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オズのボタン=ブライト

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第九幕その二

「息が凍ったりとか」
「睫毛も凍るとか」
「雪もかなり降って」
「オズの国じゃ信じられない位です」
「オズの国にも雪があるがのう」
 それでもというのです。
「息や睫毛が凍ることはないからのう」
「絶対にですよね」
「ない」
 王様はカルロスに断言しました。
「それでサウナであったまるのじゃな」
「そうみたいです、あとお部屋も暖かくて」 
 そしてというのです。
「厚着ですし」
「そういえばあの娘厚着じゃな」
「そうですよね」
「君達よりもずっとな」
「ロシアじゃもっとらしいですよ」
「さらに厚着か」
「はい、あの娘の冬のロシアでの写真観ましたけれど」
 それはどういったものかといいますと。
「厚い生地の帽子で毛皮のコート、底の厚いブーツで」
「かなりじゃな、それは」
「スカートも長くて下にタイツで」
「下もか」
「それで手袋はミトンです」
「完全装備か」
「そうでもないとみたいです」
 ロシアの冬はです。
「無理みたいなんです」
「ううむ、想像も出来ないのう」
「アメリカにも寒い場所ありますけれど」
「中国にも」 
 ジョージと神宝はそれぞれのお国のお話をしました。
「ですがそれでも」
「ロシアは別格です」
「国全体がアラスカみたいなんですよ」
「東北みたいに寒いですから」
「ブラジルは国全体が暑いんです」
 カルロスもお国のことをです、王様にお話します。
「けれどロシアはその逆です」
「国全体が寒いのじゃな」
「そうなんです」
「凄い話じゃのう」
「オズの国ではないですね」
「とてもな」
 そうした国はというのです。
「常春の国だからな」
「そうですね」
「あの娘も凄いところに住んでおるな」
「ロシアは」
「そしてサウナもあるのか」
「暖まる為にも」
「熱い位にじゃな」
 こうお話してでした、そのうえで。
 四人でサウナルームに入りました、ですが。
 そこにもうです、ボタンが四人と同じ腰にタオルを巻いた姿のままでいてです、そのうえで座ったまますやすやと寝ています。
 そのボタンを見てです、カルロスは首を傾げさせて言いました。
「これはね」
「うん、流石にね」
「想像していなかったね」
 ジョージと神宝も言います。
「寝ている間に何処かに行く子だけれど」
「サウナにいるとかね」
「ちょっとね」
「考えていなかったね」
「しかもね」
 カルロスはさら言うのでした。
「裸になっているし」
「このこともね」
「どういうことかわからないね」
「どうしてサウナにいるのか」
「それに裸なのかね」
「それは本人に聞くとよいな」
 王様はいぶかしむ三人にあっさりと返しました。 
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