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ハイスクールD×D暁の滅龍魔導師が守りたいもの

作者:零宮龍夜
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1章旧校舎のディアボロス
  1話駒王学園



ここは駒王学園。最近男女共学になった屈指の名門私立高校だ

俺はそんな学園に今は2年生として通っている。そして現在は教室から窓の外を眺めていた


まぁ、久しぶりとも言うべきか


あの少女の家族を助けた後、俺は1年後旅先で行き倒れて瀕死になっていたところを堕天使中枢機関(グリゴリ)の堕天使総督アザゼルに拾われて、その監督の補佐をやっていたんだが、2年前訳あって人間界の学校に通い始めた。

それがこの駒王学園だ。

いやー、あれからはいろいろあったな

SS級はぐれ悪魔を狩ったり、アザゼル総督にいろいろアホな実験に付き合わされたりとそりゃあもう苦労したわ



後は・・・黒歌と白音がいなくなったことだ


あの親子を助けた後、俺はその町を後にしまた別の町へと移動した

それでそこの町でしばらく野宿生活を続けていたら、突然2匹はいなくなったんだ

たったの2ヶ月しか過ごしてなかったけど、今でもあの2匹のことは忘れられないな


俺は昔のことを思い出す

2匹とはいつも一緒で、一緒に風呂入ったり、飯食ったり昼寝したりした

少しでも頭や顎下を撫でると気持ちよさそうに鳴き声をあげて俺に甘えてきた

特に白音の甘え方はすさまじかったな

あれはもうただの猫じゃないな。猫の形をした愛くるしい癒しの塊だ

もうあれのおかげで特訓の疲れも吹き飛んで毎日過ごせた


・・・だけど、その2匹ももういない。大切な家族だと思っていた。


でもまぁ、寂しくはあるけど仕方のないものは仕方ないよな


「さてと・・・今日は帰るか」


俺は自分の机に置いてあったカバンを持つと下駄箱で靴を履き替え下校しようと校門へと向かう


すると


「待てぇぇェぇぇぇ!!!!!」

「ん?」



女子複数名の声が聞こえたのでそちらに振り向くと剣道着を着た女子数名が竹刀を振りながら茶髪の男と坊主頭男と眼鏡の男を追いかけていた


「イッセーに松田、元浜か・・・はぁ、またやったのか本当懲りない奴らだな」


・・・てか、なんかこっちに来てないか?


「うぉっ⁉︎あそこにいるのは亜蓮じゃないのか⁉︎」
「えっ?マジで⁉︎やばいぞ⁉︎」
「ええい‼︎仕方があるまい、ここは我々にやられてもらうぞ」
「なるほど‼︎ならやるぞ‼︎」

「お前らが俺に勝てるとでも思ってるのか?」


俺は鞄を横に放り投げ、姿勢を低くし、まず先頭を走っている兵藤の腕を掴み振り回す、残りの2人を巻き込みながら空へと投げ飛ばす、そのまま三人が吹っ飛ばない程度に拳を浴びせ続ける

「出た‼︎亜蓮お兄様の空中コンボよ‼︎」


わあぁ!!と周りから大きな歓声が上がる、ちなみに30コンボいったので、最後に思いっきり地面に叩きつける

「ったく・・・これに懲りたらもう覗きはするなよ」

俺はもはや屍と化して積み上がった三人組にそう告げ鞄を拾って下校を始める

「アァ・・・いつ見てもお兄様はかっこいい」
「ありがとうございます‼︎亜蓮お兄様‼︎」

周りからは称賛の声が次々と上がり剣道部らしき後輩が俺にお礼をしてきた

「いや、気にするな」

俺がそう答えると女子たちは顔を真っ赤に染めてどっかいってしまった

・・・?俺何かしたか?

俺は女子の行動に疑問を覚えながら下校しようとしたとき


「あ、アレン君、今日もすごいね」

「なんだ、祐斗じゃねぇか、どうしたんだ?」


俺のすぐ傍に学園の王子様ならぬ木場祐斗が現れた。

こいつは一年の時に同じクラスになって仲良くなった数少ない友人である。

たまに剣道の手合わせとかするんだが、こいつは強い

一年の頃は一番仲が良かったと言ってもいいかな

そしてこいつは・・・この学園の女子に結構モテる

現にその傍には複数の女子がいた



「あ、暁君と木場きゅんのツーショット!?」
「れ、レアよ!!今すぐカメラに収めないと!!」
「爽やかイケメン王子様木場きゅんに・・・兄貴肌男前ワイルド騎士様暁君・・・ああ、幸せすぎる」
「依子!?まだ死んじゃダメよ!!」



なんか最後の2人とか、どこのコメディだよ!?

なんで、三人目のこはもう死んでもいいみたいな満足そうな顔してんだよ!?意味分からん

まぁ、俺と木場はこのようにこの学園の騎士様と王子様と呼ばれている

理由は知らん

てか、なんでそんなに興奮するんだよ!!


「祐斗、お前はなんでここに?」

「僕はこれから部活にね、君もどうだい?」

「俺は遠慮しとくよ、オカルト研究部の人とは話したこともないし、どうせいってもお前と話すぐらいしかしないだろうしな」

「僕はそれでも構わないんだけどね、まぁそれなら仕方ないね。じゃあまたね」

「ああ、またな」


俺はそう答えると、鞄を持って校門へと向かう。それでその直後、後ろからキャーキャー女の黄色い声が上がってたけど、大方祐斗が周りに爽やかスマイルで手を振ったんだろうな

そして俺は後ろで伸びてる変態三人を放置して自宅へと帰宅した。









俺の自宅は高級マンションの一室だ。仕事で稼いだ金でマンションの一室を買い取り、そこに一人暮らしをしている


「母さん、父さん、ただいま」


俺は玄関の扉を開けて中に入り、リビングに入り、そこに立てかけてある一つの写真を見てそう呟く

その写真には白髪の女性と黒髪の男性そして幼い頃の俺が写っていた
俺の後ろに写っている2人は俺の両親だ
10年前に亡くしたたった2人の家族

この写真はあの事件に残っていた家族の遺品の一つだ

他にもいろいろあり、それは棚にしまってある


俺はリビングから自室に行き、部屋着に着替え冷蔵庫の中を確認する

あ、牛乳と卵切らしてるな、買いにいかねぇと


そう思った俺は私服に着替え、買い物に行くことにした。






「あー、今日特売やってて本当に助かった」


片手にスーパーのビニール袋を持ち俺は帰り道を歩いていた

今日は運良く牛乳と卵の特売があったからな、つい買いすぎた

そして噴水のある公園にでた


「あれはイッセーか?ってことはあの子が彼女か」


俺は邪魔するのも悪いなと思いながら、イッセーの彼女らしき人物の口から発せられた言葉に不意に足を止めた


「死んでくれないかな?」



そして次の瞬間、その少女の背中から黒い翼がバサッと生えた

ーーッ!?堕天使だと!?

そんなバカな!?ここに堕天使がくるっていう話は聞いてねぇぞ!!

いやそれよりも、イッセーがあぶねぇ!!

俺は荷物を置いてすぐさまイッセーに駆け寄り叫ぶ、が


「イッセー!!逃げ・・・ッ!?」


叫び終わる前にイッセーは堕天使の女が放った光の槍に貫かれた


「ゴメンね、貴方が私たちにとって危険分子だったから、早めに始末させてもらったわ。恨むならその身に神器を宿させた神様を恨んでちょうだいね」


危険因子ーーーそうか、そういうことだったのか。


「おい、堕天使。なんでこの町にいる」

「ーーーッ!?」


俺はそう言いながら急いでイッセーに近寄り治癒魔法をかける。すると傷が少し塞がった

・・・よかった。でも早くこいつを治療しないとやばいな

だけど、絶対に逃がしてくれないよな。後ろにいる女は


「人間?悪いけど、見られたからには貴方も死んでもらうわ」


堕天使は再び光の槍を手元に作り出すと、俺に向けて投擲してくる

だけど


「・・・遅い」


光の槍を左腕を横に薙ぎ払うだけで砕く

・・・この脆さは下級か中級か、あの人たちと比べたら弱すぎるな

まあいい、早く聞きたいことを聞かないとな


「なっ!?素手で!?」

「・・・御託はいい。なんで堕天使がこの町にいる?駒王町での任務はなかったはずなんだが」

「・・・貴方のその私たちのことを知っているような口ぶり、危険ね。何者なの?」


堕天使はそう俺に問いかけてくる。

まあ、答える気はない。

それよりも早く総督に連絡をとらねぇと、この町で少し面倒なことが起きる気がする


「馬鹿かお前、そうやすやすというかよ。それとまだやるか?お前ごとき下級堕天使が俺に勝てると本気で思ってるのか?」


俺はそう言いながら、殺気を放ち魔力を少し解放する


「ーーーッ!?」


堕天使の女は俺の威圧に息を飲むと悔しそうな顔をして飛び去っていた

・・・さで、追い払ったはいいとして

とにかくこいつを家に運んで治療しねぇとな、病院だと時間かかるし俺の治癒魔法の方が治りが早い


「最近、堕天使が妙な動きを見せているから見に来てみたら・・・へぇ、面白いことになってるじゃない」


そう言いながら俺はイッセーを片手で担いで家に運ぼうとした時、俺の目の前に紅い魔法陣が浮かび上がり光が収まるそこには紅い髪の少女が立っていた

この人は・・・駒王学園の二大お姉様と呼ばれている


「リアス・グレモリー先輩?」

「ええ、そうよ。それで私を呼んだのはあなたかしら?」

「いいえ、多分この死にかけてるイッセーが呼んだのでしょうね」

「ちょっと彼の傷を見せてくれないかしら?」

「ええ、どうぞ」


俺はそう言いながら、イッセーの体を地面に寝かせ、リアス・グレモリー先輩に見えるようにする


「この傷はひどいわね、下手したら死にそう・・・でも、面白いことになってるじゃない。へぇ、あなたがねぇ・・・フフフ」


そう言ってくすくすと笑う先輩

何が面白いんだ?


「どうせ死ぬのなら、私が拾ってあげるわ。あなたの第二の人生、私のために生きなさい」


そう言いながら、リアス先輩はイッセーの体に8つの『兵士の駒』を差し出した

へぇ、あれが『悪魔の駒』か。実物は初めて見るな

それらはイッセーの体に入っていき、次第に見えなくなった

その直後、イッセーの体が一瞬紅く光り、傷口が瞬時にふさがった

・・・これが人間が悪魔に転生する時に起こる現象なのか

それで、目の前にいるリアス・グレモリー先輩が悪魔か・・・まあ、薄々感じてたけどさ


「さて、それであなたは何者なかしら?堕天使の槍を素手で砕くなんて」

「・・・その件は明日話しましょう。では」


さすがに俺も腹が減ってきたからな、今日のところは帰らせてもらおうか


「あ、ちょっ待ちなさい!・・・ああっもうっ!明日ちゃんと話しを聞かせてもらうわ!」


俺は前を向きながら、後ろにいるであろう先輩に右手を軽くあげ振った






「ただいま」


本日二回目のただいまを言いながら、リビングに入り、冷蔵庫に買ってきたものを入れていく

幸い、卵は割れてなかった

そしてあらかた入れ終わった後、俺はスマホで『あの人』に電話をした


「もしもし」

『おう、その声はアレンか・・・久しぶりだなぁ〜最後にあったのは二年前だったか?それで今日はどうしたんだ?』


俺は電話越しに聞こえるマイペースは声に薄く微笑む

本当に変わってないな、総督は

そう、俺が電話しているのは堕天使総督のアザゼルだ

さっきの堕天使のことで気になったから調べている


「少し駒王町で問題が起きそうなんだ。それて少し調べて欲しいことがある」

『何が起きたんだ?』

「下級か中級の堕天使が神器所有者を騙して殺害した」

『ッ!?』


電話の向こうで息をのむ気配がした。

多分、この感じは少し怒ってるんだろうな


『それは・・・本当なのか?』

「ああ、俺もしっかりこの目で見た。だから今駒王町に堕天使の任務が入ってないか調べてくれないか?」

『ああ、わかった。だが、確かあそこは現魔王サーゼクス・ルシファーの妹の管轄だった気がするが』

「ああ、それは知ってる。だが念のためだ、一応調べといてくれ。・・・処分はこちらでやる」

『おう、いつも悪いな』

「いや、気にするな」


俺は心配そうに言う総督の言葉にそう言うと通話を切り

窓に近寄りそこから明かりで照らされている町の風景を見下ろしながら、呟く



「・・・久しぶりだな、裏切り者の始末は」



確かに裏切り者の始末なんて久しぶりだ。


まあ、それはそれとしてなんとなくこれから面白いものを見れそうな気がするな。

まあいいか



俺はそう思いながらキッチンに行き、夕飯を作り始めた
 
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