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東方 死神默

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東方死神默-1 半端者

 
前書き
兎は兎は兎は兎は目が目が目が目が目が赤い! 

 
ここは幻想郷。
誰が楽園だと言っていた、存在を
否定されたものが入り込んでくる。

私は幻想郷に生まれ、
幻想郷で育っていった
いわば 純-である。

そのはずなのに。
皆は私をこう呼んでいる。

半端者............と。


私は目を瞑って考え事をしていた。
しかし........
突然の直接的な痛みが私を襲ったのだ。
ゴツッ

?「痛い........」

私は目をうすらとあけた。
そこには、石ころが落っこちていた。

要するに石を投げられたのだ。
それも複数個。

その近くには笑う子供が数人。
年齢的に........寺子屋に通ってるくらいか。
しかもなにか騒いでる。

子供A「妖怪退治だぁ!」
子供B「汚物は消毒だ!」
子供C「ヒャッハァーー!!!!」

とても子供とは思えない物言いだ。
でも今の私は反論なんかできず、
じっと耐えることしか出来ない。

それも、子供らは妖怪を
弱い存在として見ているのであろうか?


因みに私は反論をしたことはないわけでは
ない。

脅してでも話を聞いてほしいと、
妖力を軽く使った結果、
子供の親から猛烈に殴られた。
更には目を抉られそうになった。
なんとか交わしたのだか、その結果、
右目から頬にかけて深くえぐられた。
↑右目は見えるが若干赤っぽい

それ以降、無言のまま、石を
投げられる毎日。

中には、両親のことを馬鹿にした言い方
もある。

許せなかったのだが、
勿論やり返す訳にはいかない。

人間には親がいて、私には親がいない。
小さいようで、とても大きい溝である。


私の親は確か
片方は人間、もう片方は妖怪だった。
まぁ私はいわゆる半妖ってものだ。

いまは人間にやられているが、
妖怪からは半端者と扱われていて、
ひどい目にあった。


そんな考え事をしていると、
日がくれたのか
子供の姿は見えなかった。

私は隠れられそうな木陰を探していた。

私は妖怪としての力も鬼火程度だが
持っている。
人間相手であればまだ耐えられるが、
妖怪が相手になれば、確実に殺される。

妖怪側の親も妖怪に殺された。
私を逃がして。

?「はぁっ......はぁっ。」

なんとか木陰を見つけることができた。
しかも果実が実っている。

私は鬼火を用いて果実を採る。
そしてかじりつく。

..................。

味はない。ただ水分を含んだ果実。
それでもよかった。
果肉は少ないが、水分補給になる。

今日は運がよかった。
こんな食事でも、マシだからである。
ひどいときは飲まず食わずで3日過ごした。


夜になると、左目から涙が浮かぶ。

そうして私は木に寄りかかり、
木陰に身を潜め、眠りにつく。



私の朝はなぜか早い。
起きたくなくても夜明け前に
目が覚める。
いまは何時なのだろうか?

私は危機的ななにかを
察知する力もある。

それを逆手にとられたことはまだない。
ただの運か、嵐の前の静けさか....。


人間「ん??」
人間と出くわした。

その人間は青年のようだ。
茶髪で背が高い。
私が半妖、
強いては妖怪であることを知らなそうな。

?「くっ........くるな!私は妖怪だ!
人間なんてひっ...... 一捻りだ!」

私は弁明するチャンスを失った。
だが私は人間、妖怪をもう信用出来なかった。

もう死んでもいい。
そう思えていた。

人間は、その場から離れなかった。

人間「?なんで?」

人間はきょとんとしていた。
私は理解ができなかった。

人間は更には私に向かって歩を
進める。

人間は私に向き合って、
人間「少し、話を聞いてもいいかな?」

?「はあ?」

静かな夜明けの里離れの森から、
抜けた声がこだました。

 
 

 
後書き
お☆た☆ま☆じゃ☆く☆し☆デステニー! 
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