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信じる力

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第二章

 それでだ、王も状況を踏まえて言うのだ。
「戦う機会も多いぞ」
「わかりました」
「それではです」
「我等は陛下の命ぜられるまま」
「働きます」 
 信じる王の命じるままだった、そのうえで。
 士官達は訓練を行っていった、その軽い大砲に多くの多過ぎるのではないかと思える銃を中心とした少ない兵の編成を基準をしたそれを。
 そのスウェーデン軍を見てだ、彼等と親しくしだしているフランス軍の外交官達は怪訝な顔でスウェーデン軍の士官達に尋ねた。
「あの、この軍は」
「はい、我々の軍がですか」
「問題がありますか」
「まずです」
 外交官はまずは兵士達を見て言った。
「彼等は傭兵ではありませんね」
「はい、臣民です」
「この国の者達です」
「徴兵してそしてです」
「兵にしました」
「確かヴェネツィアのマキャベリという者が言っていましたね」
 徴兵と聞いてだ、外交官は彼の名前を思い出して言った。
「傭兵ではなく徴兵の方がいいと」
「そうです、特に強く意識していませんが」
「我等はそうしています」
「傭兵よりも徴兵です」
「そちらで兵を集めています」
「戦えるのですか?」
 かなり怪訝にだ、外交官は士官達に問うた。
「戦いを知らない者達で」
「大丈夫です」 
 士官達は外交官に淀みのない声で答えた。
「それはです」
「大丈夫ですか」
「はい、王が言われています」
「我等の王グスタフ=アドルフ陛下が」
「だから問題ありません」
 こう言うのだった、彼等は。
「陛下が言われているのなら」
「間違いがある筈がないです」
「そうなのですか、しかし」
 外交官は士官達にさらに問うた。
「大砲も銃も」
「軽くですね」
「多過ぎる」
「そうだというのですね」
「そしてテルシオでもありません」
 この時必勝と言われた方陣だ、長槍を持った歩兵達を軸にその周りと四隅を銃兵達で覆ったものだ。銃兵が射撃をしてから方陣を進めさせて敵を押し潰すものだ。
「銃兵と槍を分けていますね」
「そうです、あえてです」
「そうしています」
「ではこれも」
 テルシオと比べて層が遥かに薄く銃兵は銃兵だけ、槍兵は槍兵にだけ分けられている歩兵陣に。
 騎兵達も見てだ、それで言った言葉だ。 
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