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Blue Rose

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第十五話 変わる為にその十二

「周囲の好奇の目をかわす為に」
「身を隠すんだね」
「そう、貴方もそれでいいわね」
「その方がいいね」
「だからいいわね」
「うん、僕高校の間はね」
 優子の言葉に頷いてだ、優花は返した。
「長崎にいるよ」
「女の子になるまでは入院というかね」
「そうした場所に隠れるんだね」
「施設の中でも」
 優花が入ることになるその場所でもというのだ。
「貴方のことを知ってる人は僅かよ」
「信頼出来る人だけに」
「そう、知らされてね」
 そうしてというのだ。
「貴方はその中で女の子になるの」
「そうなのね」
「そして女の子になって」
 そしてとだ、優子は優花に話した。さらに。
「長崎の高校に通うの」
「三年間」
「その間一人だけれど」
「うん、僕はね」
 それこそとだ、姉に返した。
「長崎にいるから」
「時々行くわね」
「楽しみに待ってるわよ」
「うん、それじゃあね」
「その時も宜しくね」
「お土産も持って行くから」
「二人で長崎の街にも行くんだね」
 優花は長崎の街のこともだ、姉に話した。
「そうなるんだよね」
「そうよ、長崎の街もね」
「一緒に回って」
「楽しみましょう」
「そうね、じゃあその時もね」
「楽しみにしておいてね」
「そうするよ」
 姉に笑顔で応えた、そしてだった。
 優花は長崎に行く決意をあらたに固めた、長崎では一人だったけれど一人ではない。そのことを頭の中に入れてだ。そのうえでこれからのことを考えていた。
 そのうえでだ、龍馬にも話した。
「長崎楽しみだよ」
「あそこはいいよな」
「うん、前にも話したけれどね」
「それに海だってな」
「そうそう、長崎は港だからね」
 元々港からはじまった町だ、江戸時代には出島があり平戸と共に外国と貿易が行われていた場所であったのだ。
「海があってね」
「奇麗でな」
「いい場所だね、あとね」
「あと?」
「長崎からは離れてるけれど」
 それでもとだ、優花は龍馬にさらに話した。今は二人で下校の時に百貨店にいてそこで二人で話をしているのだ。
「佐世保もあるね」
「ああ、軍港のか」
「今は海自さんの基地があるけれど」
「海軍の基地でな、あそこも」
「港町なんだよね」
「あそこにも行ってみるか?」
「同じ県でも離れてるけれどね」
 だから行き来にはわりかし難がある、長崎と佐世保は距離があるのだ。 
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