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ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル

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第7話 イッセー、懐かしき庭へ!虹の実を捕獲せよ! 前編

side:イッセー


「ん…むにゃ…朝か…」


 俺達の世界では今日は日曜日か…今日は何をするかな…そういって俺は起き上がろうとベットに手を置くと…


 ムニュン


 ん?何だこの柔らかいのは…ベットの感触じゃないし枕でもない、これは…


 モニュモニュ


「んッ…あッ…」


 え?何でアーシアの声が…ってまさか!


 バッ!!


「ふみゅ…イッセーさぁん…」


 布団を引きはがすとそこにはパジャマを着たアーシアが眠っていた。


「…何でアーシアがここに?」


 昨日は確かに別々の場所で寝たはずだが。うーむ、謎だ、とにかくアーシアを起こさないとな。


「アーシア、朝だぞ」
「んみゅ…」


 体をゆすりながら声をかけるとアーシアは目を覚ましコシコシと目をこすっている。


「ふあ~…おはようございます、イッセーさん…」
「おう、おはようアーシア。寝起きで悪いんだけどいつ俺のベットにもぐりこんだんだ?」
「えっと、たしかおトイレに行こうとして…それから…はわわ、寝ぼけてイッセーさんのベットに入っちゃったみたいです。ごめんなさい~」
「寝ぼけていたのか、まあいいさ。こんなかわいい子と一緒に寝れてむしろラッキーかな」
「もう、恥ずかしい事言わないでください!」


 可愛らしくぷんすかと怒るアーシア、しかし怖いどころか和んでしまう。


「悪かったって、それより朝飯にしようぜ、俺腹減っちまったよ」
「あ、私もお手伝いします」


 俺とアーシアは着替えて台所に向かった。




side:小猫


「………」


 皆さんこんにちは、小猫です。今私はイッセー先輩の家の前にいます。昨日捕らえた堕天使の一人が言っていた赤いドラゴンという言葉…私はこのドラゴンがイッセー先輩なんじゃないかと気になってここに来ました。
 

 最近は悪魔の仕事が忙しくて先輩に会えなかったからちょっと嬉しい…って違います。この嬉しさは久々に出番が来たからです。イッセー先輩に会えるのが嬉しい訳じゃありません!


「では行きましょう」


 意を決して私は先輩の家の玄関のチャイムを鳴らす、髪型崩れてないかな…そうこうしている内に玄関の扉が開く。


「おはようございます、先輩。今日は先輩に用が合って…え?」


 私は扉から出てきた人物を見て固まってしまった、何故なら扉から出てきたのはイッセー先輩じゃなくて金髪の美少女だったんです。


「え…あれ…?」
「どうかしましたか?」


 金髪の女性は何も反応しない私に声をかけるが反応できない、一瞬家を間違えたのかと思ったが標識を見ると『兵藤』と書かれている、ここで間違いない。


「あの…イッセー先輩は見えますか?」
「イッセーさんですか?はい、いますよ」


 イッセーさん!?この人先輩を知ってる、それもこんな親し気な呼び方、まさか…


「アーシア、誰か来たのかって小猫ちゃん?」


 そこに先輩が何食わぬ顔で現れました。そして私の顔を見るなり顔色を変えました。


「…えっと、小猫ちゃん?」
「何ですか、兵藤先輩?」
「あの…何やら怒ってるように見えるんですが…後何故名字で呼ぶんですか?」
「別に何でもありませんよ、こんな可愛らしい彼女さんがいるなんて知らなかっただけですから」
「いや、アーシアは彼女じゃなくて…」
「お邪魔してすいませんでした、どうぞご幸せに!!」
「ちょ、小猫さーん!?」
「そんな、私がイッセーさんの彼女なんて……えへへ」


 無表情で帰ろうとする私を必死で止める先輩、そして顔を真っ赤にして照れている金髪の女の子という知らない人が見れば絶対誤解される光景がありました。



ーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー




「本当にすいませんでした…」


 あれから先輩に事情を聴いた私は深々と頭を下げました、うう、あんな勘違いをしてしまうなんて…恥ずかしいです。


「まあ分かってくれたならいいさ」


 先輩は気にしてないよという感じで許してくれました。


「それにしても驚きました、まさか先輩が堕天使と戦っていたなんて…」


 私の読み通り赤いドラゴンとはイッセー先輩の事でした、この金髪の少女はアーシアさんというらしく彼女を助ける為に堕天使と戦ったそうです。


「でもどうしたんですか、あれだけ堕天使には関わらないようにしていたのにこんな…」
「まあアーシアをほっとけなかった、そういう事だよ」
「そうですか…」


 …何でしょうこの感じは、なんか面白くありません。


「あのイッセーさん、この人は…」


 さっきまで蚊帳の外だったアーシアさんが私の事を聞いてくる。ってさりげなく先輩の右手を握らないでください。


「この子は小猫ちゃん、学校の後輩で悪魔なんだ」
「悪魔さんですか?でもイッセーさんが信頼してるならいい人なんですね、私はアーシア・アルジェントといいます、どうかよろしくお願いします」
「あ、塔城小猫といいます、こちらこそよろしくお願いします」


 元シスターらしいからてっきり警戒されるかと思いましたが、どうやら無駄な心配だったようですね。


「さてお互いに自己紹介も終わったことだし朝飯を食おうぜ、小猫ちゃんも食っていくか?」
「あ、いいですか?じゃあお言葉に甘えて…」


 そして私は今日二回目の朝ご飯を頂きました


「ごちそうさまでした」
「はわわ…凄い、あんな大盛りをペロリと食べちゃいました」


 やっぱり先輩のお料理は美味しいです、私も一人暮らしをしているから料理の心得はありますし最近は先輩に料理を習ってますがまだまだ先輩にはかないません。


「さてと、腹も膨れたしそろそろ準備するか…」


 先輩が立ち上がり何やら準備を始めました。


「先輩、何をしてるんですか?」
「ああ、これからグルメ界に行こうと思ってな。そうだ、二人も来るか?凄い場所に連れて行ってやるよ」
「「??」」


 私とアーシアさんは首をかしげました。一体どんな場所なんでしょうか?






ーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー


「うわぁ!!」


 私は今目の前にある光景に心から驚いている、見た事もない食材があちらこちらにありそれらの食材を買おうと何百万も出し合っている光景は正に壮大だ。


「イッセーさん、この市場は一体何ですか?」 
「ここは『グルメ中央卸売市場』…またの名を『世界の台所』!世界中からありとあらゆるグルメ食材が集まってくる市場で一日に一兆円もの金が取引されるバケモノ市場だ」


 一日で一兆って…どれだけ凄い食材があるんだろう。でも私はそれ以上に気になっている物がある。


「先輩、それは何ですか?」


 私はイッセー先輩が抱えている恐竜のような生物を指さした。さっき先輩が洞窟で捕らえた生物だ。


「コイツはシャクレノドン。捕獲レベル4の翼竜獣類で肉以外にもその骨から取れるスープは絶品なんだぜ」
「もしかしてそのシャクレノドンを売るんですか?」
「ああ、今日は十夢との取引があって…ん?何だ?」
「何か言い争ってるみたいですが…」


 先輩が視線を向けた先を見るとピンク色のスーツを着た女性が誰かと言い争っているのが見えた。


「ええ、何度でも言ってあげるわ!このピスタチオ、口が開いてる、新鮮じゃない証拠!こんな物放送しても視聴者を一グラムも感動させられない!」
「クポー!」
「何だと、店のもんにケチつける気か!」


 凄い言い争い…どっちも譲らない気迫です。というか女性の近くにいる丸い鳥は何でしょうか?


「コイツはな、口が開いた時が食べごろなんだ、全くこれだから素人は…」
「姉ちゃんいい目してるじゃねえか。ピスタチオは確かに口が開く時が食べごろだが市場じゃ悪手だ、風味が落ちちまう。調理するくらいに開くのがいいくらいだな」
「何だと…ってアンタは美食屋イッセー!?」


 あ、先輩いつの間に…というか周りの人達の様子が変ですね、先輩を見て驚いてます。


「え、美食屋イッセー!?あの四天王の一人の!?これはなんててんこ盛りな美味しいニュースなのかしら、早速取材よ!」


 女性はイッセー先輩に近づいていく。誰でしょうか?


「ねえ貴方イッセーでしょ、カリスマ美食屋の!」
「ああ、俺がイッセーだが」
「やっぱり!あのイッセーに会えるなんて大盛り、いや特盛ラッキー!私はティナ、この子はクルッポーっていうの」
「クポー」
「私、グルメTBで世界中のあらゆる食材を紹介するグルメキャスターなの!ねえイッセー是非取材させてくれない?」


 グルメTBにグルメキャスター?この世界のテレビ番組でしょうか?でもあのクルッポーって子は可愛いです。


「せっかくのお誘い悪いが今日は先客がいるんだ、また今度な」
「あ、ちょっと待ってよ!」


 先輩が戻ってきました、でも先輩ってこっちの世界じゃ凄い有名なんでしょうか、未だに驚いている人がたくさんいます。


「はは、相変わらず凄い人気だな」
「貴方は十夢さん!」


 そこに現れたのは前にガララワニの件でお世話になった十夢さんがいました。


「お久しぶりです、十夢さん」
「よお小猫、おや見慣れない子もいるが…」
「あ、私はアーシア・アルジェントといいます」
「アーシアか、俺は十夢だ、よろしくな。しかしまた美少女を増やして…ハーレムでも作る気か、イッセー?」
「へッ、言ってろ。それより見てみろよ、俺はシャクレノドンを捕まえてきたぜ。㎏4万でどうだ?」
「おおシャクレノドンか。㎏3万にしてくれないか?うちは貧しい小売りも抱えているからな」
「よし、それでいこう」


 なるほど、先輩はこうやって生計を立ててるんですね。


「困りますね、IGOの定めるグルメ相場を厳守していただかないと。食材の価値が変わってしまいます」


 すると突然黒いスーツを着た男性が現れた。確かIGO開発局のヨハネスさんだったっけ?


「なんだヨハネスじゃねえか、どうしたんだ一体?」
「お久しぶりですイッセー様、実は貴方にお願いしたい仕事がありまして…」
「またかよ、IGOにはお抱えの美食屋がいるだろう?何で俺にそんな話ばかり持ってくるんだ」
「虹の実がなりました」
「何…?」


 虹の実?これまたカラフルそうな食材ですね。


「聞いたことがある、気温や湿度によって味が七色に変わる伝説の木の実…25mのプールの水にほんの一滴虹の実の果汁を入れただけでプールの水が濃厚で芳醇なジュースに変わるほど果汁濃度の濃い実だと……」
「プールの水がですか?凄い濃い木の実なんですね」


 十夢さんの説明にアーシアさんも驚いた表情で聞いている。一滴だけで濃い果汁濃度の高い木の実、直に食べたらどんな味なんだろうか。


「だが自然界では虹の実は絶滅したって話を聞いたが…」
「それは一部のグルメ投資家が虹の実の値を上げるために流したデマでしょう、先日IGOの庭で虹の実をつけるのに成功しました、もちろん天然ではありませんが」
「お得意の品種改良って訳か」
「問題はその虹の実の周りにトロルコングが巣を作り誰も近づくことが出来ません」


 トロルコング…如何にもやばそうな名前ですね。


「最強のゴリラ『トロルコング』!!先日一両20億するグルメ戦車を出動させましたがすべて引っ繰り返されてしまいました。重さ40トンの戦車がです。管理局が発表した捕獲レベルは『9』!あのガララワニを凌ぐと…!」


 ほ、捕獲レベル9!?あのガララワニより高いなんて…!どんなゴリラか想像も出来ないです。


「虹の実か、食ってみてぇし久々に帰るか、懐かしい庭にな」



 虹の実…私も食べてみたい。でも先輩が言っていた懐かしい庭ってどんなところなんだろう…きっと一筋縄ではいかないと思うから私も気合を入れないと!







「…聞いたクルッポー?こんな美味しさてんこ盛りのニュース、逃す手はないわ!」
「クルッポー!」



 
 …今誰かの声が聞こえたような気がしましたが気のせいかな?


 
 

 
後書き
 こんにちは、アーシアです。今回は私が後書きを担当しますね。私達は虹の実を捕獲するために庭と呼ばれる場所にいきましたがそこはとっても危険な場所でした、でもイッセーさんや小猫ちゃんがいればきっと安心ですよね!私も頑張ります!次回『イッセー、懐かしき庭へ!虹の実を捕獲せよ! 後編』で会いましょう。次回もご馳走様です♪ 
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