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カラカ

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第四章

「各種のビジネスにも進出していて成功していて」
「それでだね」
「そうだよ、今度はね」
「コンビニだね」
「ヨルダンに導入出来なくても」
 それでもというのだ。
「そのノウハウを知りたくてね」
「だから僕達を招いてくれた」
「そうだよ、ではそのコンビニのノウハウをね」
「わかってるよ」
 笑顔でだ、邦臣は応えた。
「教えさせてもらうよ」
「それじゃあね」
 こうしてだ、邦臣は他の社員達と共にマサムと彼の一族が経営しているグループの上層部に彼等が知っているコンビニのノウハウを説明していった。
 そしてだ、その中でだ。
 マサムは邦臣にだ、会議の後昼食を食べつつ話をしている時にこう言った。二人は今はクスクスを食べている。
「さっき話してくれたけれどコンビニには制服があるね」
「学校や軍隊と一緒でね」
「そうだね」
「制服が統一感を出すんだ」
「店のだね」
「チェーン店と一体のね、それに制服だと」
 この服についてだ、邦臣はクスクスを食べつつマサムに話した。食べながらカレーに似ているとも思った。味も食感も。
「洗いやすいから」
「清潔でもある」
「清潔感はね」
 何といってもというのだ。
「お店にとっても」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「多くのコンビニで採用していて」
「君の会社でもだね」
「そうだよ」
 その通りだというのだ。
「ちゃんと統一しているんだ」
「制服で」
「そう、そしてね」
 そのうえでというのだ。
「君の方でもだね」
「採用を考えているけれど」
「具体的にはどういった制服かだね」
「そう、それだよ」
 まさにというのだ。
「それが問題だよ」
「動きやすくて洗いやすい」
 邦臣はこの二つの条件を話に出した。
「その二つが必要だよ」
「絶対必要条件だね」
「そうだよ」
「この国は日差しが強いから」
 このことからだ、マサムは言った。
「暑いね」
「そう、暑いから」
 だからだというのだ、邦臣も。
「薄い生地の制服がいいよ」
「そうだね、それじゃあ」
「それじゃあ?」
「カラカは駄目だろうね」
「そうそう、言われて思い出したよ」
 まさにとだ、邦臣はここでマサムに言った。スプーンで彼を指し示そうになったがそれは失礼になるので止めた。
「そのカラカね」
「どういった服かだね」
「学生時代に君に話してもらったけれど」
「具体的にどんな服か」
「気になるけれど」
「そう、それはね」
 まさにというのだ。
「今日の夜見せるよ」
「今夜だね」
「あの時話したしね」
「じゃあ今夜ね」
「紹介するよ」
 そのカラカをというのだ、こうした話をしてだった。
 二人はその夜マサムの家に向かった、邦臣はマサムの家に入ったのははじめてだったがその家の門から家を見てだった。 
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