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デュエル・マスターズ~龍を使役する少年の物語~

作者:ガタック
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第3話:いきなりライバル対決!? モルトvs龍牙っ!!

 
前書き
 お待たせしました。
 今回はタイトル通りモルトと龍牙の対決です。
 それでは第3話どうぞ! 

 



 あれから時間が経過し、現在昼休み。

 突然勝達のクラスに転校してきた紅蓮モルト、黒炎龍牙、白井アイラの三人は現在お昼を一緒に過ごしていた。

「それにしても、驚いたな~。まさか二人と同じクラスになるなんて…」
「ほんとっ、ビックリだね」

 モルトの言葉に同意するアイラ。どうやら彼らはこの学校に転校することも同じクラスになることも知らなかったようだ。

「俺は事前に聞いていたからそこまで驚いてないがな」
「嘘つけ!校門の前と校長先生と担任の幸先生の呼び出しに驚いていたクセに!」
「誰がいつ驚いていた?」
「テメエぇ、何都合よく忘れてやがるッ!」
「ちょっと二人供!教室の中で喧嘩しないの!」
「誰がいつ喧嘩を始めた?コイツが勝手に突っ掛かってきただけだぞ?」

 モルトが龍牙の顔面に近づけるもそれを見たアイラは二人の間に入り止めるも龍牙は軽く挑発しそれを聞いたモルトはブキッ!と頭の血管がついにキレた。

「おい!龍牙!表に出ろ!そこであの時の決着をつけてやるッ!」
「上等だ!ここで貴様の息の根を止めてやるッ!」
「ちょっと二人供!ここ、学校だから喧嘩はダメだよ!」
「心配するな、アイラ。コイツで片付ける!」

 デュエマのデッキケースを取り出しながら龍牙はそう言いそれを聞いたモルトは自身もデュエマのデッキケースを取り出す。

「おもしれぇ!それならこっちは新しいデッキで勝負だ!」
「フッ、返り討ちにしてくれる!」
「いくぜッ!」

「「デュエマ・スタート!!」」

 先攻モルトの1ターン目。
 モルトはマナを1枚貯めてターンを終え龍牙のターンに移り龍牙もマナを1枚貯めてターンを終える。

「オレのターン!ドロー!」

 2ターン目。再びモルトのターンに移りモルトは山札からカードを1枚引き手札から1枚マナに貯めて、その2枚を横向きにタップし手札から1枚のカードを取り出す。

「《一撃奪取(スタートダッシュ) トップギア》、召喚!」

 取り出したカードをバトルゾーンに出しバトルゾーンに出た“そいつ”は姿を現す。
 現れたのは右手にボーガンを持ち人の姿をした無法者《一撃奪取 トップギア》。
 その能力はバトルゾーンに存在する限り一体目の火のクリーチャーの召喚コストを1下げる能力。所謂コスト軽減クリーチャーだ。

「ターンエンド!」

 トップギアを出したモルトはターンを終え龍牙のターンに移る。

「俺のターン、ドロー」

 ターンに移ると同時に龍牙は手慣れた手つきでカードを引きマナチャージ、タップ、そして―――

「《一撃奪取(スタートダッシュ) ブラッドレイン》を召喚」

 ―――クリーチャーを召喚。
 現れたのはどこどの西部劇に出てくる帽子を被ったおっさん。おっさんと言っても中年位のおっさんであり、銃の代わりに何やらくびもとにこの世に存在しない生物を飼っている。
 トップギアと同じ無法者《一撃奪取 ブラッドレイン》。
 その能力はトップギアの闇版と言えば話が早い。

「俺はこれでターンエンド」
「オレのターン!ドロー!」

 モルトのターンに移ると同時にモルトは気合いを入れてカードを引きマナに貯めて2枚をタップ。

「トップギアの能力でコストを1下げて《爆炎シューターマッカラン》を召喚!」

 現れたのはトップギアと同じ人の姿をした炎のマントと少し変わった剣を持った特徴的な男《爆炎シューターマッカラン》。
 その能力はバトルゾーンに出た時、マナゾーンに火のカードが3枚以上あれば、相手のクリーチャーを1体選んで強制的にこのクリーチャーとバトルする能力。

「マッカランの能力でブラッドレインとバトル!」

 モルトの叫びを合図にマッカランは走り出しブラッドレインに急接近し剣を降り下ろす。
 対するブラッドレインは左腕で防ぐもマッカランの剣がそれを無にするかのように腕ごとブラッドレインを真っ二つに切り倒す。

「チッ…!」

 倒されたブラッドレインを見て龍牙は舌打ちしブラッドレインを墓地に置く。

「まだまだ!《凶戦士ブレイズ・クロー》を召喚!」

 続けてモルトは手札からクリーチャーを召喚。
 現れたのは蛇を模した姿《凶戦士ブレイズ・クロー》。
 その能力は毎ターン攻撃しなければならない能力。

「そして、トップギアでシールドブレイクッ!」

 指示を出すと同時にモルトはトップギアをタップし龍牙のシールドに攻撃。

「トリガーはなしだ…」

 攻撃されたシールドを見て龍牙はそう言う。

「(よしっ!次のターン、うまくいけば龍牙のシールドを一気に3枚ブレイクできる!)ターンエンド!」

 流れが自分に来ていることに確信したモルトはターンを終える。

 龍牙の3ターン目。
 バトルゾーンを空にされ、挙げ句の果てにはシールドを1枚割られた龍牙は静かにカードを引きマナを貯めて3枚全てタップ。

「《西部人形ザビ・バレル》を召喚…」

 龍牙はあらゆる銃を持った人形《西部人形ザビ・バレル》をバトルゾーンに出す。

「ザビ・バレルの登場時効果で手札を1枚捨てろ…」
「くっ…!」

 最後の1枚を捨てられたモルトは歯を食い気張る。
 どうやら捨てられたカードは次のターンに出す為のカードのようだ。

「ターンエンド…」

 モルトの4ターン目。
 モルトはカードを引き、引いたカードをマナに貯める。

「マッカランでシールドブレイク!」
「通す…」

 マッカランの攻撃でシールドを1枚割られた龍牙はそのシールドをめくる。

「S(シールド)・トリガー!呪文《デーモン・ハンド》!その能力でお前のトップギアを破壊!」
「くっ…!」

 逆転を呼ぶ奇跡の力、S・トリガーがめくられ、まだ攻撃してないトップギアに悪魔の手が握り締めトップギアを破壊し、墓地に置く。

「ブレイズ・クローでシールドブレイク!」
「ザビ・バレルでブロック!」

 それを見たモルトは続けてブレイズ・クローで攻撃するもそれを防ぐかのようにザビ・バレルが前に阻み銃を無数に発射し、ブレイズ・クローを倒し、墓地に置く。

「ッ、ターンエンド…!」
「俺のターン!ドロー!マナをチャージ、4マナで《白骨の守護者ホネンビー》を召喚!」

 龍牙の4ターン目。
 龍牙は骨をモチーフにした紫の守護者《白骨の守護者ホネンビー》をバトルゾーンに出す。

「登場時効果で山札の上から3枚を墓地に置き、墓地からブラッドレインを手札に!」

 ホネンビーがバトルゾーンに出たことで龍牙の山札の上から3枚を墓地に置き、マッカランで倒されたブラッドレインを墓地から手札に加える。

「なッ!?《ヘルボロフ》!?」

 墓地に置かれたカードを見て絶叫するモルト。
 何故なら墓地に置かれたカードの中には龍牙の切り札《極・龍覇 ヘルボロフ》がいたからだ。

「次のターン、俺は切り札を出す」
「………」

 墓地にある自身の切り札を見て龍牙はそう言う。
 恐らく、殿堂カードの《インフェルノ・サイン》を使うのだろう。
 そう考えたモルトは何も言わず黙り込む。

「そして、その次のターン、お前は負ける…」
「まだだ!まだ、デュエマは終わってねぇ…!」
「そうかい、ターンエンド!」















 話は遡り、学校の屋上。

 そこで勝と拓真の二人は一緒にお昼を過ごしていた。

「なぁー、勝」
「何、拓真」
「何であの人の申し出を断ったんだ?」
「………」

 拓真の問い掛けに勝は黙り込む。
 なぜ、あの人―――モルトの申し出を断ったのか?拓真は疑問に想い勝に問い掛けるも勝は顔を伏せる。

「別に答えろとは言わねぇよ。ただ、疑問に思ったからよ…」
「そう……」

 勝は考える。あの時、本当に断って良かったのか、と。
 もし、あのまま受けていたら毎日楽しい日々が続いていた筈だが……。

(やめよう……)

 そこまで考えると勝は弁当を片付けて立ち上がり教室に戻ろうと歩き始めた。
 それを見た拓真は勝の後を追い一緒に教室に戻ることにした。















 教室に戻ると何やら大勢の生徒が勝達のクラスに集まっていた。
 よく見ると二年生だけでなく、一年生や三年生の生徒が数名混じっている。

「あッ、兄貴、それに勝さん!」

 すると拓真の双子の弟、『神原 拓斗(たくと)』が勝と拓真の二人に声を掛けて近寄ってきた。

「拓斗、この騒ぎは何だ?」
「兄貴達のクラスに転校生してきた『紅蓮 モルト』と『黒炎 龍牙』の二人がデュエマしてるんだよ!」
「成る程。それでこの騒ぎか…」

 拓斗の軽い説明に拓真は納得し、勝を見る。

「何?拓真」
「見に行かねぇか?あの二人のデュエマ」
「別に……」

 拓真の問い掛けに勝はそっぽ向き、まるで興味なさげでにそう言う。

「素直になれよ。二人のデュエマを見たいって…」
「別に。ただ、早く終わってほしいだけだよ…」
「ったく、めんどくくせぇな!」

 それを見た拓真は勝の手を強引に掴み無理矢理教室の中に入ろうとする。

「ちょっ、拓真!」
「二人の対戦を見てからでも遅くないだろ!」
「な、何言って―――」
「良いから来い!拓斗、お前もついてこい!」
「了解っす!」
「だ、誰か、タスケテェェェェェッ!」















 場所は戻りモルトと龍牙の対戦……ではなく、二人の対戦を見ていたアイラは溜め息を吐いていた。

「全く、うちの男達は……」
「おっ、まだ対戦中だな!」

 するとどこからかアイラの隣に拓真と勝と拓斗の三人が現れた。

「神原君、それに日伍君も…」
「あッ、白井さん、どうもです」
「は、うっと、えっと、その……こ、こんちわ!」
「えっ?その、こんにちは、日伍君。それよりも神原君、そちらの方は?」

 お互いに挨拶を終えた後、アイラは拓真の隣にいる拓斗に問い掛ける。

「俺の双子の弟、拓斗だ!」
「どうも!『神原 拓真』の双子の弟、『神原 拓斗』です!」
「よろしくね、拓斗君♪」
「よろしくっす!アイラさん!」
「あら、ご存じだった?」

 自分の名前を知っていたアイラは少し驚いた顔で拓斗に問い掛ける。

「そりゃあ勿論!世界のデュエマアイドルとして名を残した『白井 アイラ』!
 噂では去年まで善戦連勝していた『紅蓮 モルト』の幼馴染みで、その人と良い関係になっているらしいですが…」
「らしいじゃなくて、もうそう言う関係よ♪」
「なんとッ!?ご本人からの意外な告白!?これはブログにアップせねば…!」
「拓斗、ブログにアップするのは後にしろ。今は二人のデュエマが先だ」
「はっ!?そうでした!興奮してつい、周りが見えなくなっていました!アイラさん、この話の続きはまた後日お願いします!」

 拓真の掛け声で漸く現実に戻った拓斗は未だに対戦中のモルトと龍牙を見る。

 それを見た拓真はアイドルも大変だな、と心の中でそう思った。


 
 

 
後書き
 はい。今回はここまで。

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