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カードファイト!!ヴァンガードG ネクステージジェネレーション

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Turn:16 まだ見ぬ力

 
前書き
グレード3まであと一歩というところまで来たタイガ
ユナイテッドサンクチュアリ支部で行われる大会に出場することに
初めて見る様々なものに興味を惹かれるタイガ
そしてそんな彼の前に立ちはだかったのは 

 
地下鉄の車内でファイカを握りしめ緊張した様子のタイガ
「ちょっと、今からそんな調子で大丈夫なの」
そんなタイガの隣に座るメグミは思わずそう言って笑ってしまう
ハジメもまたあきれ返った表情で彼を見ていた
「俺達はこれからもっと大きな舞台に向けて戦っていかなきゃならねえんだぞ、今からそんな調子でどうすんだよ」
今日はユナイテッドサンクチュアリ支部での大会の日
この大会に勝てばグレード3に届く
プレッシャーからか柄にもなく緊張したタイガとそれを見守る仲間たち
そんな彼らを隣の車両から覗く影があった

Turn:16 まだ見ぬ力

ユナイテッドサンクチュアリ支部へとやってきたタイガ達は大会のエントリーのため受付へとやってきた
「グレード2、本城タイガさん、使用クランギアクロニクル、参加を承認いたしました」
受付の女性からファイカを受け取ると意を決したように握りしめる
「本城タイガさん」
そんなタイガに受付とは別のスタッフの女性が声をかけた
「大会までの間当支部をご案内いたします」
そう言って奥の方を指す女性スタッフ

スタッフの案内で支部の動く歩道で移動するタイガ
「当支部はファイターの育成に力を入れております」
スタッフが優しく見守る中ファイトする子供たちの姿
「そのため、強くなりたいファイターのための強化プログラムや、よりファイトを楽しむための設備が充実しており、ファイターたちが思い思いの形でヴァンガードに向き合うことのできる場所となっております」
スタッフの女性が示す先にはユニットが投影される特殊なテーブルでファイトする子供たちの姿が
ユニットが実際戦っている姿を初めて見るタイガはそれをみて驚き目を見開いていた
「あちらの機械は本日の大会でも使用される予定です」
「えっ!?本当ですか!?」
「ええ、もっとも、数に限りがあるので、決勝戦のみでの使用となります」
それを聞いて俄然気合が入るタイガ
「燃えてるわね」
突然の声に驚きそちらを見るタイガ
「本城タイガ君………だったわよね、ドラゴンエンパイア祭以来かな」
そこにいたのはミライのチームメイトでありメグミの従姉妹の先導マコトだった
「マコトさん………ですよね、あなたたちも大会に?」
「今日は私だけ、ミライとユウカは今頃別の場所で腕試ししてるんじゃないかな」
そう言ってタイガの前に立つマコト
「君と戦えるのを楽しみにしているよ、ミライも君の事を気にかけていたみたいだし」
そう言って先に進んでいくマコトの背中を見送るタイガ
彼女はミライのチームメイトであり昨年度チャンピオンの一人
その彼女に勝たなければグレード3には上がれない
「ははっ、なんでだろうな、追い詰められてるはずなのに、なんだか燃えてきたぜ」
目の前の壁の大きさにひるむことなく武者震いするタイガだった

やがて設備の案内を終えると大会の行われるホールへとやってきた
メグミとハジメは併設された観客席でその様子を見ていた
「頑張んなさいよー!」
「おい!あれマコトさんじゃねえか?」
メグミがタイガに声援を送っているとハジメが別の場所に立つマコトの存在に気付いた
「本当だ………マコ姉も出るんだ」
「おい、まさかほかのメンバーまで来てねえよな、ユウカさんとか居たらシャレにならねえぞ」
ハジメの言葉を聞いて一人ひとり参加者を見渡すメグミ
「ふぅ、大丈夫、来てるのはマコ姉だけみたい」
額を腕で拭って安心するメグミ
普段店を手伝っている影響かこういった人混みの中で特定の人物を探すといった行為は得意だった
安心して椅子に寄りかかっていると照明が消えテラスのような場所に立つ男性にスポットライトが当てられる
「本日はユナイテッドサンクチュアリ支部主催ヴァンガードトーナメントへようこそ!」
手を広げ出場者たちにアピールする男性
彼の声と共に参加者たちが一斉に拍手を送った
「本日の進行役を任されました明日川タイヨウです、大会である以上、もちろん勝つことも大切ですが、持てるすべて出し切って、ヴァンガードを精一杯楽しんでいってください」
その言葉と共に再度照明がついてあちこちにファイトテーブルが出現した
「みなさん、ぜひともいいファイトを、それでは………ファイトスタート!」
タイヨウの掛け声とともに参加者たちが一斉にファイトを始める
「スタンドアップ!ヴァンガード!」

バトルシスター ふろまーじゅが銃器を乱射してくる
それをかいくぐって突っ込んでいくクロノファング・タイガー
別のテーブルではマコトが勝利していた
時空竜クロノスコマンド・ドラゴンの攻撃が決まりヴァンガードだった神託の守護天使レミエル以外のユニットが時空の穴に吸い込まれていく
別の試合では対戦相手の黙殺の騎士 ギルヴァエースに苦しめられていたが
「(俺はもっと強くなるんだ………ここで勝ち上がって、もう一度あいつと戦う)」
かつてミライに敗れ実力の違いを思い知らされた
もう一度戦い今度こそは勝つ、それを目標に今まで頑張ってきたのだ
そしてそれは今も変わらない、だからこそ
「こんなところで負けてられるかー!」
時空竜バインドタイム・ドラゴンの攻撃にギルヴァエースの体が飲み込まれる

「何とかここまでは順調に勝ち残ってきているな」
支部からほど近い場所にあるファーストフード店で昼食をとるタイガ達
「もっと上に行くって言ってたのはお前だろ、こんなところで躓いていられるか」
「けど、このまま勝ち進んでいくといずれマコ姉と戦うことになる」
組み合わせ票を見ながら深刻な表情で話すメグミ
「マコ姉のデッキは、あんたが今まで見たことない戦い方をしてくる、一筋縄ではいかないわよ」
「今まで見たことない………上等だよ!あの司会の人も行ってたろ、俺は今の持てるすべてを出して戦うだけだ」
「あ、あの人ゴルパラのクランリーダーよ」
「え!?そうなのか!?」
食事をしながら盛り上がるタイガ達
そんな彼らからそう遠くない場所でマコトも昼食をとっていた
楽しそうな彼らの会話に耳を傾け笑みをこぼした

「アタック!」
クロノスコマンド・ドラゴンが放った光が隠密魔竜 マガツストームを飲み込む
この攻撃でタイガは勝利し準決勝を突破した
「ふぅ」
安堵の息を漏らしていると別のテーブルでファイトしたマコトが勝利を収めた所だった
「負けませんよ」
「ええ、こっちも全力で相手させてもらうわ」
そう言ってデッキを取り出すマコト

「それではこれより決勝戦を行います」
タイヨウの言葉と共にホールの中心に巨大な箱型ファイトテーブルが姿を現す
「フィールドは惑星クレイ、ダークゾーンの工業地帯、両者、準備はよろしいですね」
タイヨウの問いかけにタイガとマコトは同時に頷いた
「では!皆さんもご一緒に」
「「スタンドアップ!」」
「ザ!」
「「ヴァンガード!」ってまたザ!?何!?流行ってんのそれ?」

ダークゾーンの工業地帯に降り立ったガンナーギア・ドラコキッドは目の前の相手を見据えた
大会の試合はほとんどが同時進行だったためタイガはマコトのデッキをまだ知らない
向こうはこちらのデッキを知っているわけだし彼女と親しい間柄であるメグミに聞くことも考えた
だがあえてそれはしなかった
「リザードソルジャー サイシン」
マコトのファーストヴァンガードは雷の迸る剣を持った小竜のユニット
「なるかみか………」
マコトのクランはなるかみ、ドラゴンエンパイアの大地を統べる力強き龍のユニットたち
一刻も早くグレード3になるためにいくつものクエストをこなしてきたタイガ
その中でマコトと同じユニットを使うファイターにあったことがある
「ライド!メーザーギア・ドラゴン!」
タイガがライドすると装置の中に映るユニットたちも同様に姿を変えた
まるで本当に惑星クレイ、ダークゾーンの工業地帯がそこにあるかのような光景にタイガは目を輝かせた
「すげぇ」

マコトは自分のターンになると手札を見つめた
「(うーん、ちょっと手札が良くないか)」
マコトの手札のうち半分はグレード3、彼女のデッキなら序盤から動くこともできるが
「クラウンホルダー・ドラゴンにライド!」
マコトがライドしたのは四足と翼を持った赤いドラゴン
確かにタイガはなるかみと戦ったことがある、だがこのユニットは覚えがない
「メーザーギア・ドラゴンにアタック」
クラウンホルダー・ドラゴンが口から放った雷がメーザーギアに迫る
「ドライブトリガーチェック」
【ダストプラズマ・ドラゴン】トリガーなし
雷を受けたメーザーギアはその場で膝をついてしまう
「ダメージチェック」
【クロノファング・タイガー】トリガーなし
「スモークギア・ドラゴンにライド!アタック」
スモークギアが前脚を思いっきり振りかぶってクラウンホルダーに迫る
「ドライブチェック」
【アップストリーム・ドラゴン】トリガーなし
「ダメージチェック」
【ドラゴニックカイザー・ヴァーミリオン】トリガーなし
クラウンホルダーはスモークギアの攻撃を受けて大きく後ろに飛んでいく
「ダストプラズマ・ドラゴンにライド!サイシンのブーストでスモークギア・ドラゴンにアタックするわ」
タイガはここで表情をしかめた
マコトのファーストヴァンガードであるリザードソルジャー サイシンはブーストしたアタックが成功するとカウンターブラストしてグレード0のユニットを退却することが出来る、ならば
「ここはマシュダでガード!」
ダストプラズマ・ドラゴンの攻撃をマシュダが鎖を駆使して阻む
ダストプラズマ・ドラゴンのパワーは9000
対してスモークギア・ドラゴンは10000のパワーを持ちドライブチェックが一度だけのこのタイミングならばシールド10000のカード1枚で攻撃を完全に防ぐことが出来る
「ドライブトリガーチェック」
【ドラゴニック・デスサイズ】トリガーなし
「(あいつは見覚えがある!確かこっちのユニットを退却させてくるやつだ!)」
退却スキルは問答無用でこちらのユニットを排除でき、リカバリーしようと思えばこちらは余計に手札を消耗する
シンプル故に強い、それが退却スキルの強みでもある
「我が望む世界へ導け!ライド!クロノファング・タイガー!」
咆哮を上げたクロノファングを見てマコトは笑みを浮かべた
「これがクロノファング・タイガー………」
「アップストリームでアタック」
「ダストプラズマ・ドラゴンでガード」
アップストリーム・ドラゴンのアタックに対して別のダストプラズマ・ドラゴンが割って入って攻撃を防いだ
「クロノファングでアタック!」
「ノーガードよ」
「ドライブチェック」
【アップストリーム・ドラゴン】トリガーなし
【変革を呼ぶギアイーグル】トリガーなし
クロノファングの武装から放たれた光がダストプラズマを押し潰す
「ダメージチェック」
【神槍の抹消者 ポルックス】クリティカルトリガー
「これは早めに使っておかないとね………」
ダメージに落ちたポルックスのカードを見てそう呟くマコト
そして自分のターンになり手札の1枚を手に取った

マコトには幼いころからあこがれを抱いている人がいた
その人を真似てドラゴン中心のデッキを組んでばかりいた
彼女の父は子供のころ、弱くて、傷だらけで、つらい毎日を過ごしていたという
そんな父を変えてくれたのがマコトが憧れた人
普段海外にいてめったに会うことはないけれど
それでも偶に帰ってきたその人物とファイトするときがマコトにとっては幸せだった
そんな彼に初めて勝てたあの日、一人前の証として譲り受けたカード
マコトにとって何よりも大切なユニット
そう
「深紅の龍よ!出でてその猛き力を振るえ!轟け!私の分身!ライド!」
旋風と共に現れる赤き龍のユニットが槍を構えクロノファングを見据えた
「ドラゴニックカイザー・クリムゾン!」
なんの偶然か両者のキーユニットはどちらも赤
竜虎の激突となりイベント的にも盛り上がる展開となった
「ストライドジェネレーション!」
マコトは手札からドラゴニックカイザー・ヴァーミリオンのカードをドロップしてストライドを宣言
稲妻を纏った竜騎士が姿を現した
「雷龍騎士 ゾラス、更にコール」
左前列にダストプラズマ・ドラゴン、左後列にクラウンホルダー・ドラゴン
右前列には魔竜戦鬼 チャトゥラが現れる
「サイシンのブースト、雷龍騎士 ゾラスでクロノファング・タイガーをアタック」
ゾラスの能力はリアガードの退却
この攻撃を通せばサイシンの能力と合わせリアガードを一掃されてしまう
「アルリムで完全ガード」
変革を呼ぶギアイーグルをコストにアルリムを使用
これでリアガードを薙ぎ払われる心配は消えたが
「まだリアガードに怖いユニットが残ってる、一体は今の完全ガードでこのターン脅威ではないとして、問題はもう一体………」
ハジメが見ているのはリアガードの魔竜戦鬼 チャトゥラ
パワーは低いがそれを補うだけの強力な能力がある
「トリプルドライブ!」
【ドラゴニックカイザー・ヴァーミリオン】トリガーなし
【ライジング・フェニックス】トリガーなし
【毒心のジン】クリティカルトリガー
「効果はすべてダストプラズマ・ドラゴンに、魔竜戦鬼 チャトゥラでアタック」
魔竜戦鬼 チャトゥラの元々のパワーは8000だがリアガードにアタックできない代わりに自分のターンの間だけパワー11000として扱う能力を持つ
タイガは悩んだ
次のダストプラズマ・ドラゴンはパワーが高すぎる、クリティカルが乗ってることを考えるとここを通すしかない
だが魔竜戦鬼 チャトゥラにはアタックがヒットした時に発動する強力なスキルがある
ファイトはまだ序盤、ここで手札を使い切るわけにはいかない
「ルガルバンダでガード!」
悩んだ末タイガはこの攻撃をガード
「ダストプラズマ・ドラゴンのアタック」
「ノーガード、ダメージチェック」
【スチームメイデン メラム】トリガーなし
【スチームバトラー マシュダ】クリティカルトリガー
だが今の攻撃で最後、このターンこのトリガーに意味はない
「こっちもお返しだ!ストライドジェネレーション!」
フロートギア・ヒポグリフにストライドして反撃の構えをとるタイガ
「(本当ならクロノスコマンド・ドラゴンで行きたいところだけど………)」
今クロノスコマンド・ドラゴンのアタックに成功すれば厄介なユニットを一気に処理できる
だがその能力を使うには手札を捨てなければいけない
ただでさえ手札の少ない現状でそれは出来れば避けたかった
「ガンナーギア・ドラコキッドのスキルでクロノファングを手札に、ナンネアとアップストリーム・ドラゴンをコール、左のアップストリームでチャトゥラにアタック」
「ダストプラズマ・ドラゴンでインターセプト」
ここでマコトはより優秀なチャトゥラを守るため逆側のダストプラズマ・ドラゴンでインターセプトした、後は
「フロートギアでアタック」
「ノーガード」
【スチームメイデン アルリム】トリガーなし
【スモークギア・ドラゴン】トリガーなし
【スチームスカラー カー・ランマ】クリティカルトリガー
フロートギアの巻き起こした旋風がクリムゾンに襲い掛かる
「ダメージトリガーをチェック」
【スパークエッジ・ドラコキッド】クリティカルトリガー
「効果はクリムゾンへ、もう一度ダメージチェック」
【毒心のジン】クリティカルトリガー
「これもすべてクリムゾンに与えるわ」
ダメージトリガーが2枚のって現在のクリムゾンのパワーは21000
トリガーが乗ったアップストリーム・ドラゴンがスキルを使っても届かない
「だったらリアガードのチャトゥラにアタック」
この攻撃をマコトはノーガード
チャトゥラも退却しダメージは4対2
「ターンエンド」
「スタンドアンドドロー、このままメインフェイズに」
それを聞いてタイガは目を見開いた
マコトの手札には前のターンのドライブチェックで引いたドラゴニックカイザー・ヴァーミリオンがあるはず
ストライド出来るのにそれをしない理由
メグミが言っていたことと関係が
「まずはライジング・フェニックスをコール、スキルでソウルブラスト2枚を行い1枚ドロー」
ドローしたカードを確認したマコトは笑みをこぼした
「ダストプラズマ・ドラゴンとドラゴニック・デスサイズをコール!デスサイズのスキルでカウンターブラスト!退却せよ!スチームファイター ナンネア」
カウンターブラスト2枚を支払いマコトはナンネアを退却させた、そして
「シークメイト」
ヴァンガードサークルに手をかざし宣言する
ドロップゾーンのカードに手を伸ばしその中からクラウンホルダー・ドラゴン、魔竜戦鬼 チャトゥラ、2枚のダストプラズマ・ドラゴンを選んでデッキに戻した
「なにを………」
そしてデッキから1枚のカードを抜き取る
「盟友と共に並び立ち、共に放て!黙示録の雷!貫け!レギオン!」
マコトのヴァンガードサークルにドラゴニックカイザー・クリムゾンとドラゴニックカイザー・ヴァーミリオンの2枚が並び立った
「これが………レギオン」 
 

 
後書き
次回予告
ついに出たマコトの奥の手、レギオン
初めて見るその力にタイガは真っ向から向かっていく
竜と虎、二体の赤いユニットの激突は激しさを増していく
果たしてタイガはこの強敵を打ち破りグレード3へ上がることが出来るのだろうか
戦いの果てに待つものは
turn:17 迫りくるレギオン 
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