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Lv.9999億の骸骨(勘違い物)・ω・`)ノ

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Lv8「不死王、宇宙人に誘拐される②~超科学VS大魔王~」

死の冷たさで満たされた宇宙空間。宇宙からの広大を考えれば、小粒にしか見えない、1kmサイズの小惑星が浮遊している。
そこに巨大な骸骨が、無重力合金製のロープで全身を強く縛られていた。
悪の帝王ワルキュラだ。どことなく寂しそうにションボリしている。

「うむ……モルモットにされているような……?
これが宇宙での普通の対話方法なのだろうか……?
緊迫プレーをお客にやる時点で……何かが間違っていると思うぞ…」

工具を持った無数の作業用ロボットが、彼に群がる。
ゲェス提督の単純な命令に迷う事なく従い、解体作業を始めた。
超高熱の熱線を出す工が、真っ赤な光の柱を吹き出す。
どんな宇宙戦艦の装甲でも焼き切る、絶大な火力だ。

「レーザーなのだろうか?
俺の体を調べているのか……?
宇宙人の考える事は、俺には分からぬ……」

熱線が当たった!特に、ワルキュラにダメージはなかった!
モニターで、これらの光景を眺めているゲェスは激しく動揺する。
物理的にありえねぇだろー的な意味で。

「馬鹿なっ!?
宇宙船の装甲すら切断できるビームカッターだぞ!?
小型の防御フィールドでも展開しているというのか!?」

「いえ、それらしきものは展開していません!
骨の表面で、完全に熱線を受け止めています!」計器を見つめる部下が答えた。

「そんな馬鹿なぁー!?
骨が熱線に耐えられるはずがない!
科学を舐めるなっ!化物ぉー!
こうなったら、我が軍の力を叩きつけてやる!
全艦っ!砲門を開け!中性子ビームだ!

旗艦の指揮コードに従い、宇宙船の十万にも及ぶ長距離砲の砲門が開く。
砲口の先には、呑気そうにゆっくりしているワルキュラがいる。

「化物に照準合わせっー!
3秒後に、一斉発射ぁー!」

+と-の電荷を持つ粒子が、砲身の内部で飛び回り、発射直前に合体。
膨大な粒子が収束し、水鉄砲のごとく粒子を吐き出した。その光景はまさに粒子のシャワー。
超科学で作られた『超しゅごい水鉄砲』と呼ばれる中性子ビームが、尽くワルキュラに当たる。
これなら、確実に殺せるとドゲス星人の皆は考えた。
どんな物体で構成されていても、標的の原子そのものを消滅させる絶対殺戮兵器には勝てないはずだ。
だって科学は全ての真理であり、絶対不変のルール。
どんな化物でも、直撃すれば即死しないと可笑しい。

「綺麗な花火だ……。
きっと、俺を歓迎しているのだろう、うむ。
彼らは友好的な宇宙人なのだろうか……?」

特にワルキュラにダメージはなかった!
体を構成している原子は、一つも消滅していない!

「提督っ!対象に効果がありませんっ!
全くの無傷です!」部下の一人が絶望した顔で叫んだ。

「馬鹿なぁー!?
俺たちは何を相手しているというのだぁー!?
原子の消滅現象が何故起きない!?」

「原因不明っー!
計測不能っー!」

「こうなったら、光子魚雷を準備せよっー!
全艦っ!発射タイミングを合わせー!」

光子魚雷。簡単に説明すると無限に近いエネルギーを標的に炸裂させる、超凶悪な魚雷だ。
無限のエネルギーに耐え抜く存在は、ブラックホールくらいしかない。

「全艦っー!撃てぇー!」

それらが、5万発ほど放たれた。発射口から抜け出し、光に等しい速度で加速する。
ワルキュラどころか、周りの惑星系すら消滅しそうなエネルギー。
さすがのワルキュラも危険を感じて、呪文の詠唱を省略。
時間を停止させて、得意な魔法を魚雷目掛けて放つ。

「ブラックホール!」

光子魚雷5万発が、圧縮されてブラックホールに吸収されて一緒に消滅した!
艦艇3000ほどが巻き込まれて、この世から物理的に退場した!
時間停止を解除したワルキュラは冷や汗を掻いている!

「あ……また宇宙船を壊してしまった……。
損害賠償を求められたらどうしよう……。
やはり、こいつらは悪い宇宙人なのだろうか……?
だが、積極的に、喧嘩を売る訳にも行かないし……困ったっ……!
お、俺はどうすれば良いんだっ……!」

大艦隊をここで皆殺しにしようにも、一隻でも逃したら報復されると思い込んでいるワルキュラ。
ワルキュラだけなら、攻撃されても生き残れるかもしれないが、さすがに嫁や部下達は即死するはずだ。
出来れば、穏便に交渉したかった。

「提督っー!
ブラックホールが発生しましたぁー!
瞬時に蒸発しましたが、とんでもない破壊力ですっー!」

「ば、馬鹿なぁー!?
生身でブラックホールを発生させるだと!?
そんな化物がいたらっ!
とっくの昔に銀河は崩壊しているはずだ!」

「で、でも、確かにブラックホールの発生が確認されました!
全艦艇の70%近くの反応信号がありませんっー!」

「お、俺はどうすれば良いんだぁー!
喧嘩を吹っかけた以上、対話は望めないぞ!?」

両者はお互いに、相手の凄さに戦慄していた。
 
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