色々と話をして友達になれたことで、より強い希望として感じられたのだろう。
 だけど同時に、少し戸惑(とまど)いを覚えていた。
 確かに私は μ's に憧れて学院に入学した。だけど、いざとなると不安が(つの)る。
 私はスクールアイドルになれるのだろうか。そもそも、雪穂さん達に受け入れてもらえるのだろうか。
 正直、私は彼女達と違って何もない(・・・・)。ただのファンなのだし、部外者なのだと思っている。
 そして、姉がスクールアイドルと言うだけではなく、2人は中学からの親友だと言う。
 だから、2人だけでアイドルをやる為に音ノ木坂学院に入学した可能性だってある。
 クラスメートとしてなら仲良く接してもらえるかも知れないけれど、スクールアイドルの仲間としては受け入れてもらえるのか不安だった。
 
 本当なら、友達になれた朝の時点では――
 昨日雪穂さん達が入部をしたのを知っているのだから、私も今日入部をしたいと思っていた。
 だけど授業と言う、行動を制限される時間を(はさ)むことで、私の脳内にこんな否定的な考えが芽生え始めていた。
 そして、彼女達に「一緒にやりたい」と声をかけることもできなかった。
 何も言わずに入部をしてから断られるより、先に声をかけて彼女達の気持ちを聞いた方が良いと思うのだけれど。
 面と向かって断られる勇気がなかったんだと思う。
 もちろん、一緒に活動するだけが音ノ木坂学院のスクールアイドルの条件ではないのは理解している。
 それでも、2人に拒絶をされてから入部をして、同じ部員として活動する自分が――
 高坂さん達も含めた研究部の全員から孤立(こりつ)しているかも知れないって想像をすると、自分の決意や願いが()らぐのだった。 

 一緒にスクールアイドルをやりたい。
 だけど彼女達に断られたら? 受け入れてもらえなかったら?
 授業が終わっても結論が出せない。次の行動へと踏み出せないでいる。
 ふと、雪穂さんの方へと視線を向けると、机に座ったまま黒板を眺めて考え事をしているように見える。
 もしかしたら、2人だけ(・・・・)の練習メニューを考えているのかも?
 だとしたら、私が仲間になるのを快く思わないのでは?
 更に拍車(はくしゃ)をかけるように不安が頭を過ぎるのだった。

 それでも、高坂さん達に近づきたい。スクールアイドルになりたい。そして――
 雪穂さん達と一緒にスクールアイドルの活動がしたい。
 この願いを失たくはなかった。
 あと1歩踏み出す勇気が。背中を押してくれる手が――
 目の前に差し出してくれる暖かい手が欲しかったのかも知れない。

 相反する気持ちの板ばさみな状態のまま、先に進めずに時間だけが流れ、気づいたら昼休みになっていた。
 私は未だに結論が出せずに、踏み出せないでいる自分が情けなく感じていた。
 そんな悲しい気持ちを心に覆いながらも、黙々と昼食を済ませる。
 今日中には結論は出せないかも知れない。
 ううん。もしかしたら、この先も変わらないのかも?
 そんな先の見えない暗い未来を眺めるように、黒板を眺めている私の視界に――
 眩しい光を背負っているような感覚さえも覚えるほどの。
 強い決意を(まと)っている表情の、雪穂さんと亜里沙さんが歩いてくるのが見える。
 私は彼女達の姿に一筋の希望を感じていた。
 彼女達なら私を光輝く場所へと連れ出してくれるのかも知れない。
 新しい景色を見せてくれるのかも知れない。
 ――ううん、そうじゃない。一緒に見ることができるのかも知れない。
 そんな風に感じながら、彼女達が近づいてくるのを眺めていたのだった。 
 

 
後書き
高町 涼風(たかまち すずか) 脳内CV:種田梨沙さん

 国立音ノ木坂学院 1年生。雪穂と亜里沙のクラスメート。

 身長 157cm
 ※ちなみに、雪穂と亜里沙の身長は――
  設定の身長
  雪穂 154cm→155cm
  亜里沙 150cm→151cm
  と、時間の経過を考慮して1cm増やしておきます。
  (と言うより、全員1cm成長している感じです。特に必要ない情報ですが)
  つまり雪穂より2cm背が高いのです。

 体重・スリーサイズ 乙女の秘密と言う名の……考えてません!
 血液型 A型 
 誕生日 7月12日 かに座
 ※血液型・誕生日は種田さんのプロフより参考。
  ちなみに、誕生日は絵里ちゃん役の南條さんも一緒です
  
 容姿 黒髪のストレートロング
    しっかり者のお姉さんタイプ


(活動日誌風プロフィール)
 
 好きな食べ物   お団子
 嫌いな食べ物   タルタルソース
 趣味       ダンス スクールアイドルの動画を見ること
 特技       誰とでもすぐに仲良くなれること
 チャームポイント 身長の割には長い手足?
 得意科目     国語全般
 子供の頃の夢   小説家
 得意料理     炒め物なら何でも。。。 
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