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BRAVE LOVE

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2部分:第二章


第二章

「何もわからない大海原に出ましたけれど」
「その人類を照らしてくれたのがですね」
「はい、星です」
 今僕達が見ているだ。星達だというのだ。
「この星達に照らされて道標にしてです」
「僕達は銀河を進んでいった」
「そして今に至りますから」
「だからですか」
 そう言われてだった。僕も船員さんの話の意味を理解した。
「星達は希望への灯台なんですね」
「はい、そうです」
「そして」
 その希望の灯台を見ながら。僕はまた船員さんに尋ねた。
「灯台に導かれて辿り着く場所は」
「約束の場所です」
 そこだと。船員さんは答えた。
「人類はそこに辿り着くのです」
「僕もそうなんですね」
「勿論です」
 それは当然だと。船員さんは答えてくれた。
「だからこそ。私達は銀河に出ているのですから」
「そうですね。だからこそ」
「では」
「はい」
 僕は微笑みで。船員さんの言葉に頷いた。
 それからだった。船員さんに対して言った。
「このまま。僕が行くその場所まで」
「行きましょう」
 旅ははじまったばかりだった。けれど星達はずっと僕と一緒にいてくれて僕を照らしてくれた。船は全方位が見えるようになっていて。僕はまさにその星の海の中にいた。その中にいて僕の目指す場所に向かっていた。
 途中ワープもあった。全く星が見えない時もあった。希望が。
 けれどそれでも僕は信じていた。星達はまた僕の前に出て来てくれることを。
 その僕に。船員さんがまた声をかけてくれた。
「寂しくないですか?」
「星達が見えなくてですか」
「はい、それは大丈夫ですか?」
「まて。出て来てくれますから」
 だからいいと。僕は答えた。
「ですから」
「そうですか。だからですか」
「はい、だからです」
 僕の答える顔は笑顔だった。そのことは自分でもわかっていた。
 本当に辛くなかった。例え暗闇の中にいても。それが絶対に終わるとわかっていたから。
 そしてだった。本当にだった。
 何日もかかったけれどそれでも。暗闇は終わった。
 また銀河の大海の中に出て。僕は船員さんに言った。
「希望はいつもあるんですね」
「星はですね」
「はい、暗闇は絶対に終わって」
 絶望しても。それはだった。
「それで希望は」
「そうです。希望はいつもありますから」
「信じていますから」
 そのだ。希望をだ。
「ですから安心していました」
「そうだったんですね」
「ええ。心細くはありましたけれども」
 それでもだった。僕は絶望していなかった。不安ではあっても。
 その僕に。船員さんがこう言ってくれた。
「もうすぐですから」
「終点ですね」
「はい、お客様が目指されているその場所は」
「結構長くかかりましたね」
「銀河の端ですから」
 だからだというのだった。
「やはりそれは」
「そうですね。日本から」
 日本から本当に銀河の端までだ。僕は日本の越後星系に住んでいる。そこから連合の辺境と言ってもいいその場所に向かったのだ。確かに無茶と言えば無茶だ。
 けれどその無茶をあえてして。僕はそこに向かっているのだ。それが遂にだった。
「あそこまで、ですから」
「では。そこに着かれたら」
「彼女に会います」
 そのだ。僕を呼んでくれている彼女に。
 
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