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魔女に乾杯!

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121部分:第百二十話


第百二十話

                          第百二十話   赤い光
 華奈子の全身から赤い光が放たれる。それはそのまま五人とそれぞれの使い魔達を丸ごと包み込んでいた。
「その光が何をするのかしら」
「すぐにわかるわ」
 華奈子は紫の魔女にそう答える。
「すぐにね。あんたの曲ももう終わるんでしょ?」
「ええ」
 魔女も答える。
「もうすぐよ。そうしたら」
「私が勝つ時」
「あんたが敗れる時」
 二人は同時に言った。奇妙な程何もかも似た声であった。
「!?」
 その声を聞いて四人は妙な違和感を覚えた。
「何か華奈子ちゃんと紫の魔女って」
「似てない?」
「まさかと思うけれどね」
「さあ、これでおしまいよ」
 今魔女の笛が終わった。
「私の炎、どう防ぐのかしら」
 五人の周りに下から炎が現われる。その炎はそのまま五人を包み込もうとする。
「華奈子ちゃん!」
「大丈夫!」
 彼女は魔女を見据えたまま四人に対して言う。
「あたしを。信じて」
「華奈子ちゃん・・・・・・」
「今日だけはね」
「馬鹿ね、何言ってるのよ」
 四人はその言葉を聞いて笑った。
「えっ!?」
「今日だけなんて」
「そうよ、私達仲間でしょ」
「皆・・・・・・」
 華奈子は四人のその言葉に呆然となった。
「今日だけ信頼してなんかしないわ」
「そうよ、前から。そしてこれからも」
「ずっと頼りにしてるからね。頑張ってね」
「うん・・・・・・」
 四人のその言葉が何よりも温かかった。思わず笑みがこぼれた。何とか顔は動いたからだ。
「そういうことよ、紫の魔女」
 また魔女を見据える。
「あたしを頼りにしてくれる皆の為にも、その炎防いであげるわよ!」
「クッ!」
 魔女はその力強い言葉を聞いて舌打ちした。
「それならね!」
 魔女は珍しく激昂した言葉を口にした。まるで華奈子の言葉が琴線に触れたかの様であった。
「どうしたの、これ」
 華奈子もそれに気付く。だが魔女はさらに言った。
「防げるものなら防いでみなさい!」
「ええやってやるわよ!」
 炎が大きく動いた。そして赤い光に包まれた五人に襲い掛かる。
 炎と赤い光が激突した。今それがぶつかり合い草原は赤く燃えたのであった。


第百二十話   完


                               2006・5・30


 
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