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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1354話

 ……やっぱり、か。
 アカツキの口から出た言葉に納得の表情を浮かべる。
 いや、木星圏ガニメデ・カリスト・エウロパ及び他衛星小惑星国家間反地球共同連合体……だったか? そんな名前の存在だというのは今初めて知ったし、更に木星蜥蜴……いや、木連だったな。その木連とやらの正体はともかく、何らかの知性を持った存在が無人機の後ろにいるというのは、何となく予想出来ていた。
 最大の理由としては、やはり火星で行われているシャドウミラー実働班の戦いだ。
 シャドウミラーとの戦いで真っ正面から戦った場合は勝ち目がないと判断した木連は、無人機を無為に戦って撃破されたりするのを防ぐ為、実働班と戦うのを避けたりもしている。
 最初にその報告を聞いた時は、無人機なのに対応が柔軟じゃないかとも思ったんだが、今考えてみるとそれは後ろに人間がいたからこそなのだろう。

「……それで、何だって隠してたりしたんだ? 向こうが生きている人間だと知っていれば、こっちにも幾つか打てる手があった。それを無為に使わせなかったんだぞ?」
「仕方がないのさ。ここまで言ったからには全てを言うけど、そもそもの原因は100年程前に月で起きた独立運動だ。それについては知ってるかい?」
「ああ、この世界に来た時に図書館で調べられる程度の歴史は調べたからな」
「そうか。けど、当然ながら物事には隠された真実というものがあったりする」
「それが木連とやらの正体な訳か」

 俺の言葉に、アカツキが疲れたように頷くと口を開く。

「100年前に起きた月の独立運動。それは内部分裂して最終的に独立運動は終息した……とあったんじゃないかい?」
「そんな具合に書かれていたな」
「それは間違っている訳じゃないけど、正解って訳でもない。そもそも独立派の内部抗争は当時の連合軍が企んだ分裂工作だったんだよ。ちなみにその工作にはネルガルを含めて当時幾つかの企業が協力していたらしいね」
「それは……こう言っては何だが、よくあるとは言わないけど、皆無って訳でもないだろ?」

 敵対する勢力をどうにかしたいと思ったら、その戦力を減らす為に分裂工作を仕掛ける。
 それは時々聞く話だ。
 だが、そんな俺の言葉にアカツキは頷き、言葉を続ける。

「そうだね。それだけであれば、確かに隠す必要はあるけど、絶対人に話せないという訳でもない。けど、この話には続きがあるんだ。独立派が内部分裂し、最終的には穏健派とでも呼ぶべき集団が勝利し、強硬派は月を追い出された。その後、その連中はどうしたと思う?」
「話の流れから考えれば、木星に向かったのか?」
「惜しい。正確には火星。入植が始まったかどうかって辺りの火星に向かった独立強硬派は、そこに拠点を築こうとしたんだけど……」
「けど?」

 微妙に言いにくそうなアカツキに話の続きを促す。

「その、当時の連合軍はどうしても独立強硬派を許せなかったんだろうね。火星に対して核を撃ち込んだ」
「……また、随分と派手にやったな」
「だろうね。僕もそう思うよ。そこまでする必要があったのか、それとも独立を狙う勢力を絶対に許せなかったのか。ともあれ、連合軍としては独立強硬派の存在を文字通りの意味で消滅させた……つもりだった」

 なるほど、話の流れが見えた。

「実は生きていて、火星を脱出。そして木星に向かったって事か?」
「ああ。更に地球にとって厄介な事に、木星には火星古代文明の遺産となるプラントが複数あったらしい。正直、火星古代文明なのに、なんで木星にそんなに大量にプラントを置いて行ったのかは分からないけど、とにかく火星を脱出した独立強硬派はこれ幸いとそのプラントを使って自分達が生き残る為に行動を開始した。それこそ、木連という国を作ってね」
「それだと木連は随分と地球を……具体的には連合軍と連合政府を恨んでいるだろうな」
「だろうね。でも、この戦争が始まる前に木連から使者が来た……らしい」
「らしい?」

 アカツキにしては曖昧な表現に、思わず尋ね返す。
 まだ何かを誤魔化そうとしているのではないか、と。
 だが、アカツキは俺の言葉に小さく首を横に振る。

「残念ながら、そっちの件に僕は直接関わってないんだ。連合政府と連合軍が自分達以外には絶対に情報を漏らさないようにしたからね」
「……その割りには、アカツキは知ってるようだが?」
「人間の全てが情報を絶対に漏らさないって訳じゃないんだよ。金、女、暴力といった風に情報を得る手段は幾らでもある」

 ネルガルがどの手段を使ったのかは、問わない。
 ネルガル程の大企業になれば、当然後ろめたい事だって色々とあるだろう。
 遙かに規模の小さいシャドウミラーですら、色々と表沙汰に出来ないような事はこれまで幾度となく行ってきている。
 そう考えれば、アカツキが情報を得た手段を責めるつもりはない。

「ま、いい。情報の出所は問わないとして……それで? 木連からの使者は何と? 当然何らかの要求を持ってきて、その上で決裂したんだろ?」

 決裂してなければ、この戦争はそもそも起こっていないのだから、その辺は確実だろう。

「そうだね。こっちも伝聞となるけど、向こうが持ってきた要求は幾つかある。けど、その中で最も大きかったのは、やっぱり100年前に連合軍と連合政府が月でやった事……そして火星に核を撃ち込んだ事を明確にし、それに対して木連に謝罪と賠償をするというものだった」
「飲めないよな」
「そうだね。連合軍にしろ連合政府にしろ、そんな真似をすれば何人の首が切られる事になるのやら。当事者はもう誰も生きてないけど、大スキャンダル……なんて言葉では言い尽くせない程の騒ぎになるのは間違いない。その結果、連合軍も連合政府も支持率は大幅下落して、世界中から白眼視される事になる」
「寧ろ、それで済めば御の字だろうな」
「あはは。そうかもね。それと、火星を自分達に寄越せというのも連合軍や連合政府にとってはとても受け入れられるものではなかったんだろうし」
「100年で入植も進んだからか?」
「そう。入植の件もようやく一段落して、徐々に地球にもその恩恵が行き渡り始めたところだったんだ。とてもじゃないけど火星を木連に譲渡するなんて訳にはいかなかったんだろうね」

 ……なるほど。そういう意味では、SEED世界のプラント独立に似ているところもある訳か。もっとも、細かいところは当然色々と違うが。

「で?」
「うん。連合軍と連合政府は、このままでは自分達の……正確には過去のだけど、スキャンダルが暴かれると思ったんだ。そうなった時に地位と権力のある人がどうするか。それは、アクセルも予想出来るんじゃないかい?」
「一番手っ取り早いのは、その使者とやらを闇に葬ることだろうな。ただし、そんな真似をすれば……」

 そこで言葉を止めると、アカツキは我が意を得たりとばかりに頷く。

「そう。当然向こうにしてみれば絶対に許せる事じゃない。当然だよね。で、その結果が木星蜥蜴の襲来という訳だ」
「この戦争は、下らない面子と利権の為で始まったのか。……浮かばれないな、特に火星の連中は」

 ナデシコの面子で言えば、アキト辺りがそれを知れば暴発するのは間違いない。
 何しろ、フクベを殴った経歴の持ち主だしな。
 イネス辺りはあまりその辺を気にしないようだけど、火星に残ってネルガルの研究所……というか、ゲート周辺に住み着いている生き残りが聞いたらどんな反応をするものやら。

「そうだね。他の人が聞けば色々と大きな問題になるのは間違いない。だからこそ連合軍も連合政府も、今更その件を公には出来なくなったんだろうね」
「向こうから差し伸べてきた手を振り払って、それどころかその手の持ち主を殺したとなれば……この戦争の終わりはどうなると思う?」
「少し前までなら、木連の攻撃を耐えるしかなかったけど、今はナデシコ級がある。そしてナデシコが火星で君達から譲って貰ったカトンボの相転移エンジンがあるし、連合軍が君達から購入する予定の相転移エンジンもある。それがあればナデシコ級の量産も可能だし……分かるだろ?」
「逆侵攻、か」
「まあね。今までは向こうの兵器の性能が高くて、こっち側は防戦一方だったけど、今はこっちにも向こうに有効なダメージを与える事が出来るだけの戦力があるんだから。それに木連はどうしても人数が少なくて、その上資源だって多分限られている筈だ。そうなると、国力の差で最終的に自分達が勝つ……というのが、お偉方の予想というか、展望だね」
「いや、お前も十分お偉方だろ」

 ネルガルの規模を考えれば、寧ろアカツキよりお偉方と呼ぶべき人物が他に何人いるのかという事になると思うんだが。
 そもそも、木連の無人機に対して有効なダメージを与える方法は、今のところグラビティブラストしかない。
 いや、エステバリスもいたか。ただ、一度に広範囲に攻撃出来るという意味では、やっぱりグラビティブラストだろう。
 もっとも、そのグラビティブラストも木連側がディストーションフィールドを使用するようになった以上、決定打とは言えないのだが。
 ただ、国力が大きい連合軍に対して木連がどこまで対応出来るかだな。
 正直なところ、シャドウミラーと似たような存在である木連に対しては共感がある。
 少人数で敵より高い技術力を持っているところとか、シャドウミラーそのままだろう。
 まぁ、木連の方が恐らく人数は多いんだろうし、技術力は何だかんだとシャドウミラーの方が上だというのはあるが。
 それでもやっぱりアカツキからの話を聞く限りだと、シャドウミラーが手を組むのは連合軍じゃなくて木連って気がしてくるんだよな。

「あー……ちなみに、本当にちなみにだけど。アクセルってナデシコに乗っているヤマダ・ジロウ君とは仲がいいんだっけ?」
「何だ急に。いや、別に話はするけど仲がいいって程じゃないな。あの暑苦しさがあまり俺とは合わないし。寧ろヤマダと仲がいいのはテンカワの方だろ」
「テンカワ君、ねぇ。彼も色々興味深い存在ではあるんだけど……」

 何だか意味ありげな様子のアカツキ。テンカワに何かあるのか?
 いやまぁ、テンカワは火星出身なんだから、火星と縁の深いアカツキにとっては色々と何かがあるんだろうが。

「まぁ、テンカワ君の件はともかくとして、だ。僕自身は会った事がないから何とも言えないんだけど、仕入れた情報によると木連の使者というのはヤマダ君をより濃くした性格をしているらしい」
「……ヤマダを?」

 脳裏にヤマダの姿が過ぎる。
 今はそうでもないが、俺がナデシコに乗り込んだ時にはかなり絡まれた覚えがある。
 一緒に戦って実力を見せてもそれは変わらず、最終的には模擬戦で圧倒的な実力を見せつける事により、ようやく無駄に絡んでこなくなった。
 いやまぁ、どちらかと言えば、実力を思い知らせてへこませた後でメグミと付き合うようになったからってのも大きいのかもしれないが。

「そう。まぁ、今も言ったけど、僕が実際に会った事がある訳じゃないからなんとも言えない。でもこっちに入って来ている情報によると、そんな感じだね。何て言えばいいのか……そう、ヤマダ君が好きだというゲキガンガーだったかな。そういうのに出てくるような性格だったらしい」
「……木連全体が、か? ……マジか」
「大マジ」

 つまり、ヤマダよりも濃い奴が相当数いるって事になるんだが……正直、そんな連中とやり合うというのはあまり面白い未来は見えないな。
 さっき木連に共感を覚えるとか思ったけど、待遇とかそういうのに共感を覚える事があっても、実際には積極的に好んで付き合いたいとは思えない。
 まぁ、ああいうタイプは一度仲良くなれば、とことんまで信頼してくれそうだって思いはあるけど、それでも1人2人ならまだしも、木連全体がヤマダだと考えると……
 もしこれが、アカツキの俺と木連を接触させようとしない為の策謀であるとすれば、かなり功を奏している。
 ……それでも、やっぱり今回のナデシコ世界への介入の件を考えると、一度は接触する必要があるよな。
 いっそエザリアとかに任せるか? いや、でもシャドウミラーの代表として木連との接触はしておきたい。
 特に俺達の目的がヤンマの生産プラントである以上、奪うにしろ、譲渡してもらうにしろ、向こうと会っておく必要はあるのだから。

「取りあえず、僕が知ってる木連についてはそんなところだね。……それで、このクロッカスはどうするつもりだい?」
「連合軍に返すさ。向こうが何かを言ってくるかどうかは分からないけどな」

 知りたかった情報の大半をアカツキから入手した以上、連合軍に対して無理をする必要はないしな。
 そう思いながら、取りあえずクロッカスを空間倉庫の中へと戻すのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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