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ドリトル先生北海道に行く

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第十一幕その四

 ウルは目を瞬かせてです、先生に尋ねました。
「あの有名な」
「僕のことを知ってるのかな」
「動物皆の友達だってね」
「僕は北海道でも有名なんだ」
「そうだよ、それこそね」 
 まさにというのです。
「先生は北海道でも皆が知ってるよ」
「そうだったんだ」
「神戸での噂がね」
 先生についてのそれがというのです。
「この北海道にも伝わっていてね」
「それでなんだね」
「僕もこの山の皆もね」
「僕のことを知っている」
「そうなんだよ」
 まさにというのです。
「その先生にお会い出来るなんてね」
 このことも喜んでいるウルでした。
「棒は幸せだよ」
「じゃあ僕達のこともかな」
「知ってるのかな」
「やっぱり」
「そうなのかな」
「大体わかるよ、そちらの人間の人達は王子とトミーさんだよね」
 ウルは実際に王子とトミーも見て言いました。
「そうだよね」
「うん、そうだよ」
「宜しくね」
「皆が来てくれたのなら」
 ウルはもうすっかり安心しきったお顔になって言いました。
「もう安心だね」
「あら、そうなの」
「うん、この人達はね」
 ウルはシホレさんにも言いました。
「もう僕達動物にとっては天の恵みだから」
「そうした人達だったの」
「そうだよ、ドリトル先生こそはね」
 先生のお話もするのでした。
「僕達にとっては神様みたいな人なんだ」
「そこまでの方だったなんて」
「いや、シホレさんもよくね」 
 それこそというのです。
「先生を連れて来てくれたね」
「たまたまお会いしたけれど」
「その出会いこそがね」
 まさにというのです。
「神様の恵みだったんだよ」
「そうだったのね」
「これはね」
 本当にとも言ったウルでした。
「僕を神様が助けてくれたんだね」
「アイヌの神様達が」
「絶対にそうだよ」
「あれっ、先生はね」
「キリスト教徒だけれど」
 動物の皆はふとこのことを思い出しました。
「宗教違うんじゃ」
「キリスト教だから神様はね」
「ヤハウェの神様で」
「国教会だしね」
「絶対にアイヌの神様じゃないよね」
「そうしたことは日本では殆ど気にしなくていいんだよ」
 先生はいぶかしんだ動物の皆に微笑んで言いました。
「日本ではどんな宗教でも同じだからね」
「だから神仏って言うんだね」
「神様も仏様も同じ」
「そしてキリスト教の神様もなんだ」
「一緒なんだね」
「どちらも」
「そうなんだよ」 
 こう言ったのでした。
「だから日本ではキリスト教の宗派も大した問題じゃないんだ」
「カトリックとプロテスタントも」
「そういえば先生が国教会っていってもね」
「学園の皆も何とも思わないし」
「宗教のことで言われたことないね」
「先生最近神社にもお寺にも行くし」
「天理教の教会にもね」 
 本当にそうした場所にも喜んで行く様になった先生です。 
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