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異世界系暗殺者

作者:沙羅双樹
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パーツ・ウォウBクラス:ディスク・3時間目

 
前書き
こんにちは、こんばんは。そして、おはようございます。沙羅双樹です。

今回は(バトル)組ではなく、観戦組視点となっています。

しかも、初の殺センセー視点。原作で主人公であるにも拘らず、本作では殆ど喋る機会が無い殺センセーを語り部にしてみました。
(と言っても結局の所、あまり目立ってもいないんですが……)

あと、今回で空席となっていた炎の王が確定していました。これで原典である8人の王の内4人が埋まりました。あと4人ですね。 

 



【視点:殺センセー】



おや?今回は私が語り部ですか?珍しこともあるものですね。まぁ、私の様なイケメン教師が今まで語り部にならなかったことの方がおかしかったとも言えますが……。

ヌルフフフっ。それではこのイケメンカリスマ解説者の殺センセーが超体育館で行われているパーツ・ウォウBクラス:ディスクの解説をしたいと思います。

まず、1セット1プレー目は渚君達挑戦者側が先制点を取りました。木村君が炎分身を――あっ、違う!速水さんのα電磁波の幻覚だ!!

速水さんの幻覚に騙されたカルマ君が無数の小型牙を放っていましたが、それも杉野君――じゃなくて、α電磁波で杉野君に見えていた寺坂君に防がれ、超臨界流体の壁を――

あっ!杉野君が流れ弾ならぬ、流れ牙を返して、渚君と木村君がイッキ君の足止めをして、速水さんがタッチダウンした!なんか……、なんか凄い(バトル)だーーー!!

2プレー目は正規実用型疑似玉璽(プロダクション・サブレガリア)を持つ王組も本気になった様で影技(シャドウ)というものが何故か私にも見えました。

イッキ君はなんか阿修羅の様な狐で、神崎さんは和装っぽい美女?カルマ君は大きな狼でしたね。磯貝君は竜に跨った騎士で、前原君は大剣を持った黒魔術師でしょうか?片岡さんは貴族っぽい金髪ロリでしたね。

そして、試合が再開されるとイッキ君達は容易く渚君達の横を抜けて行きました。クラス内でも敏捷性のある杉野君が進路妨害役として自陣の手前にいましたが、イッキ君に呆気なく背後を取られました。

そこからの攻防は驚きの連続です。イッキ君が杉野君を気絶さたかと思えば、カルマ君がその杉野君に牙を放ったんですよ!しかも、大型牙を2つ交差させた超獣の牙です。

あれをまともに食らえば、私でもダメージを負うでしょう。そんな牙から杉野君を救ったのは速水さんで、けど、牙はイッキ君に倍返しで弾き返され、速水さんと杉野君、寺坂君、岡野さんが一網打尽にされそうになって、それを渚君が防いで――――。

兎に角、これも……。これも凄い(バトル)だーーー!!と――――


「こんな感じでしたね」
「「「「「「「「「「実況解説する気があるなら、もっと臨場感あるのにしろ!!見たことそのまま口にしてるだけじゃねぇか!!!」」」」」」」」」」
「にゅやッ!?」
「まぁまぁ、皆落ち着きなよ。先生の実況下手なんてどうでもいい情報より気にすることがあるでしょ?」
「ちょっ、中村さん!?どうでもいいとか、先生傷付きますよ」
「確かに、殺センセーの実況下手より気になることはあったな」
「菅谷君!!?」
「ああ。まさか、渚にあんな熱い一面があったなんてな」
「普段がバリバリ草食系だから、マジで驚いたな」
「吉田君、村松君!先生を無視しないで下さい」
「でもさぁ、別に驚くことでもないんじゃない?」
「なんでだよ、不破」
「だって、渚君は炎系暴風族(ライダー)じゃん。しかも、今は木村君と同じ王候補。炎の王に必要な絶対条件は―――」
「全てを溶かす情熱、だったな。ってことは、E組(ここ)の炎系暴風族(ライダー)の中で炎の王に最も近いのは渚ってことか?」
「まぁ、影技(シャドウ)を出せたくらいだしな。ってか、木村と吉田も炎系暴風族(ライダー)だったよな。もしかして、吉田も隠れ熱血キャラなのか」
「はぁ?岡島、何言って―――」
「吉田君は渚君みたいに外に出すタイプじゃないわ。どちらかというと内は熱く、外はクールってタイプかしら」
「おい、原。何勝手なこと言ってんだ」
「あー。言われてみれば、吉田ってそんなキャラだわ」
「中村、いい加減にしろよ。女でもぶっ飛ばすぞ」


……皆さん、楽しそうですね。でも、先生を無視するのはどうかと思います。本当、無視は勘弁して下さい。先生泣いちゃいますよ?


「うおっ!?いつの間にか床が粘液塗れに!!?」
「殺センセーが粘液垂れ流してるよ!!」
「また鼻粘液かよ!?ってか、何で粘液垂れ流し!!?」
「粘液のことが分からない人は原作:暗殺教室6巻(絶賛発売中)47話を見てね!あと、TVアニメ暗殺教室FINAL SEASON(絶賛放送中)もよろしく!!」
「不破さん!?ここで原作&アニメ紹介とか、露骨過ぎるよ!!」
「あっ!映像商品の告知を忘れてた。異世界系暗殺者55話「大人の時間・2時間目」までは、TVアニメ暗殺教室1st SEASON(DVD&BD絶賛発売中)で原作の流れが大体分かるから、映像で見たい人はGE●やTUT●YAで借りて見てね!」
「だから、露骨過ぎるって!!!」
「これは鼻粘液ではなく、涙粘液です。鼻粘液と違ってネッチョリ感が軽いでしょう?」
「「「「「「「「「「相変わらず紛らわしい上、知るか!あと、ネッチョリとか気持ち悪い言い方するな!!」」」」」」」」」」
「にゅやッ!?そんな怒鳴らなくてもいいじゃないですか。先生、皆さんに無視されて寂しかったんです!先生みたいな小動物は寂しい思いをすると死んじゃうんですよ?」
「「「「「「「「「「お前のどこが小動物だ!ってか、その程度で死ぬならこっちは殺すのに苦労してないわ!!」」」」」」」」」」


超体育館2Fの観客席にいる生徒全員からツッコミを入れられてしまいました。まぁ、皆さんの言う通り寂しさのあまり死ぬということはありませんが、寂しい思いをしていたことに違いはありませんよ。

と、そんなことよりそろそろ3プレー目が始まりそうですね。このパーツ・ウォウ、見物するだけでも生徒達が得られるものは大きいでしょう。


「皆さん、そろそろ3プレー目が始まりそうです。見るだけでも得られるものがあるので、一瞬も見逃さない様にしましょう」
「「「「「「「「「「急に仕切り出すな!!」」」」」」」」」」


私の言ったことにそう返答しながらも、イッキ君達から視線を外さない生徒達。学べることは何でも学ぼうとするその姿勢は私がE組(ここ)に来た当初、彼らには無かったものだ。だからこそ、私は彼らを誇らしく思える。


「やはり、3プレー目もイッキ君達が優勢ですね。指揮官は片岡さんでイッキ君が参謀といった所でしょうか。彼女の意を酌んで、磯貝君達に上手くディスクをリリースしている」
「けど殺センセー、渚達も良く動いてると思うけど。何であんな一方的な試合展開になる訳?やっぱ、A・Tの性能?」
「中村さんの言う通り、A・Tの性能や技量も試合展開に影響しているでしょう。ですが、それだけではありませんね」
「「「「「「「「「「え?」」」」」」」」」」
「以前、イッキ君と律さんから聞いたことがあります。(バトル)の勝敗を決める要素は暴風族(ライダー)の実力が4、A・Tの性能が4。残りの2は運と勢い、であると。
イッキ君達のチームは運良く指揮官役と参謀役が居る為、試合展開にも勢いが付く。対する渚君達のチームは指揮官役が速水さんの様ですが、運悪く参謀役がいない。
視野が広く参謀役を熟せそうなのは杉野君と渚君ですが、杉野君は神崎さんの件もあってイッキ君と対峙している現状では参謀としては役に立たないでしょう。今の彼はイッキ君に一撃入れたいという気持ちが先走ってる様ですし」
「「「「「「「「「「確かに!」」」」」」」」」」
「渚君も2プレー目で少しばかり無理をしました。本人が大丈夫と言っても、指揮官役の速水さんが絶対に参謀役にはしないでしょう。残りの3人はどう考えても参謀向きではない。
結局、指揮もキープ&リリースのタイミングも全て速水さんが負担することになってしまう。あれでは勢いの付き様も無い」
「殺センセー、(バトル)を構成する要素が10でイッキ君達が全て満たしてたとしたら、凛香達はどの位なの?」
「そうですね。渚君達は暴風族(ライダー)としての実力が2.5、A・Tが2.5、運と勢いが0.5といった所でしょうか?ただ、この比率も試合中に変化する可能性があります」
「どういうことッスか?」
「渚君を除く他の5人が2プレー目の渚君の様に試合中に化ければ、暴風族(ライダー)としての実力が3以上にはなります。そうなった時はセット間のインターバルに渚君達の疑似玉璽(サブレガリア)を調律する様にイッキ君から言われているんじゃないですか?律さん」
「そうですね。大体は殺センセー言う通りです」
「「「「「「「「「「え?」」」」」」」」」」
「正確には挑戦者――王候補組である渚さん達全員の(バトル)LVが試合中に90を超えれば、インターバル中に渚さん達の疑似玉璽(サブレガリア)を未調整部分を調整して、調律(リンク・チューン)する様に言われています。
というか、その為に私はイッキさん達のチーム側に参加せず、中立の観客になっていた訳ですが……」
「やはり、そうでしたか。ところで渚君達の(バトル)LVはどうなっているんですか?試合が始まってからずっとリードで計測していたのでしょう?」
「……本当に殺センセーは何でもご存じなのですね?」
「いえいえ、何でもは知りませんよ。知っていることだけです」
「……現時点での王候補組の(バトル)LVは岡野さんが86、寺坂さんが82、杉野さんが80。いえ、今82に上がりました」


杉野君の(バトル)LVが上がったのは渚君を狙ったカルマ君の牙を防いで、超臨界流体で反撃したからでしょうか?それとも片岡さんのマークを振り切って渚君のカバーに間に合ったから?


「木村さんは88、速水さんは85ですね。この2人は水晶振動周波(クリスタル・クォーツ)現象を起こしたり、α電磁波で幻影を作ってたことでLVが一気に上がりました。そして渚さんは――」


観戦組の皆さんも渚君の(バトル)LVが気になるのか、試合を見ながらも律さんの言葉を聞き逃さない様にしていますね。


「120。現時点を以って炎の王になることが確定しました」


律さんがそう告げた瞬間、試合が行われている体育館コートでは渚君がキーパーであるカルマ君からディスクを奪っていました。


 
 

 
後書き
という訳で、「祝!渚、炎の王戴冠(?)確定」です。アンケートで渚3票、正義1票となっていたので、渚で決定しました。

同じ炎系の正義には同系列の焔の王になって貰おうと思います。
(原作エア●ギアでいえば、重力子(グラビティ・チルドレン)のアレキサンダー=ロック的なポジでしょうか?もしくは、渚がカズ&スピット・ファイアポジだとすれば、正義はアイオーンポジ)

これで開いている原典系王枠は雷、轟、契、牙の4枠となりました。
(牙はカルマが爪の王となったので空席となっています)

契の王はアンケートの状態を見る限り茅野ちゃんで確定しそうですし、雷の王もイトナ参入後にイトナが務めることになっているので問題なし。

問題は轟の王と新・牙の王です。轟の王アンケートで友人と寺坂の票が同票となっているので、どうしたものか……。

新・牙の王は千葉君でいいかな?とか思ってるんですが、如何でしょう?読者の皆様のご意見もいただけると幸いです。

それでは読者の皆さん、また次話でお会いしましょう! 
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