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真の醜悪

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第四章

 嘘を指摘されてもあくまで嘘を言う、事実が天下で明らかになろうとも。
 まだ嘘を言い挙句はお互いに責任転嫁を行う、裁きの場でも同じだった。
 そして罪を償わさせられても平然と同じことを繰り返す、政治家は選挙にまた出てやはり国会で正義派の顔をして破廉恥な嘘を言う。
 詐欺同然で他者k、国を貶め暴利を貪る。そうしたことを繰り返すばかりだった。
 その彼等を見てだ、閻魔は言った。
「よくわかった」
「はい、同じですね」
「全く以て」
 苦い顔になった閻魔にだ、赤鬼と青鬼も彼と同じ顔で応える。
「醜いものです」
「それも非常に」
「悪、それも醜悪です」
「それの極みです」
「破戒僧共よりもさらにだ」
 苦々しい顔のままだ、閻魔は言った。
「酷いな」
「事実を突きつけられても行いをあらためない」
「むしろ証拠を出されてもまだ居直る」
「酷い場合それでも証拠を出せと言う
「人間の心ではありません」
「うむ、この連中はだ」
 まさにというのだ。
「人界におった頃から既にだ」
「この地獄道にいたのですな」
「無間地獄に」
「あの地獄の亡者になっていた」
「そうなのですな」
「わしもわかった」
 あらためてだ、彼等の悪事を見てだ。
「悪を極めるとな」
「生きながら亡者となる」
「そうなるのですな」
「うむ、しかし地獄は悪人達に罪を償わせてな」
 そしてとだ、閻魔はこうも話した。
「生まれ変わらせる場所、罪の全てを責め苦で清めてな」
「では、ですか」
「次は」
「うむ、無間地獄での責め苦を終えた」
 そしてというのだ。
「それから先のことを見てみるか」
「ほぼ全ての者はそこで一旦白くなりますが」
「全くの白紙に」
「そして次の転生を迎えますが」
「あの連中はどうなるでしょうか」
「それを見よう」
 彼等の転生した先をというのだ、そして実際にだった。
 彼等の地獄の次の生を見た、すると。
 誰もが餓鬼になっていた、そしてそこでも浅ましい行いを続けていた。貪り怨み餓えている。そして考えは常に醜い。 
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