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英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)

作者:sorano
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外伝~お嬢様の捜索~中篇(前半)

~遊撃士協会・クロスベル支部~



「―――失礼します。」

「あら、あなたたち。今日はどうしたのかしら?」

受付に近づいてきたロイド達を見たミシェルは尋ね

「実は聞きたい事がありまして……セリカさん達は今どちらにいらっしゃいますか?」

ミシェルの疑問にエリィが答えて尋ねた。

「セリカ達?何でも知り合いに頼まれてマインツ方面へその知り合いと共に行く用事があると言って出ていったけれど……」

「そうですか。それでもう一つ尋ねたいのですが俺達の他にセリカさん達の事を尋ねに来た人はいませんでしたか?」

ミシェルの話に頷いたロイドが尋ねたその時

「ええ、セリカ達の事を訪ねに来た人がいたわよ。……それもとんでもない人物が。」

ミシェルは疲れた表情で溜息を吐いて言った。

「へ…………」

「そ、それってまさか……!」

ミシェルの言葉を聞いたロイドは呆け、ノエルが驚きの表情で呟いたその時

「――――やはり、リフィア殿下がこちらを訪ねてきたのですね?」

エリゼが静かな表情で尋ねた。

「ええ。セリカ達の事を聞いたらすぐに出て行ったけど…………あら……貴女、その格好とその紋章…………フム………………さしずめそのメイドのお嬢さんに頼まれてリフィア殿下を捜索しているところね?」

エリゼに尋ねられたミシェルは頷いた後エリゼのメイド服やメイド服の腕や胸の部分に付いているメンフィル帝国の紋章を見てロイド達に尋ねた。

「ハハ…………やはりわかってしまいましたか。」

「まあね。リフィア殿下の事を聞いてきた事やその娘の格好やその服に付いているメンフィル帝国の紋章を見ればわかるわよ♪それで、これからどうするつもり?」

苦笑しながら言ったロイドの言葉にミシェルはウインクをして答えた後ロイド達に尋ね

「まだ、殿下が寄っていそうな場所の候補はあるのでそちらに行ってみます。」

「そう。もしセリカ達が戻ってきたらすぐに連絡するわ。それに人手がいりそうになったらいつでも言って。空いている遊撃士をリフィア殿下の捜索にすぐに手伝わせるわ。」

ロイドの話を聞いた後ロイド達に言った。

「わざわざありがとうございます。」

「……申し訳ございません。お忙しい中、殿下が遊撃士協会のお手を煩わせてしまって……」

「もし、リフィア殿下に何かあったらクロスベルの一大事だからね。こちらとしても他人事(ひとごと)じゃないわ。だから、気にしなくていいわよ。」

お礼を言うロイドと謝罪するエリゼにミシェルは真剣な表情で答えた。その後ロイド達は大聖堂に向かった。



~クロスベル大聖堂~



「こんにちは、マーブル先生。」

「あら、ロイド。それにエリィや皆さんも。今日はどうしたのかしら?」

ロイドに話しかけられたシスターはロイド達を見て尋ねた。

「リースさんを探しているのですが……今、彼女はどちらにおられるのでしょうか?」

「リースさん?彼女だったら今日はマインツの子供達への日曜学校の出張に行っているわ。」

そしてエリィに尋ねられたシスターは答え

「そうですか…………ちなみに俺達以外にもリースさんの事で尋ねに来た人はいませんでしたか?」

「…………ええ、来たわよ。活発そうなお嬢さんが。」

ロイドに尋ねられて考え込んだ後答えた。

「!やっぱりこっちにも来てたようだな。」

シスターの答えを聞いたランディは驚いた後呟き

(それにしてもかなり行動的な皇女ね。)

(ええ。私達が知る限り、そんなに行動的な皇女はいませんでしたのものね。)

(……まあ、リフィア皇女は色々と特別だからな。)

エルファティシア、アル、ヴァイスは小声で会話をしていた。

「ちなみにそのお嬢さんの特徴はどういう特徴ですか?」

「え~と…………2房が付いた珍しい帽子を被っていて……後は”闇夜の眷属”の方ね。」

そしてエリィに尋ねられたシスターは考え込んだ後答え

(……恐らくリフィア殿下だな。殿下が常に被っているお気に入りでもある特徴的な帽子と一致しているし。)

シスターの答えを聞いたリィンはロイドに小声で助言し

「(そうか………)……それでそのお嬢さんはどちらに?」

「リースさんの事を聞いたらすぐに走って出て行ったわ。……あ、そう言えば去り際に『余自ら会いに行くことを光栄に思うがいい!我が戦友達よ!フハハハハ―――ッ!』って言いながら走り去っていたわ。」

ロイドの疑問に答えたシスターの話を聞いたロイド達全員は冷や汗をかき

「そ、そうですか…………ありがとうございます。」

ロイドは苦笑しながらお礼を言った後仲間達と共に大聖堂を出た。



~マインツ山道~



「さてと…………今からマインツへ行くか。」

「そうね。セリカさん達もマインツ方面へ行ったという話だし……」

「案外あっさりと見つかりそうだね。」

「後は入れ違いにならなければいいのですが……」

ロイドの提案を聞いたエリィは頷き、ワジは口元に笑みを浮かべ、ノエルは考え込みながら言った。

「……あの。その事ですが、殿下の過去の行動を考えると素直にバスに乗って目的地に行くとはとても思えないです。」

するとその時エリゼが申し出た。

「へ…………」

「何か根拠があるのですか?」

エリゼの申し出を聞いたロイドは呆け、エリィは不思議そうな表情で尋ねた。

「……殿下は自らの足で探検する事を好んでいる上……何か興味がある場所が目に入ったら本来の目的よりそちらを優先されるような方ですので…………そのマインツという町に行くまでの道のりに何か殿下の興味を引きそうな場所はありませんか?」

「とは言ってもマインツへ行くまでの道のりにあると言ったら……」

「あの人形工房と化物共が出た”僧院”ぐらいだよな?」

エリゼに尋ねられたロイドは考え込み、ランディはロイド達に確認した。

「……化物が出た”僧院”?……あの、その場所について説明して頂けないでしょうか?」

「え、ええ。とは言っても俺達も原因はほとんどわかっていないのですが――――」

そしてロイド達はエリゼに”僧院”の事を説明した。

「……………………恐らく私の予想ですと殿下はその”僧院”に向かったと思います。」

「ええっ!?」

「何でそう思うんだ?」

エリゼの推測を聞いたロイドは驚き、リィンは尋ね

「話を聞く限り、どう考えても冒険好きな殿下の興味を示しそうな場所ですし…………」

尋ねられたエリゼは疲れた表情で溜息を吐いて答えた。

「ハ、ハハ……大分苦労しているようだな、エリゼ。」

「ええ、それはもう。」

「フフ、面白そうなお転婆姫だね。会うのが楽しみになってきたよ。」

エリゼの答えを聞いたリィンは苦笑し、エリゼは溜息を吐き、ワジは静かな笑みを浮かべた。

「それなら支援課のガレージに戻って車で僧院の近くまで行って、そこから徒歩で僧院まで行こうか。」

「そうね。2台あるから全員乗って行けるし。」

そしてロイドの提案にエリィは頷いた。その後ロイド達は車で僧院の近くまで向かい始めた

~月の僧院~



ロイド達が行動を始めたその頃、リースはセリカ達と共に僧院を見つめていた。

「………………」

「……おかしい、どうして……?」

リースが見つめている中、リタは驚きの表情で呟き

「?どういう事じゃ、リタ。」

リタの言葉を聞いたレシェンテは不思議そうな表情で尋ねた。

「はい。以前ここに訪れた事があるのですが……以前のように”冥界”の気配がするのです。………ちゃんと”冥界”の気配の元となる鐘の力は封印したはずなのに……」

「……という事はアルタイルロッジのような現象になっているという事か……」

リタの答えを聞いたセリカは重々しい様子を纏って呟いた。するとその時鐘の音が鳴った!

「!!皆さん、気を付けて下さい!」

鐘の音を聞いたリタが警告したその時

「この匂いは…………!」

リースは表情を厳しくした。するとセリカ達を包囲するかのように霊体や不死者、さらには首の無い鎧騎士や異形の魔物の軍団が召喚された!

「こいつらは”影の国”で現れた魔物達……!」

「これは一体どういう事じゃ……!?」

周囲を囲まれたセリカは剣を構えて表情を厳しくし、レシェンテは驚き

「どうやら先程の鐘の音に異界の者達を呼び寄せる効果があるようです……!この様子ですと上位三属性も働いているかもしれません……!」

「なっ!?あの鐘は封印したのに……!一体誰が封印を解いたのでしょうか…………?」

リースは法剣――――”影の国”でウィル達に創ってもらい、最後の決戦まで使用し、そして今も使い続けている愛剣である『神剣シルヴァーン』を構えて周囲の敵達の行動を警戒し、リタは戸惑った表情で呟き

「来るぞっ!」

セリカは今にも襲い掛かってきそうな敵達の様子を見て警告した!そしてセリカ達は戦闘を開始した!



「貴方達の居場所はここではありません!冥き途へと還りなさい!!」

リタは襲い掛かって来た敵達にクラフト――――豪薙ぎ払いを放って一度に滅し

「エイドスよ、我等に戦の加護を……!♪~~~~~」

リースはクラフト―――戦いの賛美歌で自分や仲間達の能力を上昇させ

「エニグマ駆動じゃ!………………」

レシェンテはオーブメントを駆動させた後魔術の詠唱を開始した。

「オオオオオオオオ………………」

そこに敵達が襲い掛かって来たが

「沙綾!紅燐剣!!」

セリカが放った高速剣が襲い掛かり、敵達を滅した!

「行きます……!ホーリースパロー!!」

そして歌い終わったリースは敵達の弱点である光の力を纏った刃を周囲に舞わせて攻撃し

「死者共はとっとと浄化されるがよいっ!メルカーナの轟炎!!ゴールドハイロゥ!!」

詠唱や駆動を終えたレシェンテは敵達の弱点である炎や光の魔術やアーツを放って多くの敵達を滅した!そしてセリカ達が少しの間戦っていると

「光よ!邪悪なる者達を焼き払え!贖罪の聖炎!!」

セリカ達にとって聞き覚えのある声がした後多くの敵達が光の炎によって焼き尽くされた!

「!この声は……!」

「リフィア殿下!?何故、こんな所に……!」

声を聞いたセリカは目を見開き、リースは驚きの表情で呟いた。すると

「フハハハハ――――ッ!相変わらずトラブルに巻き込まれやすい体質のようじゃな、セリカよ!」

なんとリフィア皇女が高笑いをしながらセリカ達に走って近づいて杖――――”影の国”でウィル達に創ってもらい、今でも使い続けている『覇王の聖杖』を構えた!

「何でお主がこんな所にいるのじゃ!」

(というかリフィア嬢ちゃんに言われる筋合いはないと思うだの。)

リフィアを見たレシェンテとハイシェラは突込み

「とりあえずこいつらを片付けるぞ!」

セリカは剣を構えて言い、リフィアを加えた後再び戦闘を開始した!



「枢孔!紅燐剣!!」

セリカは最高位の高速剣を放って多くの敵達を滅し

「無駄ですっ!!」

リースは詠唱をするリタ達に襲い掛かって来た敵達にクラフト―――アークフェンサーを放って怯ませると共にダメージを与え

「行け!………インフィニティスパロー!!」

さらに法剣の刃を飛び回らせて周囲の敵達にダメージを与え

「殲鋼!双肢乱!!雷光よ、行け!雷光!紅燐剣!!」

そこにセリカが魔法剣や高速剣を次々と放って滅し

「光よ、世を彷徨いし哀れなる者達に救いを!贖罪の光霞!!」

「爆散せよっ!エル=アウエラ!!」

「我が手に顕れよ、烈輝の陣!レイ=ルーン!!」

詠唱を終えたリタ、リフィア、レシェンテは次々と高火力の魔術を放って敵を滅した!そしてセリカ達が協力して戦うと敵の軍団は全て滅された!

「……終わったか。」

戦闘終了後武器を仕舞ったセリカは呟き

「リースさん、どうするつもりですか?」

「…………今からあの鐘の音が止めに行きます。このまま放っておけば冥界の者達が現世に溢れ出て来てしまいますし。―――皆さん、早速力を貸して頂いてもよろしいでしょうか?」

リタに尋ねられたリースは真剣な表情で答えた後セリカ達に尋ね

「ああ。」

「うむ。」

「ええ、構いませんよ。」

「よし!早速行こうではないか!」

尋ねられたセリカ達は頷いた。

「「「「……………………」」」」

しかしリフィアが頷くとセリカやリース達はリフィアに注目した。

「?なんじゃ、全員で余に注目して。」

「いえ…………リフィア殿下がどうしてここに来たかはこの際置いておくとして、私達と共に付いて行くのは止めておいた方がいいかと。殿下は私達に関わるより、もっと重要な事があるのですから。」

「そうじゃぞ!お主、皇女の癖に何をやっとるのじゃ!」

「確かリフィアさんは大切な会議の為に来たのですよね?そちらに参加しなくていいのですか?」

首を傾げるリフィアにリースは静かな表情で言い、レシェンテはリフィアを睨んで言い、リタは尋ねた。

「『西ゼムリア通商会議』の件なら気にしなくていいぞ。会議は明日だからな。ぐずぐずしていたらエリゼの奴が余を連れ戻しに来る!奴が来る前にさっさと鐘の音とやらを止めに行くぞ!―――イオ=ルーン!!」

そしてリフィアはセリカ達に言った後魔術で僧院まで行く道のりを封鎖しているバリケードを魔術で破壊し

「さあ!再会ついでに冒険じゃ!我が戦友達よ!」

セリカ達の前に出て高々と言った後僧院に向かい

「…………おい、どうする?あの様子だとクロスベル市に戻るように言っても絶対に聞かないぞ。」

リフィアが僧院に向かっているのを見たセリカはリースに尋ね

「……仕方ありません。速やかに殿下と共に用事を終わらせて殿下を”グロリアス”に送り届けましょう。」

尋ねられたリースは溜息を吐いて言い

「フフ、リフィアさんの性格を考えたらそれが一番妥当ですね。」

「ま、足手纏いにはならんから別にいいじゃろ。」

リースの提案を聞いたリタは微笑み、レシェンテは頷いた。その後セリカ達はリフィアと共に僧院内に入った。セリカ達が僧院内に入って少し時間が経つと今度はロイド達が来た。



「これは一体……」

「なっ!?封鎖していたバリケードが壊されている……!一体誰が……?」

「……破壊されたバリケードから魔力が感じられるわ。この魔力の属性は純粋…………という事は恐らく純粋魔術で破壊したのでしょうね。」

ロイドは破壊されたバリケードを見て驚き、ノエルは驚いた後考え込み、エルファティシアは考え込んだ後言い

「―――十中八九殿下の魔術による仕業でしょうね。ハア…………」

エルファティシアの言葉を聞いたエリゼは疲れた表情で溜息を吐いた。

「それよりエルファティシア、気付いていますか?あの建物から感じる異様な気配に……」

「ええ。この感じはあの時――――”僧院”に幽霊や不死者達が現れた時と一緒ね。」

そしてアルに尋ねられたエルファティシアは頷いた後答え

「へ……」

「お、おいおいっ!?そりゃマジかよ、エルファティシアちゃん!?」

エルファティシアの答えを聞いたロイドは驚き、ランディは驚いた後尋ね

「エ、エルファティシアさん!じょ、冗談はやめてくださいよ!」

エリィは必死の表情で言った。するとその時鐘の音が鳴った!

「……………………」

鐘の音を聞いたエリィは表情を引き攣らせ

「そんな!?一体どうして……!」

そしてノエルが驚いたその時、人魂のような姿をした異様な魔物が現れた!

「なっ!?ゆ、幽霊!?」

「こいつらは”影の国”にいた”魔物”……!何故こいつらがこんな所に……!」

魔物を見たリィンは驚き、ヴァイスは驚いた後真剣な表情で言い

「キャアアアアアアアアアアアアアアッ!!な、なんでまた現れるのよ!?」

「ちょ、エリィ!?は、離れてくれ!このままだと戦闘ができない……!」

エリィは悲鳴を上げた後ロイドの背中に強く抱き付いて身体を震わせ、抱き付かれたロイドは驚いた後言い

(くかかかかっ!役得だからいいじゃねえか!)

ギレゼルは陽気に笑い

「エリゼ、下がれ!」

「すぐに片付ける!危ないから下がってろ!」

リィンとランディは武器を構えてエリゼに警告した。するとその時

「――――いえ、大丈夫です。」

エリゼは静かな表情で答えた後なんと連接剣を構えた!



「へ!?」

「なっ!?」

「ハアッ!?」

「へえ……」

エリゼの行動を見たロイド、リィン、ランディは驚き、ワジは興味深そうな表情をした。そしてエリゼは連接剣に冷却属性の魔力を纏わせ

「やあっ!!」

連接剣の刃を舞わせながら攻撃した!エリゼが放った冷却魔術を込めた連接剣で剣舞を放つクラフト―――冷却剣舞を受けた敵達は凍結した!そしてエリゼは魔術の詠唱をし

「光よ、我が仇名す者達に裁きを!槌の光霞!!」

光の爆発を起こす魔術を放って敵達に止めを刺した!

「………………」

「ヒュウ♪」

エリゼの戦闘を見たロイドは口をパクパクし、ワジは口笛を吹き

「エ、エリゼ!?魔術ができるのは知っていたけど一体いつの間に剣術なんてできるようになったんだよ!?それも魔法剣技まで扱えるなんて……!」

リィンは混乱した様子でエリゼに尋ねた。

「……殿下の侍女を勤めるにあたって、リウイ陛下が普通の侍女では絶対に勤まらないからって、わざわざ私の教育係としてエクリア様を用意してくれたんです。それで侍女としての仕事だけでなく魔術や剣術、魔法剣技、さらには政務関係までエクリア様から教わりました。」

「エ、エクリア様が……!?って、何で政務関係まで勉強しているんだよ!?」

「……リフィア殿下、侍女のはずの私を秘書扱いして、政務関係の書類の処理を私にまで押し付けて来たんです………………最初に押し付けられた時は本当に驚きました……幸いその時は殿下自身が教えてくれましたけど…………それでその事をシルヴァン陛下に報告したら、シルヴァン陛下がリウイ陛下にその件を話して、リウイ陛下がエクリア様に私にさまざまな教育をするように手配してくれたの。………そうでないとリフィア殿下の専属侍女を勤めるのは難しいだろうからって理由で。……お蔭様で自分の身を守れる程度には剣術は上達しましたし、政務関係の書類の処理もできるようになりました。」

「……………………」

エリゼの説明を聞いたリィンは絶句し

「ほう、それはよかったではないか。あのエクリアに教われるとは…………――――それよりロイド。これからどうするつもりだ?」

ヴァイスは感心した後ロイドに尋ねた。

「……殿下を保護する為や鐘の音も止める必要がある為、遺跡内を探索するしかありません。――――って事だけど……エリィ、大丈夫か?」

尋ねられたロイドは既に離れているエリィに尋ね

「も、もう。心配はいらないわ。さっきはいきなりだったからビックリしただけだし……次からはしっかりと心の準備を整えれば……」

(それってあまり大丈夫じゃないんじゃ……)

エリィの答えを聞いて苦笑していた。

「エリゼちゃんはどうする?」

「何人かが彼女と一緒に車を止めている辺りで待機したらどうでしょうか?」

そしてランディはエリゼに、尋ね、ノエルは提案し

「いえ。できればこのまま一緒に付いて行かせてください。自分の身は守れますし、魔術もある程度扱える上、エニグマⅡも持っていますから後方からの援護は可能ですので皆さんの戦闘のお手伝いはできると思います。」

ノエルの提案を聞いたエリゼは自分の希望を言い

「わかりました。ですが、絶対に前に出ないようにお願いします。」

「はい。」

ロイドの忠告を聞いて頷いた。

「フフ、まさかこんな所でホラーハウス巡りができるとはね。」

「ったく。もうホラーハウス巡りは飽きたっつーの…………」

静かな笑みを浮かべて言ったワジの言葉に続くようにランディは溜息を吐いて言った。



その後ロイド達は僧院の探索を開始した………… 
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