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Blue Rose

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第十九話 療養所その三

「さもないと取り返しのつかないことになるから」
「僕が女の子になることを書かれたら」
「うん、しかも君はね」
 優花に顔を向けてだ、岡島はさらに話した。ここで二人は療養所の建物の中に入った。その中も病院と洋館が合わさった感じで洋館の割合が七割といったところの白い建物だった。
「殆ど誰にも言ってないね」
「そうしています」
「それも賢明だよ」
「やっぱり言っていたら」
「言えない話題だけれどね」 
 それでもというのだ。
「言っていたらね」
「大変なことになってましたね」
「そう、本当にどうなっていたか」
 岡島はそのケースを考えて言うのだった。
「想像するだけでね」
「そこまで、ですか」
「なっていたね、秘密にしないといけないことはね」 
 それこそというのだ。
「そうしないといけないんだ、守る為に」
「僕自身をですか」
「そして医者は患者を守る」
 この義務についても言及した。
「その為にね」
「秘密は守るべきですね」
「そう、そうしないとね」
「大変なことになるんですね」
「そうした連中に知られてね」
 そのうえでとだ、岡島はさらに話していった。優花をその中に進んでいきながら。
「そうなっているよ」
「そうですか」
「情報の開示も大事だよ」
「それもですね」
「情報を独占して隠蔽する」
 このケースはどうかというと。
「これは権力になってね」
「政府とかがそうする、ですね」
「よく言われてるけれど実際はマスコミがね」
「政府よりもですか」
「マスコミは情報産業だから」
 その最たるものだからというのだ。
「そうした情報を集めてね」
「それで、ですね」
「そう、独占して隠蔽して自分達に都合のいい情報を手を加えて流す」
「何か凄いことですね」
「報道しない権利とさえ言われているよ」 
 その報道の仕方があまりにも意図的だからだ。
「読者や視聴者に最初から印象操作を仕掛ける」
「そうしたことをするから」
「マスコミこそがね」
「問題なんですね」
「全員じゃないけれどかなりの割合でね」 
 相当な数の関係者がとだ、岡島は優花に話した。
「餓鬼の世界だからね」
「腐敗しているんですか」
「マスコミ、学校の先生、それに組合かな」
「その三つの世界はですか」
「相当に腐敗していてね」
 それでというのだ。
「もう餓鬼の巣窟みたいになっているよ」
「そこまで酷いんですね」
「学校もね」
「確か日教組が」
「そう、あの組織が酷くて」
「腐ってるですか」
「何しろ北朝鮮の教育が理想と言っていた位だから」
 かつての委員長がこう主張していた、このことは紛れもない事実であり知っておかねばならないことであろう。 
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