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オズのボタン=ブライト

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第五幕その二

「僕あれ大好きなんだよね」
「色々出来るからね」
 神宝もその牡蠣フライを食べつつ言います。
「楽しいんだよね」
「じゃあ明日はズボンを穿いて」
 恵梨香も乗り気になっています。
「行きましょう」
「私もこの服じゃなくてね」
 ナターシャは今も黒のゴスロリです、ですが明日はというのです。
「ズボンで行くわ」
「さて、明日はどんな遊びになるのか」
 カルロスもかなり楽しみにしています。
「そう思うだけでうきうきしてくるよ」
「じゃあ僕もね」
 最後に言ったのはボタンでした。
「明日は皆と一緒にピクニックだね」
「そしてアスレチックだよ」
 カルロスはボタンにも言いました。
「楽しみにしていてね」
「そうするね」
「明日はまず朝御飯を食べてじゃ」
 王様のお言葉です。
「そして皆で出発じゃ」
「持っていくものは何もなしね」
「お弁当はあっちにあるのじゃからな」
 オズマにすぐに応えます。
「だからな」
「何も持って行かないでね」
「軽い出発じゃよ」
 何も背負ったり手に持ったりせずにというのです。
「楽しく歩いて行くぞ」
「それじゃあね」
「さて、ではな」
 さらに言う王様でした。
「明日のことを楽しみにして寝ようぞ」
「王様はいつも明日のことを楽しみにしてるね」
「今日のことを楽しんでじゃな」
「うん、そうだよね」
 ボタンは王様に尋ねるのでした。
「いつもそうだよね」
「うむ、実際にな」
 王様もボタンのその指摘を否定しません。
「わしは一日が終わる時には明日のことを楽しみにしておる」
「今日のことを楽しんでだね」
「そうしておるぞ」
「つまり毎日が楽しいんだね」
「毎日楽しんでおるぞ」
 実際にというのです。
「御前さんが言った通りにな」
「やっぱりそうなんだね」
「こうして楽しい楽しいと思うことがいいんじゃよ」
「それだけでだね」
「本当に楽しくなるからもう」
「そうなんだね」
「それこそ何でもな」
 まさにというのです。
「だからよいのじゃ」
「成程、わかったよ」
 ボタンも頷きます、そしてでした。
 王様はこの日もでした、楽しく思っているのでした。ボタンはその王様についてお風呂の中でカルロス達に言いました。
「王様とは何度もお会いしてるけれどね」
「いつもだね」
「うん、ああしてね」
 実際にというのです。
「楽しく思ってるんだよ」
「それが王様だね」
「楽しく思っていて楽しく過ごしてる」
「そういう人だね」
「楽しくないって思ってる王様はね」
 それこそというのです。 
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