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Blue Rose

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第十五話 変わる為にその五

「そうした作曲家もな」
「知らないよね」
「ちょっとな」 
 首を傾げさせての返事だった。
「どうもな」
「そうなんだね」
「ああ、悪いけれどな」
「悪くないよ、ただその歌はカラスよりも」 
 さらにというのだ。
「他の歌手の方がいいかもね」
「具体的には誰がいいんだ?」
「ミレッラ=フレーニかな」
 優花は首を少しだけ左に傾げさせてこの歌手の名前を出した。
「この人かな」
「アルファベットの読みで探せばいいか」
「うん、イタリアの人だから」
 優花はさらに話した。
「そのままローマ字読みだからわかりやすいと思うよ」
「ああ、あったぞ」
 龍馬はその歌手をすぐに見付けた。
「じゃあこの人で聴くか」
「そうするといいよ」
「それじゃあな、しかし御前美術だけじゃなくて音楽にも詳しいだな」
「好きだからね」
 そのクラシックの音楽をというのだ。
「だからなんだ」
「それでか」
「まだ勉強しはじめだけれどね」
「オペラの世界も奥が深いんだな」
「相当深いよ」
 実際にというのだ。
「色々な作品と作曲家と歌手がいるから」
「だからか」
「うん、そこに指揮者とオーケストラもあって」
「オーケストラもか」
「凄いのがオペラじゃなくてもウィーンとかベルリンとか」
「ウィーンはな」 
 この都市の名前を聞いてだ、龍馬も感じ取った顔で言った。
「有名だよな」
「音楽の都だからね」
「やっぱりそこのオーケストラは違うか」
「世界一か二か」
「二番か?」
「ベルリンも凄いからね」
「あそこもか」
 ベルリンについてはだ、龍馬は今知ったといった返事だった。
「凄いんだな」
「どっちもそうそうたる顔触れの指揮者がいたしね」
「そうなんだな」
「ウィーンと一緒でね」
「どっちにしてもドイツ系だな」
「クラシックはドイツ系が強いよ」
 何といってもというのだ。
「それからイタリアとかフランスかな」
「そんな感じか」
「オペラだとイタリアが第一だけれどね」
「やっぱり本場だからな」
「そうなんだ、歌手はスペインの人も多いけれどね」
「スペインは同じラテン系だったな」
「そうだよ、言語の関係でね」
 イタリア語とスペイン語は方言位の違いでしかない、このことはポルトガル語やフランス語にしても同じだ。どちらもラテン語から生まれた原語である。
「すぐに歌えるし、それにね」
「まだあるんだな」
「スペインにはサルエスラってあるから」
「それ何だ?」
「スペイン語のオペラみたいなものだよ」
 わかりやすくだ、優花は龍馬に話した。
「そうしたのがあるから」
「だからか」
「うん、オペラも有名な歌手多いんだ」
「スペイン人のか」
「ドミンゴとかもいてね」
「ドミンゴは俺も知ってる、世界的な歌手だな」
「オペラ界のトップスターだよ」
 長きに渡ってだ、まさにオペラ界の至宝と言っていい。
「その人もスペイン人だしカレーラスもそうだしね」
「ああ、その人の名前も聞いたことあるな」
「この人も凄く有名だからね」
 やはり世界的なスターであった、ドミンゴよりも前に引退したが。 
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