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オズのボタン=ブライト

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第三幕その四

「今は宮殿で王様達と遊んでいるそうだよ」
「そうなんですか」
「前からここに来て遊んでいるお客さん達もいるしね」
「今はお客さん多いんですか」
「それで王様も喜んでおられるよ」
 そのリンキティンク王もというのです。
「あの人はお客さんが好きだしね」
「お客さんと遊ぶことがですね」
「好きだからね」
「だから喜んでおられるんですね」
「そうだよ、それで君達も来たら」
 そのカルロス達がというのです。
「余計にね」
「喜んでくれますか」
「絶対にそうだよ、じゃあね」
「はい、中に入れてくれますか?」
「うん、是非ね」
 こうしてでした、兵隊さんは門を開けようとしました。
 お話は前後します、宮殿の中で。
 オズマは手鏡を観てです、ジュリア達ににこりと笑って言いました。
「来たわ、今ね」
「カルロス達がですね」
「ボタンも一緒よ」
 その彼もというのです。
「六人いるわ」
「そうですか、じゃあ皆が来るのを待つんですね」
「そう思ったけれど」
 くすりと笑って言う恵梨香でした。
「ここはね」
「わかりました、あの子達がいる門まで行って」
「あの子達を迎えましょう」
「私達からですね」
「そうしましょう、どうかしら」
「そうですね、私達から顔を出してですね」
「あの子達を少し驚かせてあげましょう」
 これがオズマの提案でした。
「南門まで行って」
「それじゃあ」
「ええ、これからね」
「私達で、ですね」
「それは面白いのう」
 リンキティンク王もお話を聞いて楽しそうに言いました。
「ではわしも行こう」
「王様もなのね」
「いきなりわし等から顔を出してな」
 そしてとです、王様はオズマに楽しく笑って言いました。
「あの子達を驚かせてやろう」
「あら、楽しいこと考えるのね」 
 つぎはぎ娘も乗ります。
「じゃああたしもね」
「私もね」
「あたしも乗るわ」
 エリカもガラスの猫もでした。
「私達から顔を出して」
「あの子達を驚かせてあげましょう」
 こうお話してでした、皆で。
 南門まで行こうとしますが、王子はそこに留まって言いました。
「では僕はここに残ります」
「僕もそうするよ」 
 木挽の馬も言います。
「そうした驚かせることは流儀ではないので」
「ここで皆を待つよ」
「おやおや、こうしたあえてびっくりさせることもな」 
 王様はその王子達に明るく笑って言いました。
「遊びじゃよ」
「そしてびっくりさせてですね」
「そこから一気に皆で遊ぶこともな」
「遊びですか」
「遊びは掴みじゃよ」
 つまり最初からというのです。
「それで上手くいくとな」
「いいというのですね」
「後で波に乗れるからな」
「だから最初からいく」
「そういうことじゃよ」
「驚かせるといってもね」
 オズマが言うにはです。 
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