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艦隊これくしょん【転移した青年の奮闘記】

作者:Bloo-D
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日常
  プロローグ

 
前書き
艦これの世界へ転移。

前の内容に修正を加えました。 

 
……主人公サイド……



ある日のこと、神奈川…いや横須賀鎮守府。



金剛「テートク、そろそろティータイムの時間のデース!早くキリつけるネ〜〜♪」

座蒲郎「もうちょっと待って」

執務室で書類を片付ける俺、自称“艦これ馬鹿”の沢小路 座蒲郎。艦これ好きの俺にとっては楽園のような鎮守府。


……の筈だが……

長門「金剛、もう少し場所をわけまえろ。提督が困ってるぞ」

金剛「イヤデース!テートクだって離れて欲しくない筈デース!」

座蒲郎「金剛…集中出来ないから、ちょっと離れて」

俺にベッタリとくっつく金剛。正直邪魔。
長門が注意するも全く離れようとしないから離れて欲しいと言うが、金剛は全然離れてくれないから本当に迷惑で仕方ない。

長門「見ろ金剛!提督も離れろって言ってるぞ!」

金剛「オヤオヤ…ナーガト、もしやヤキモチデスカ?」

長門「そんな訳あるか⁉︎」

その一方で……


陸奥「本当にラブラブね、提督は」

大淀「そう…ですね……」

部屋の片隅で愚痴をこぼす陸奥と、ぶっちゃけドン引きな顔を浮かべる大淀。
どうせならフォローして欲しいがその様子は見られない

確かに陸奥の言う通りだが、あくまで取り合いの対象になってるだけでラブラブではない筈。
ついでに言うが、俺はもとからここ(横須賀鎮守府)で指揮を執ってるんじゃない。何故なら……
神様の都合で…勝手にここに飛ばされたんだ〜〜!!!!


金剛達がいがみ合う中、俺は心の中で魂の叫びを上げたが、それに気付くや…いや艦娘などいる筈が無い。
と言う訳で、何故俺がこの艦これの世界にいるのか。それは数週間前の、現実世界での話に遡る。

____________________


2016年5月中旬
神奈川県某所の大学。桜がまだ咲く桜並木の間を多くの生徒が歩いて行く。


そんな中……


「よおっ、久しぶりだな。オブ!」

「ああっ、久しぶり!」

その桜並木の間を2人の男子生徒がお喋りしながら歩いている。

友達「今日帰ったらどうすんだ?」

座蒲郎「艦これに決まってんだろ?」

友達「お前ってホント艦これ好きだなぁ」

座蒲郎「悪かったな、艦これ馬鹿で」

大学2年の俺、沢小路 座蒲郎(愛称はオブ。)は“艦これ馬鹿”と自称する大の艦これ好き。キッカケはだいたい3年前、今話している高校からの付き合いのある友達から紹介されてだ。
“勉強ばかりしてたらつまらないから、なんか息抜き出来そうな面白いゲームは無いか?”って聞いたら艦これを紹介されて、今じゃ勉強以外では艦こればかりやって、艦娘は海外艦含めて全員集め、全員のレベルを90くらいまで上げてある。しかも損害は最低でも大破に留めて、撃沈はゼロ。

友達「けどさぁ、お前勉強もちゃんとやってるのか?」

座蒲郎「やってなきゃ試験で学年3位になったりしないだろ?」

友達「まっ、それもそっか」

とはいえ、いくら艦これ好きの俺でも勉強はきちんとやってる。
第一として、学校じゃそれなりに人気だ。勉強も結構出来るしスポーツもそれなりに出来る。そのせいか先生からも将来を期待されてるし、家族からも期待されている。
将来の夢とかはまだ無いけど、それはこれから考えるさていくつもりだ。

ーーーーーーーーーーーーーーー

てな訳で、今は勉強ついでに艦これも頑張るのが日常になって来ている。
教室でも……

友達「オブ…お前、今(艦これ)どの辺まで進めてんの?」

座蒲郎「そうだな……昨日までに…"上陸部隊演習"と"強行高速輸送部隊、出撃せよ!"、あと"強行高速輸送部隊を編成せよ!"をクリアして、今度は"第一航空戦隊西へ!"ってとこだな。」

友達「うわ〜、この間実装されたばかりの新任務じゃねぇか。よくそんなの出来るな」

座蒲郎「やりこんでる証拠さ」

勉強以外はずっと艦これの話ばっかだ。
とはいえ、勉強もちゃんと頑張ってるから家族も先生もその事は容認してくれてるし、口を出さないでいる。

ーーーー

≪ガラッ≫

先生「静かにしろ、授業を始めるぞ」

先生が教室に入って来て、今日の戦いが始まりを告げた。

ーーーーーーーーーーーーーーー

夕方



友達「今日も一日が終わったなぁ」

座蒲郎「お前はそうだろうが、俺の一日はまだ終わってないぞ」

友達「ああっ…艦これかぁ……まぁ、そりゃそうだな」

今日の授業が終わり、俺は友達とお喋りしながら正門へと歩いて行く。


友達「じゃあな、オブ!」

座蒲郎「ああっ、また明日な!」

正門前で友達と別れ、俺は家を目指して早歩きで帰った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





≪ガチャッ≫

座蒲郎「ただいま〜〜」

母「あら、お帰り」

帰ってすぐに母さんが迎えてくれた。母さんは40代くらいだけど、それでも30代に見間違えられる程若々しい(らしい)……

母「今日も勉強の後は艦これ?」

座蒲郎「そうだけど、ダメ?」

母「そんな事ないわよ。勉強をちゃんとやってくれてたらそれで良しよ」

艦これのことはこの通りな感じで容認されてて、母さんどころか家族全員が認めてくれてる。

ーーーー

≪タッタッタッタッ……≫

玄関で靴を脱いで、俺は部屋へと急ぐ。

ーーーーーーーーーーーーーーー

≪パタンッ≫

座蒲郎「ふう……」

俺の部屋は学校の教本や資料等以外は、全て艦これ系のグッズで一杯だ。艦娘のフィギュアもあれば深海棲艦のフィギュアもある。勿論文房具も艦これ系のだ。

座蒲郎「じゃ、早速勉強するか。
しっかり見ててくれよ、長門」

勉強机の椅子に腰掛けた俺は、そう言って机の上に置かれた長門のフィギュアに声をかけた。
艦これの中で俺が最も好きなキャラは長門。強くて凛々しくてクールな所が1番好きだ。その証拠に、部屋に置かれてる艦これグッズの中で1番多いのが長門のグッズだし、ゲームでの秘書艦にも長門をあてている。
まぁそれはいいとして、俺は早速勉強を始めた。

ーーーーーーーーーーーーーーー

≪カリカリカリ……≫

勉強を始めてからだいたい2時間後。午後7…いや19:00(ヒトキュウマルマル)を過ぎた頃……

母「ご飯よ〜〜!」

座蒲郎「うん、今行く〜〜!」

≪タッタッ……カチャッ…パタンッ≫

ご飯が出来たみたい。ちょうどキリが良いし、今日はこの辺にして部屋を出た。

ーーーーーーーーーーーーーーー

今晩はごく普通のカレーライス。別に嫌いって訳じゃないけど、どうせなら“海軍カレー”とか味わってみたい……

座蒲郎「頂きまーす」

母「どうぞ」

では早速一口。

座蒲郎「……」≪パクッ≫

うん。相変わらず美味いな。けど、昨日の残り物だろうけど……
母さんの料理はいつも美味いから、文句のつけようがない。けど、母さんは時々手抜き料理を出すことがあるから飽きることもまぁある。第一、昨日の晩もカレーだったし、味も昨日のとそっくりだから、その残り物に間違いはない……

母「どう?」

座蒲郎「美味しいよ、っと言うかいつもそうだけど」

母「本当?ありがとう!」

とはいえ、いくら俺でもその事は口には出さない。
何故なら、母さんは昔柔道の大会に出てたらしいから、腕っぷしはかなりのものなのは知ってる。何か言おうものなら何されるか分かることじゃないから、とにかく美味いとしか言えない……

ーーーー

それから数分が経過……



≪カチャッ≫

座蒲郎「ご馳走様」

母「はい。流しに置いといて、後で洗うから」

座蒲郎「わかった。」
皿に盛られてたカレーを綺麗に完食。母さんも喜んでくれたらしく、皿は流しに置いとけばいいって言われたから、皿を流しに置いた。
さて、今日の勉強も終わったし、風呂から上がったら艦これやるか……

≪タッタッタッ……≫

今日の宿題もさっきの勉強で終わったし、後の戦いは本命の艦これ呑み。
その前に風呂を済ませようと、俺はその場を後にした。

ーーーーーーーーーーーーーー

20:00(フタマルマルマル)



≪パタンッ≫

座蒲郎「ふう…いい湯だった……」

風呂から上がった俺は部屋に戻って、部屋してた机の椅子に腰掛ける。
さっ、やるか!

≪ガラッ……スッ…パタンッ≫

ここから先は俺の本当の戦い“艦これ”の時間だ。早速俺は机の棚を開けて、中から俺専用のノートパソコンを取り出して机の上に置いた。このノートパソコンは艦これをやる為だけに専門学校時代にバイトして稼いだ金で買った代物。4万くらいはしたが、艦これのためならこんなの造作もない……


≪パァッ≫

座蒲郎「よ〜し、今日も良い調子だ」

立ち上がったばかりの画面を見て変な事を呟く俺だけど、これは(艦これ用の)ノートパソコンを大事にしてる為で決して変人なんかじゃない……

≪〜〜♪≫

座蒲郎「よしよし、上手く立ち上がったぞ」

艦これのページを開き、ゲームスタート。

ーーーー

1時間後……



座蒲郎「よし!"「第一航空戦隊」西へ!"達成!」

苦労はしたが、予定通り任務完了。
これで次の任務をやる事が出来る……ふぅ…長かったぜ……

座蒲郎「とはいえ、無理は禁物。鎮守府でしっかり休んでもらうか」

速めに次の任務に移りたいけど、その前に任務に参加した艦娘達を休ませようと画面を操作する。


が……

座蒲郎「あれ、どうした?」

突然、画面が動かなくなったと思うと、画面に映る長門が視線を俺に向けたまま動かない。
一体どうしたのか……?

座蒲郎「不具合か?けど、そんなの1度も無かったけど……」

一瞬ウイルスに感染した思ったが、このパソコンはウイルス対策はしっかりと整ってるからそんなのある筈が無い。と思ったその時……

長門『見つけたぞ、提督』

≪ズニュウゥウウ〜〜……≫

座蒲郎「えっ?」

長門がいきなり喋ったと思うと両手を伸ばし、しかもその手は画面から出て来て俺の顔まで近づく。
ど…どうなってるんだ一体…これは⁉︎
あまりの事に困惑する俺……気がつくと……


≪ガシッ!≫

座蒲郎「ひっ⁉︎」

あっという間に首を掴まれ身動き取れない状態になった。
そして……

≪ズルズルズル……≫

座蒲郎「うわ〜〜〜〜!!!!」

掴まれた手に引っ張られるがまま、画面の中に引き込まれてしまった。
おいおいおい!一体何がどうなってるんだよ……⁉︎

____________________


座蒲郎「ん…うう……」

次に目に映ったのは、辺りが真っ白な空間だった。

座蒲郎「どうなってんだ一体……」

画面の中に引き込まれたといいこの空間といい。どう判断したらいいのかわからない。
と言うより……

座蒲郎「今更思ったが…どうやって帰ればいいんだ?」

1番の問題はそこだった……


すると……

「あなたが…沢小路 座蒲郎ですね?」

座蒲郎「⁉︎」

どこからか女性の声がする。
けど、長門でも母さんの声でも無い。
ならば一体…って、そんなことより……

座蒲郎「そうですが…あなたは一体誰ですか?」

とりあえず名前を聞かれてるから答えるものの、相手が誰か気になるから聞き返す。

「私は…あなた達が神様と呼ぶ者…正確に言うと、女神です」

座蒲郎「えっ?」

女神「何か不服ですか?」

座蒲郎「いえ…そんなことは……」

声の主はなんと神様。けどなんかインチキ臭い気もするが、とりあえず質問する。

座蒲郎「あなたが俺をここに呼んだのですか?」

女神「その通りです。っと言う訳で、今からあなたには“艦これ”の世界に転移して頂きます」

座蒲郎「はっ、一体何故⁉︎」

女神「神のお告げです」

座蒲郎「えっ?」

女神「神のお告げです。わかりましたね?」

座蒲郎「はい……」

俺が呼ばれたのは今話してる神様みたいで、しかもこれから俺には艦これの世界に行ってもらうという、あまりにも突然過ぎる話だった。その理由を聞くと、神のお告げとしか言ってくれない。
てかこういうパターンって死んだ時とかにあるヤツだけど俺一切死んでないぞ…どうなってるんだ……?


座蒲郎「いやその前に元の世界に帰る方法とか教えてくれないんですか?」

女神「それは答えられません」

座蒲郎「勝手に呼んでおいて、それはないでしょ⁉︎」

それどころか帰る方法も教えてくれない。それで抗議をするが……

女神「それはまたいつか言います。それでは、行ってらっしゃい〜〜♪」

座蒲郎「えっ…ちょっ……!」

≪ヒュルルルル〜〜〜〜≫

座蒲郎「うわ〜〜〜〜!!!!」

またいつか言うとか言って、俺はどこかへと飛ばされた。
今度は何が起きるんだよ……!

____________________


≪がばっ!≫

座蒲郎「うわっ!」

その次に目に映ったのは、机に椅子、古そうな時計にカレンダー、更に昔の軍人が着てただろう白い軍服と帽子と、どこだかわからない一室。
そして俺は、パジャマ姿でその部屋のベッドで寝てたみたい。
この部屋…アニメ版の艦これにも映ってた部屋の風景そっくりだな。
てか…ここどこ……?


≪ザッ≫

座蒲郎「そうだな…軍服が掛かってるんだし、まず軍服から調べるか。名前が分かってその人に聞けば、俺に何があったのか解るだろうし」

まず知らなければならないことは、ここがどこなのか、そして俺に何があったかだ。あの神様の言ってた話は正直信用出来ないし。とりあえず状態を把握することが先決だ。
そう考えた俺はベッドから出ると部屋の壁に掛かってる軍服に手をつけ、身分証明書を探す。
それからすぐに身分証明書は見つかったけど、そこに書かれた名前を見て俺は言葉を失ってしまった

座蒲郎「嘘……?」

う…嘘だろ?なんで…俺の名前が……?
そこに書かれた名前は“沢小路 座蒲郎”。俺自身の名前だった。

座蒲郎「ど…どうなってんだ……?」

衝撃過ぎる事にどうしたらいいのかわからない。


その時……

≪コンコンッ≫

「提督、起きてるか?朝だぞ」

扉の向こうから女性の声。けどその声はあの神様でも母さんのでもなく……

座蒲郎「その声は、長門⁉︎」

長門「そうだ。起きているなら、失礼するぞ」

座蒲郎「えっ…ちょっ__!」

間違いなく俺をパソコン画面の中に引き込んだ長門の声だった。
しかも中に入ろうとしてる。止めようとはしたが……

≪ガチャッ≫

結局入って来てしまったが、その顔はおかしいとかそんな表情じゃなく、俺のことを見慣れたような表情だった。
何故……?

長門「提督、いつまでもそんな格好してないで、早くその手に持ってる軍服に着替えろ」

座蒲郎「ちょ…ちょっと待って、長門…さん……」

長門「なんだ?いきなり畏まって…私のことは、いつも長門と呼んでるくせに」

座蒲郎「えっ、そうなの?って、そうじゃなくて……ここはどこ⁉︎」

長門「どこって、そんなことも忘れたのか?
ここはお前、提督が我々艦娘の指揮を執る横須賀鎮守府に決まってるじゃないか」

座蒲郎「⁉︎」

俺のとこを見慣れたように、手に取ってる軍服に着替えろと言う。
けど状況が飲み込めない俺は長門にさん付けで聞くが、本人は俺が長門と呼んでると聞いて驚く(とはいえ、現実でもそうだけど……)。っていうよりそれ以前に今居る場所を聞くと、ここは俺が長門達を指揮してる横須賀鎮守府らしく、俺は驚きのあまりに声が出なくなった。


座蒲郎「じゃあ聞くけど…俺、いつぐらいにここに着任したの?」

長門「いまから3年前の春だ」

座蒲郎「俺の本名は?」

長門「沢小路 座蒲郎」

座蒲郎「ここに居る艦娘の数は?」

長門「海外艦含め176名」

座蒲郎「俺が最後に達成した任務は?」

長門「昨日達成したばかりの"第一航空戦隊西へ!"だ」

嘘だ…艦これ始めたのと着任した時期、今まで集めた艦娘の数とここに居る艦娘、更に最後に達成した任務が同じだなんて……
まさかと思って俺は更に質問するが、どれもこれも現実世界で俺が集めた艦娘の数と最後に達成した任務、更には着任した時期と俺が艦を始めた時期が一致。それどころか俺の本名も知ってる長門。あまりの結果に俺は言葉が出なかった。

長門「おかしな事を聞いてないで早く着替えろ。今日も仕事がまってるんだからな」

座蒲郎「わ…分かった……」

長門「ふん。分かればいいんだよ、提督」

≪パタンッ≫

長門は俺からの質問に飽きたのか、とにかく軍服に着替えろと言って部屋から出て行った。
一方の俺は……

一体…一体……どうなってんだこりゃ〜〜〜〜!!!!
訳の分からない俺は、長門に言われた通り軍服に着替えながらも、心の中でそう叫ぶしか答えが見つからなかった。


(続く) 
 

 
後書き
神のお告げとして艦これの世界に飛ばされた沢小路 座蒲郎。
一体どうなってしまうのでしょうか?

今後に期待して下さい。 
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