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暗闇を照らす白き日差し【影に身を委ねた一夏】

作者:Bloo-D
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クラス対抗戦
  第12話 決戦!クラス対抗戦 Ⅱ

 
前書き
クラス対抗……の前に主人公が越えなければならない人のご登場 

 
千冬SIDE



千冬「はぁ……」

不正を働こうとした輩に謹慎処分を降して大人しくさせたは良いがな……
全く……白夜が復帰したのは良かったが、白夜が越えなければならんあの男は一体何者なんだ?この学園のセキュリティシステムを潜り抜けて潜入出来るのはあいつ(白夜)以外にあり得ない。なのに何故あの男は……?

それは白夜が復帰する1日前の話だった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その時は白夜の事で一杯で授業になんざ集中の一つすら出来てなかった。

私の頭の中にあるのはただ一つ、“白夜が越えなきゃならんあの人”の事だ。一人の人間に人を越えた力を与える事が出来る輩なぞ神ぐらいしかいない。第一として、人間にそんな事が出来る奴なんて居る筈が無いし、過去にそんな事が出来た奴が居たなんて情報は資料にも載ってはいない。
なら一体……


真耶「織斑先生?」

えっ?

真耶「織斑先生、今は織斑先生の授業ですよ。忘れましたか?」

気がついてみればそこは教室。
って考えたら今は授業中だから、思い直してみれば随分と恥ずかしい話だ……

千冬「いやすまない山田先生、ちょっと考え事をしていた」

真耶「考え事…ですか?
一体何のことをですか?」

千冬「白夜に力をやった輩についてだ、あんな神に等しい力をやる事の出来る奴なぞ居る筈が無い。
一体誰が__」

「解らずして当然だ。
それを知る奴など最早この世界に一人も居ないし、それに関する資料も古き昔に焼失し消えたのだからな」

『⁉︎』

男の声だと⁉︎
ここは学園長と白夜以外は皆女しか居ない。なのに男の声がするなど__!

「どこ向けば気が済むんだ織斑 千冬、こっちだよこっち」

何⁉︎

「フン……」

声のする方へ視線を向けてみれば、そこには上下共に黒の衣装で身を包んだ長身の人物。
低くて太い声から察するに男であることは確かだが、無断で入ったとなるとどうやってこの島のセキュリティを掻い潜ったというのだ?
全くもって理解出来ん……


真耶「あ…あなたは一体何者ですか⁉︎幾ら凄腕の手慣れでもこの島のシステムをすり抜けて忍び込むなんて__!」

「残念だが僕は既に肉体を捨て魂魄のみの存在になったのだよ。
そんな僕を捕らえるのにあんなオモチャ如きでは無駄な足掻きに過ぎんぞ」

『⁉︎』

肉体を…捨てた…だと?
馬鹿な……ならこいつは幽霊に等しい存在なのか?
ならセキュリティを掻い潜るのは容易だろうが、何故肉体の無い奴の背後に影なんて映るんだ?幾らなんでもあり得んぞ……

「あんたらが驚きなのも当然さ、ここまで実体に近い魂魄が現れ、しかも警備システムを潜り抜けるなどあの白夜くらいだろうな。
とはいえ、“奴が僕の真似をしてる”っといってもいいのだがな」

!何、白夜の真似だと⁉︎
ならこいつは……!

「フッフッフッ……察する通りさ、織斑 千冬。
僕が白夜に力与えし者にして、奴が越えなければならん最後にして最強の砦さ」

『⁉︎』

成る程な……こいつがそうか。
ならアイツが神に等しい力を持ってて当然だが、だとすればこいつもその力を持つ奴なのか?
っと考えれば奴は一体どんな力を持っているのだ?


箒「こいつか……」

ん?どうした小m__

箒「一夏を苦しめた愚か者はあぁああああああ〜〜〜〜!!!!!!」≪ギラリッ!≫

いきなり何を仕出かすの思えば篠ノ之は真剣を抜いて奴に斬り掛かったのだ。
おい待て!お前がそいつを殺せば__!

「愚かなのは貴様だ」

≪ブンッ……パシッ!≫

箒「なっ⁉︎」

千冬「何だと⁉︎」

『‼︎』

馬鹿な!あの小娘の攻撃を片手で止めるだと⁉︎
私でも出来なくもないが、あれは“手が傷付くから皆やるな!”って皆が言ってるが奴は平気なのか⁉︎
って奴は幽霊に近い存在だからあの程度は容易いか……

「そんなこそばゆい斬撃風情で斬りかかるとは随分と舐められたものだな」

箒「ええい煩い、言い訳など聞きたくない!解ったら大人しく__!」

マズイな……今そいつを亡き者にされては白夜を…いや一夏を救う方法が閉ざされる危険性が高い。なんとかやめさせんとな……

千冬「待て篠ノ之、今は感情を押し留めろ」

箒「何故止めるのですか千冬さん!こいつは__!」

千冬「織斑先生だ。
とにかく剣をしまえ、あいつを救う手立てを消してもいいのかおまえは?」

箒「ぐっ!」

≪スッ≫

やれやれ、やっと抑えてくれたか……
まあ私の教え子なら、そのくらいやってくれなきゃ困るしな……


それより……

千冬「お前があいつに力をやった奴なのだな。
ところで、お前は一体何者だ?」

「フン……僕か?
そうだな……言うならば“最強にして最恐の象徴”,“お前でさえ決して辿り着けぬ最強の頂点”っとだけ言っとくかな」

何、私でも辿り着けぬだと?
私は最強なんだぞ!それでも辿り着けぬとはこいつ、一体何者なんだ⁉︎


千冬「どういうことだそれは?お前に何があるというのだ?」

「フ……手の内を見せぬのが最強たる真髄ではあるが良かろう。それは貴様ら如きでは掴み取れぬ……」

≪ギラリッ!≫

ん?いきなりそんな時代遅れの太刀を抜いてどうするつもりだ?

「神の力纏いし刃を……」

≪カッ!ゴオォオオオオオオ〜〜〜……‼︎≫

『⁉︎』

何だと、いきなり炎が辺りを包んだだと⁉︎しかもなんて熱さだ!

≪ゴオォオオオオオオ〜〜〜!パチパチッパチッ……‼︎≫

千冬「どうなっているんだ、これは一体⁉︎」

「知りたくば教えてやる。
これこそが僕に宿る神の刃、《邪刀 緋戊之烏如天茂瑩(じゃとう ひほのおもぞらもだま)》。
炎を司る破壊の刃にして最凶の刀さ」

千冬「なっ⁉︎」

神の刀、あれがか⁉︎
しかも辺り一面を火の海に変えてしまうとはなんて力だ!

≪ゴオォオオオオオオ〜〜〜……‼︎≫

【ンフフ……】

んっ、今度は女の声?
だが今度は__

【ここよ、ブリュンヒルデ。いえ、織斑 千冬】

何?なっ⁉︎

【フフフ……】

奴の剣から夥しい程の炎が噴き上がったと思えば、その炎の中から姿を現したのは大昔の着物を着た…いや、赤と黒が基調の着物とドレスを足して二で割った感じの和風ドレスを身に付けた髪の長い女だった。
何だ、あのヤケに神々しい奴は⁉︎まるで本物の神ではないか⁉︎

【その通りよ、織斑 千冬。
我は炎を操りし破壊の神、“大禍津日神(おおまがついのかみ)”。
この者が振るいし神の刃に宿りし神にして、太古の昔にこの世の全てを破壊しかけた神である】

こ…これが……神!しかも破壊の神だと⁉︎
だとすると奴の刃には一体__⁉︎

大禍津日神【それに答える義理は無いわ。けれどそれは近いうちに解るわ。
ただ、あなた達風情では我等が定めた運命を変えることは出来ない。誰が何と言おうとね】

千冬「何だと貴様!そんなのやってみなきゃ解らないだろうが‼︎」

「無駄だ。
もとより、弟一人も救えん貴様如きでは変えられんよ。
無論この世の全ての者共でもな」

千冬「何⁉︎」

≪ゴオォオオオオオオ〜〜〜……‼︎≫

「潮時だ、だが貴様等とは何れまた会うことになるだろう。
それまでさらばだ」

千冬「⁉︎待て!逃がさんぞ‼︎」

だがそう叫んだ時には既に奴は姿を消し、同時に辺りを覆ってた炎も消滅した。
後で警備記録を見てみたものの、そこに写ってたのは何も無い方へ話す私のみで奴の存在は確認されなかった。
更に言うとセキュリティにも異常はなかったそうで多くの者は“夢でも見たのか?”っと捉えたが、篠ノ之とオルコットはそうは認めてないし私もそうとは思ってない。
だが決定的な証拠が無いからにはどうすることも出来ないからその日は結局何もなかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あれから詳しく調べようとはしてるが、奴が言ってた通り資料は全くもって存在しない。
一体どうなっているんだ……?


ハァ……いかん…このままでは頭の中がおかしくなってしまう。
気分転換にクラス対抗でも観戦するか……

ここのところずっとそればかり考えてるからどうも疲れてしまうから、ガキ共の試合でもみようかと私はアリーナへと出向くことにした……何が起こるかも知らずに……

_______________


白夜SIDE



『わあぁああああ〜〜〜……!』

白夜「ハァ……」

今俺が居るのはアリーナのピット部分。何故ならもうすぐ試合が始まるからだ。
一応ここは、外からの音は遮られるよう設計されてるそうだけど、人の声だけが何故かダダ漏れとは一体どういうつもりだ?ここ設計した輩は舐めとんのか?たく……

『続いての試合は、一組代表の白夜くん対二組代表で中国代表候補生の凰 鈴音です。
両選手は直ちに準備して下さい』

やっとか……マドカ達は観客席に居るそうだが……

箒『そこをどけ!私は一…いや白夜の幼馴染みだ!
サッサと通せ‼︎』

あのヤロまたか……騒がしくなる前にサッサと出るか……


白夜「宵闇、出撃する!」

≪バシュウウッ!≫

篠ノ之の野郎が入って来る前に相棒を展開し、俺は《二十六夜》と《三五夜》を装備してピットから出た。

ーーーーーーーーーーーーーーー

『わあぁああああ〜〜〜……!!!!!!』

アリーナは最大の目玉試合で観客席は満席とは聞いてたが、これは予想以上だな……
んで……


鈴音「来たわね」

俺から数m離れたところで浮いてる鈴音に目が止まる。

白夜「第3世代のIS、“甲龍(シェンロン)”か。
まあ相手にとってそう不足はないが、俺の前では所詮木偶の坊だな」

鈴音「随分と上から目線ね。後で後悔したって知らないわよ!」

白夜「さて、そりゃどっちへの言い分だろな……」

悪いが……後悔すんのはテメェの方だぜ、チビッコが……

鈴音「あんたが裏で殺し屋で知られてるのは知ってるけど、そんなのは所詮愚者共の幻想に過ぎないわ。
本当の戦いってやつをあんたにみっちり教え込んでやるから、せいぜい感謝なさいよ!」

白夜「フン……くだらん。
本当の戦場ってモンを知らん奴がデカデカと言いやがって。
貴様など“飛んで火に入る夏の虫”であることを、しっかりと言い聞かせてくれるわい」

鈴音「言ったわね?
後で泣いて許しをこうても知らないからね!」

言ってろ言ってろ、所詮貴様ら如きの常識など効きはしないんだからな……


『それでは白夜くんと凰さん!両者試合を開始してください‼︎』

その一言を合図に試合が開始された

ーーーーーーーーーー

鈴音「じゃあ始めから飛ばして行くから覚悟しなさい!」

フ……悪いがその強気発言がいつまで保つかやらだな……

白夜「"白夜-十三夜(じゅうさんや)"!」

≪ブンッ!ドカーン!≫

鈴音「きゃっ⁉︎」

長剣の《二十六夜》を前に突き出した同時に発生した三日月状の衝撃波で攻撃。
この攻撃で凰は後方に吹き飛ばされたものの……

≪ズザザーーッ!≫

すぐに体勢を立て直した。まあ代表候補生ならそのくらい当然だろうがな……


鈴音「ちょっと何なのよ今の一撃は⁉︎早過ぎて全然躱せないんですけど⁉︎
てか剣から衝撃波出すとか有り得ないんだけど⁉︎」

白夜「悪いがあれでも威力は小さい方の技なんでな。
本気でやろうモンなら痛手くらいじゃ済まされんぞ」

鈴音「何ですって⁉︎」

言っとくがこれは事実だ。第一として、奥義技にもなれば鋼鉄でさえズタズタに斬り裂いちまうくらいの威力なんだ。
だがこいつ程度じゃそれを使う必要も無いがな……


白夜「まあとりあえず、生半可な小細工じゃ俺は落とせんから、覚悟してもらおうかね!」

鈴音「言ってなさいこの戦闘狂!あんたなんざギットンギットンにしてやるんだからね‼︎」

ほ~う、そいつは楽しみだな……ならば、その分楽しませてもらおうか! 
 

 
後書き
炎を司る破壊の刃を携える主人公に力を与えた人物は何者なのか?それは遅かれ早かれ明らかとなりますが、それはまだ先の話です。

そんな事より、次回は白夜VS凰の続きとアイツの乱入。そして…… 
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