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ドリトル先生北海道に行く

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第十一幕その六

「その時はね」
「うん、寝られなくて」
「冬は山に食べものもないから」
「飢え死にするか疲れきって倒れるか」
「無理に食べものを探してね」
「人のいるところに出てね」
 そしてというのです。
「人の食べるものを漁るしかないよ」
「そうなるね」
「けれど僕お肉やお魚は食べられないし」
 ウルは先生に困ったお顔でお話しました、
「それに人のいる場所まで出たら」
「絶対に駄目だから」
 すぐにシホレさんが忠告しました。
「それは」
「そうだよね」
「若し人里に出たら」
「撃たれるよね」
「私や先生以外の人に近付いたらよ」
「僕達熊はそれだけでだね」
「警戒されて撃たれるから」
 だからというのです。
「そうしたことをしたら駄目よ」
「そうだよね」
「特にウルは物凄く大きいから」
 その身体の大きさもあるというのです。
「凶暴って思われるのよ」
「身体が大きいだけでだね」
「そう、だからね」
「人には近寄らないことだね」
「この山の縄張りにいるのが一番いいの」
「僕にとっても」
「この中でね」
 そうだというのです。
「だから気をつけてね」
「それじゃあ」
「冬眠の為の穴は何とかするから」
 先生がまた言ってきました。
「安心してね」
「それじゃあお願いするよ」
「是非共ね」
「うん、じゃあ今からね」
 早速という先生でした。
「動かせてもらうよ」
「お願いするよ、僕も一緒に探していいかな」
「君もだね」
「誰かに任せて自分は何もしないっていうのはね」 
 ましてや自分のことで、です。
「よくないからね」
「だからだね」
「一緒にね」
 それこそと言うのでした、そしてです。
 先生達は早速山の中を見て回ることにしました、その中で。
 皆は一緒に歩いているウルを見てです、こう言いました。
「しかし本当にね」
「ウルさんって大きいよね」
「そうだよね」
「熊さんは確かに大きいけれど」
「ウルさんはね」
「特に大きいよね」
「ウルでいいよ」
 ウルは皆に気さくに返しました。
「呼び方はね」
「うん、じゃあウルって呼ぶね」
「そうさせてもらうね」
「宜しくね」
 こうお話してでした、すぐにです。
 ウルと皆は打ち解けました、山の中を和気藹々とした感じで歩いていきます。
 その中の中を見てです、王子はこのことに気付きました。
「確かに山菜や木の実が多いね」
「そうだよね」
「これだけ一杯あったら」
「うん、僕もね」
 ウルは王子にもにこにことして応えました。 
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