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Blue Rose

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第十三話 人間だからその一

                 第十三話  人間だから
 優子にだ、院長は自分の部屋で彼女自身から状況を聞いた。そのうえで微笑んでこう言ったのだった。
「うん、よかったね」
「はい、あの子にはです」
 優子は院長の席の前で立って院長に微笑んで話していた。
「私がいてです」
「彼もいるのですね」
「親友も」
「二人もいますか」
「そうです」
「学園でもですね」
「頼りになる人がいます」
 友人としての彼がというのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「安心してです」
 それで、というのだ。
「弟はやっていけます」
「そうですか、ですが」
「それでもですか」
「はい、油断はされないで下さい」
 用心して、という言葉だった。
「こうした話は中々です」
「隠しきれるものではないですか」
「はい」
 院長は優子に確かな声で告げた。
「世の中とはわからないものです」
「隠していてもですね」
「何処からか噂が出てしまいます」
「ですが弟のことを知っているのは」
「はい、私達だけです」
 病院では院長とレントゲン科の主任、それに優子だけだ。そして友人としては龍馬だけだ。限られている者達だけだ。
 しかしだ、それでもというのだ。
「限られた人だけが知っていても」
「その誰もが言わなくても」
「漏れるものです」
「それが世の中ですか」
「はい、そしてです」
「その噂をですね」
「ならず者が嗅ぎ付けるものです」
 そうなるというのだ。
「イエロージャーナリズムといいますか」
「よくある話ですね」
「イエロージャーナリズムはジャーナリズムですが」
 それでもというのだ。
「悪質なものです」
「ジャーナリズムといっても色々ですね」
「そうです、そのことは先生もご存知ですね」
「そのつもりです」
「ネットでも噂に出たりします」
「インターネットですか」
「インターネットは尚更です」
 イエロージャーナリズム以上にというのだ。
「良質なものと悪質なものが混合しています」
「自由な場であるが故に」
「噂も非常によく出て」
「その噂の中にはですね」
「書き込む者が知ってか知らずかです」
「真実を書いている」
「そうしたこともあります」
 真剣かつ深刻な顔でだ、院長は優子に話した。
「そしてその噂がです」
「ならず者に嗅ぎ付けられ」
「騒がれることもあります」
「そこにですね」
「注意しなければなりません」
 絶対にという言葉だった。
「くれぐれも」
「左様ですか」
「はい、十二分にです」
「注意が必要ですね」
「そして注意しても」
 それでもというのだ。 
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