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暗闇を照らす白き日差し【影に身を委ねた一夏】

作者:Bloo-D
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更識姉妹
  第7話 オープン・ユア・ハート Ⅰ

 
前書き
なんか立て続けに書いていますが、なんか思うように手応えが無い気がしないのは…何故……? 

 
白夜SIDE



無事寮へ戻ったのは良いけど……

楯無「お帰りなさ~い♪
私にします?私にします?
それとも、わ・た・し?」

部屋の扉を開けると、何故かそこには上下共に水色のビキニの水着を着た会長が立っていた。


≪カチッ≫

白夜「織斑先生、聞こえますか?只今生徒会長が後輩でだらしない姿を曝け出してますが__」

楯無「ふふん…織斑先生に伝えたって無駄よ、だって本人は__」

脅しにでもと織斑先生へ連絡するフリをするがアッサリ躱された。
チッ、面倒だ!ならば奥の手を発動するのみ‼︎


≪カチッカチッ≫

白夜「お忙しいところすみません。少しお時間を頂いても構いませんか?」

『なんですか一体!今お嬢様を探すのに忙しいので後にしてください‼︎』

楯無「ってその声は虚ちゃん⁉︎何で白夜くんが虚ちゃんの連絡先を知ってるの⁉︎」

奥の手とはズバリ、クラスメイトの一人の“のほほんさん”こと布仏 本音の姉、布仏 虚さんを呼ぶ事だ。
実は以前“面倒な時に更識がお前の前に現れたら、こいつに連絡すればどうにかなる。”って織斑先生に言われて渡されたのが布仏さんの業務用電話回線の連絡先だった。勿論本人からもお願いをされての事だったから、断ろうにも断れない話だった。

虚『その声はお嬢様!今どこに居るんですか⁉︎』

加えて言うなら、今通信機はスピーカーをONにしてあるから会長の発する言葉は大体布仏さんに筒抜けだ。

白夜「会長をお探しなら話が早いです。会長は今学生寮の1025室にて水着姿で立ってますからすぐさま引きずり出してください。と言いますか連行してください」

楯無「待って待って、それだけは__!」

虚『情報感謝します。ならすぐ向かいますので、お嬢様が何処かにいかないようにしてください!』

白夜「お任せください、全力で止めて見せましょう」

楯無「やめて〜〜〜!!!!」

っといった感じで会長はやって来た布仏さんによって捕獲されて廊下に正座させられて説教されるという惨めな始末に……生徒会長は後輩の前で叱られるという酷い醜態を曝されることとなった。

ーーーーーーーーーーーーーーー

その後……

楯無「ハァ……」

布仏さんに叱られながらもまたやって来た会長。これで本当に織斑先生を呼ぼうものならどうなるかやらだな……
まあいいや……

白夜「ところで、マドカはどうしましたか?」

楯無「睡眠薬で眠らせたわ、暫くは起きない筈よ」

マドカ「……」

マドカがさっきの状況を見たら絶対襲い掛かるだろうと思ってたけど、残念ながらそんな事にはならなかった。
その理由は、会長がマドカに睡眠薬を盛って眠らせたのが理由だった。
全く……そんな事までしてどうすんだよ?


白夜「どうせ他にも言う事があるのでは?」

楯無「なら聞くけど、虚ちゃんからどうやって連絡先を聞いたのよ?」

それじゃねぇよ聞きたいの……まあいい……

白夜「織斑先生からですよ。と言いますか、肝心の本題は?」

楯無「あっそれだった。実はね__」

白夜「妹さんの事じゃないんですか、さっき整備してるとこ見てたでしょ?」

楯無「やっぱり気付いてたの⁉︎」

当たり前だ!入り口んところでソワソワしながら見てたの見えてたっていうか気付いたんだぞ!もうちっとマシな隠れ方しろよ‼︎


楯無「まあ白夜くんが睨んでる通りなんだけどね。実は簪ちゃん、結構暗くて引っ込み思案な子だからお友達は殆ど居ないの。
だから、白夜くんには簪ちゃんのお友達になって欲しいの。
お願い、この通り」

やっぱ睨んでた通りかもな……

白夜「念の為聞きますが、妹さんとは仲は良くないのですか?」

楯無「ええっ、お察しの通りよ。
実は簪ちゃんは小さい頃から私と比べられてたから、簪ちゃんが“私が妹に冷たい。”ってスッカリ誤解してるの。本来なら私から切り出すべきなんだけど、私からだとなんか言い辛いからその~……」

思った通りか……だかな…姉妹関係は自分達で解決して欲しいからな……

白夜「依頼の内容は解りました。ですが、姉妹の関係の修復は自分達でお願いしますよ?」

楯無「えっ⁉︎ちょっ__!」

白夜「依頼とはいえ、家族関係に対して干渉するのは俺個人としては出来ない領域です。
話し合いの場だけでも設けますから、関係修復はそちらでお願いします。良いですね?」

楯無「……、解ったわ。白夜くんがそう言うのなら、仕方ないわね」

決まりだな……
そういった感じで契約は成立。その後廊下で待ってた布仏さんによって、会長は泣きながらも連行されて行った。

____________________


白夜SIDE



翌日の放課後……

薫子「はいはーい」
本音「手伝いに来たよ〜〜」
「「……」」

昼のウチに新聞部の黛さんが整備科所属だと知って直談判してなんとか協力を得ることが出来た。
けど、何故のほほんさんがオマケに来たのかが理解出来ん……


白夜「今日は協力してくれて、ありがとうございます」

薫子「いいよいいよ別に。けどその代わりにデート一回ね?」

白夜「はい……」

まあ協力を得られたとはいえ、チョット妥協するとこもあったがこれは許容の範囲内だ……


本音「か〜んちゃん♪」

簪「本音、今日はゴメンね」

本音「何で謝るのさぁ。今日はかんちゃんの為に、いっぱい頑張るからね」

簪「ありがとう」

後で解った話だけど、のほほんはなんでも簪の専属メイドらしい。
あんな性格でメイドが務まるのかと思うと__(以下省略)……


それはさておき……

薫子「さてと。そんなに時間の余裕も無いし、一丁やりますか」

早速整備科の人達と協力しての作業が始まった。

ーーーーーーーーーーーーーーー

簪は知識があるからみんなについて行けるけど……

薫子「白夜くん、こっちに特大レンチと高周波カッター持って来て!」

白夜「はい!」

≪タタタッ……≫

「データスキャナーと聴音と計算装置を」

白夜「はい、すぐに用意します!」

≪タタタッ……≫

俺は詳しいところは解んないからとにかく言われる通りに物を用意する他無い。

ーーーー

そこからは……

「白夜、ジュース飲ませろ」

白夜「はい、どうぞ!」≪スッ≫


本音「“ビャッキー”お菓子とって〜〜♪」

白夜「はい!」≪スッ≫


薫子「購買でシャンプー買っといて〜」

白夜「ってそれかい!」

完全にパシリ同然だった。
まあ他に出来る事が無かったから仕方ないけど……

ーーーー

それから日が落ちた頃には……

薫子「ふうっ、これで良しっと」

「「イェーイ♪」」

打鉄弐式の整備は全て終わってついに簪の専用機が完成した。


簪「あ、あの〜……今日は、本当にありがとうございました。私一人じゃ何も出来なかったから、本当にありがとうございました!」

薫子「いいんだってこのくらい」

「同じ学園のよしみなんだから、何かあったら手伝うよ」

「「うんうん」」

これは簪にとって、成長への第一歩になったろうな……

ーーーーーーーーーーーーーーー

それから整備科の人達やのほほんと別れてから、思い切って切り出してみるとした。

白夜「簪」

簪「何?」

白夜「会長と…お姉さんと、関係を戻さないか?」

簪「えっ?」

夕べ会長と話してた通り、姉妹の関係の回復だ。

簪「でも__」

白夜「なら簪は、ずっと今のままで良いと本当に思ってるのか?お姉さんと仲良くなりたいって思わないのか?」

簪「それは……」

単刀直入にも程があるけど…このまま見て見ぬ振りをする訳にもいかんしな……

白夜「関係を元に戻したいのなら、俺がお姉さんとの話し合いの場を用意する。
今夜の8時半くらいに、俺とルームメイトのマドカの部屋になってる1025室に来てくれ。
お姉さんには俺から言っておく、来るか来ないかは簪次第だ。簪がどんな選択をするかは勝手だけど、決して悔いの残る選択はするなよ。いいな?」

簪「……」

ここから先は彼女達が決める道だ……間違っても、悔いの残る選択をしないといいんだがな……

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

それから夜の8時半前……

楯無「ねぇ、本当に来るの?簪ちゃん」

白夜「それは本人が決める事ですよ」

計画通り、会長に時間と場所を伝えて招き入れ、後は簪が来るのを待つだけだった。
この件に関しては既に織斑先生から承諾を得てあるし、部屋には誰も入らないようにと織斑先生を通じて全員に通達されてるから邪魔が入らない事は保証済み、更に来ると五月蝿くなりそうな箒はマドカに見張ってもらってるから監視を掻い潜って来るとは絶対に思えない。

≪スッ≫

白夜「8:29、そろそろ時間だ」

楯無「……」

腕時計で時間を確認すると、現在時刻は午後8:29。予定時刻まで残り1分を切った。
さあどうする簪?別に怒るつもりは無いが関係を良くしたいのなら来るのがオススメだぞ……


そして……

≪コンコンッ≫

簪「白夜、居る?」

来たな……

白夜「空いてるよ、入って」

≪ガチャッ≫

簪「……」

やっぱり来たな……ここからは、彼女達の話だ。部外者には関係無い……

白夜「俺は廊下に居ますから、終わったら声を掛けてください」

楯無「白夜くん」

簪「待って白夜!私一人じゃ__!」

白夜「ここまでお膳立てしたんだ、ここから先は君ら2人の問題だ。
君ら2人だけで話し、自分の答えを…そして道を切り開くんだ。いいな?」

楯無「……」

簪「……自信は無いけど、やってみる」

白夜「そうでなくては。じゃ、部外者は廊下に出るとしますか」

≪ガチャッ……パタンッ≫

そう言って廊下へ出て扉を閉め、その側で壁にもたれ掛かる。
俺が手出ししていいのはこのくらいだ。後は彼女らの選択次第だ…… 
 

 
後書き
出来る事だけやって家族等の問題だけはその人達だけで解決させようとする主人公。
“ダークヒーローがやりそうな解決の仕方はこれかな?”っといった感じ。(所謂個人的な見解。)

さてと…次回は更識姉妹の仲直り、そして…… 
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