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大統領 彼の地にて 斯く戦えり

作者:騎士猫
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第十五話 大統領救出作戦

「第一大隊、panzer vor!!」
「第二大隊、go a head!!」
「第三大隊、Танки вперед!ypaaaaa!!」
「第四大隊前進!!」
「第五大隊、Carri armati avanzano!!」
「第六大隊全車、吶喊っ!!」


既に日は落ち、イタリカが漆黒に包まれた頃、ロンディバルト軍は作戦を開始した。
第六機甲師団は五個の戦車大隊と二個の機械化歩兵連隊で構成される特別編成部隊である。各戦車連隊はそれぞれドイツ・アメリカ・ロシア(ソ連)・イギリス・イタリア(パスタ)・日本(大日本帝国)の出身者で構成され、車両は

ドイツ
Ⅵ号重戦車ティーガーⅠ・Ⅴ号中戦車パンターG型・Ⅵ号重戦車ティーガーⅡ・Ⅴ号駆逐戦車ヤークトパンター・Ⅳ号駆逐戦車ラング・重駆逐戦車ヤークトティーガー

アメリカ
M4A1シャーマン中戦車・シャーマンVCファイアフライ

ロシア(ソ連)
T-34/85中戦車・T34/76中戦車・JS-2重戦車・KV-1ギガント重砲兵戦車

イギリス
チャーチル歩兵戦車Mk.VII・マチルダII歩兵戦車Mk.III/IV・クルセイダーMk.III

イタリア(パスタ)
P40・セモベンテM41・カルロ・ヴェローチェCV33

日本(大日本帝国)
九七式中戦車・九五式軽戦車

上記の車両を開発部が一から設計しなおして完全再現した「WWⅡシリーズ(戦車ver)」である。第一から第三連隊が主力部隊となり、第四連隊が機械化歩兵の随伴、第五第六連隊が快足を生かした偵察及び攪乱を行う。実にバランスの良い編成である。

そんな第六機甲師団の各連隊はそれぞれ「パンツァーリート」「アメリカ野砲隊マーチ」「カチューシャ」「ブリティッシュ・グレナディアーズ」「フニクリ・フニクラ」「雪の進軍」を大型のコンポで音量を最大にして流しつつイタリカ周辺を土煙を上げながら走り回っていた。

「な、何事だ!?」
「騎馬隊か!?」
突然のことに城壁の兵士たちは動揺し、敵の襲撃かと非番の兵士たちも城壁に集まった。
戦車部隊は砲撃演習の真似事をやったりイタリカに突撃する構えを見せるなどして兵士たちの意識を完全に城外へと向けさせた。

兵士たちは弓を構えて応戦しようとするが、その瞬間トラウマを甦らせるあの音が上空から聞こえてくる。

「全機演習始め!」

第一航空騎兵団のメインローターの音である。
上空ではつい数時間前に盗賊相手に猛威を振るった”鉄の天馬”、そして後にピニャによって名づけられる”鉄の象”。兵士たちは恐怖に陥った。あれが火を噴けば自分達など一瞬にして葬り去られる。民兵ばかりか正規兵もその手に持った槍や剣をその場に落とし、完全に戦意を喪失した。


第六機甲師団がイタリカ周辺で陽動を行っている頃、ローゼンカヴァリエ連隊第一中隊と第三偵察隊の一部メンバーはイタリカ南門から城内へと侵入を果たしていた。
「城門クリア」
「よし、本当によく眠っているな・・」
副連隊長のディートヘルムは城壁付近に座り込んでいる帝国兵たちを見ながらつぶやいた。
これはテュカが使った眠りの魔法によるものである。

「第三小隊は城門で待機しろ。残りは続け」


■ペルシャール・ミースト


俺は今ベッドにいる。そしてその周りには5人のメイドがいた。
俺が起きるとピニャ皇女と話してた時に控えていたメイド長が謝罪してきた。なにやら”報復する野であれば力を貸す所存、しかしミュイ様には矛先を向けないで頂きたい”とか言ってる。普通に聞いたらただ謝ってるように見えるが、要するにピニャ皇女を含めて町を攻撃するのなら力を貸すから伯爵皇女だけは手を出さないで、ということだ。結構このメイド長怖いこと言うな。政治家にでもなったほうがいいんじゃないか?

俺がそんなこと考えているとすぐ横から聞きなれた声がした。
「閣下、こう言っていますからこのままイタリカを占領してみてはどうです?」
シェーンコップがついて来たことを今思い出した。それにしても町を武力占領?
まぁ今こちらに向かっている機械化歩兵大隊でも十分制圧可能だが。その後の統治が心配なんだよなぁ。下手すると民間人まで帝国につきかねん、今はやめておいた方がいいだろう。とりあえず人心掌握を行った後だな。それもあまり時間はかからんだろう。とりあえず物資を恵んでこちに来れば生活が豊かになるし安全安心だよと言えば大半はこちら側に流れるだろう。

それにしてもシェーンコップ、さっきからヘラヘラと笑みを溢しやがって、ご主人様って言われる度にどんどん笑みが凄くなってきている。

ていうかこれからどうしようかな。たぶん今頃ハイドリヒが救出作戦を考えてるだろうし、今はこのまま寝てるか。さっきの騎士団もピニャ皇女にお叱りを受けてるみたいだし、危険はないだろう。


・・・・・・・・・・・・・・


暫くするとメイドの中の二人が何かを感じ取ったのか部屋を出て行った。
「あのー今の二人は?」
俺が質問するとメイド長が教えてくれた。
どうやら今の二人はマミーナとペルシアというようで、ヴォーリアバニーキャットピープルなんだそうだ。ちなみに髪の毛が蛇になっている子はアウネラで、黒髪の子は人種でモームという名前だった。
なんでも先代の当主が開明的な人物だったそうで、人間至上主義だった帝国では珍しく亜人を積極的に雇用していたらしい。この世界にも人権差別があるのか・・・こりゃまた面倒だな。
数百年の間これなのだからそう簡単には解決できなさそうだ。


10分ほどすると扉が勢いよく開かれた。
「閣下!連隊長!よかった、ご無事でしたか・・」
入ってきたのはローゼンカヴァリエ連隊の副連隊長であるディートヘルムだった。後ろには見慣れた隊員が幾人も居た。周囲を警戒しつつも、俺たちが無事なことに安堵しているようだ。
「あ、別に彼女たちを拘束する必要はないぞ。彼女たちは帝国側じゃない」
メイドたちを拘束しようとする隊員達を手で制し、銃を下すように言った。隊員達は困惑しつつも武器を納めた。


その後第三偵察隊のメンバーも到着し、なぜか文化交流会が開催されてしまった。
倉田は念願の猫耳娘のペルシアさんに会えて興奮してるし、栗林は先の戦いの事をマミーナさんに賞賛してもらってるし、レレイはアウネラさんの蛇に興味津々。テュカはモームさんに服の事を尋ねられている。メイド長のラムさんはエムロイを崇拝しているようで、ロウリィに笑顔で迫っている。

「なんだか和んじゃってるな」
「急いで脱出する必要はなさそうですな」
「後で第三小隊の奴らもつれてきましょう」
「なぁディートヘルム中佐、偵察用のカメラ持ってないか?」
「持っていますが・・記念撮影でもするんですか?」
「ああ、いい機会だ記録に残しておこう」

俺はみんなに記念撮影することを伝え、なぜか俺のベッドを中心に集まった。
カメラに三脚をつけ、自動撮影モードにして写真を撮った。

取った後は文化交流会が再開された。今度はみんながカメラに興味津々だ。栗林は小型携帯を見せて説明をしている。
いやー実に楽しそうで何よりだ。後でハイドリヒには連絡しておこう。

俺は楽しそうに喋っている皆を頬杖をしながら見回した。

たまにはこういう時間もいいな……
 
 

 
後書き
最初のシーンで「あ」と思った人は例の映画を見た人でしょう。(何のとは言わない
あの多国籍部隊、数さえ合えば結構バランスの良い編成なんですよね。

まぁあれが分からない方はペルシャールとか開発部が趣味で作ったとでも考えてくださいな・・・。

ご指摘や意見、感想お待ちしております。 
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