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モンスターハンター ~厄災の狩人達~

作者:島原
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黒蝕の陰、天廻の陽
  村長復活!

 
前書き
手を出しづらかった狂竜化テツカブラを撃破したアルフレッド一行。

休む間もなく新たな依頼が舞い込んでくる…。 

 
「ただいま帰還しました、団長。」

村長の前に立っていたジャックスのもとへ戻ったアルフレッド一行。
その場に居たのはアルフレッドとダイラスのみで、他の二人は先にマイルームへと戻っていた。

「おお、戻ったかお前さん達。さっそく村長に報告してやってくれ。」

「ええ。村長さん、初めまして。アルフレッドと言います。」

「よろしくな、村長!」

二人の目の前に居たナグリ村の村長は体と同じくらいのハンマーを地面に置き、深々と頭を下げた。

「此度はこんな小さな村を助けてくれてありがたく思う!!鉄鉱石とマグマで栄えてきたナグリ村が村長、ヤオタカとはオレっちのことよ!」

天高く反り返ったひげに、土竜族の村民皆がつけているゴーグルと帽子、そして黄色のつなぎ。
ヤオタカと名乗る土竜族の村長はハンマーを握りしめ、なおも話を続けた。

「ジャックスから聞いたが、アンタら船を作りたくてここへ来たんだってな!」

「ええ、話の通りで言えばそのようですが…。この村の様子を探る限りではまだマグマを堰き止めている要因が他にありそうですね。」

村全体を一望するアルフレッド。ダイラスがふと呟く。

「溶岩を堰き止める必要があるやつがまだあの火山に居るってことか?何かまた大型のモンスターな予感がするぞ!アル!」

「おうおう!そういうこったろうな!マグマが流れない限りはデッケェもんが作れねえ!すまねえがオレっちが原因を探ってくっから、まぁ何も無いがゆっくりしてってくれぃ!」

するとジャックスは

「それならアルフレッド、君を同行させよう。地質にも詳しい君なら村長の良い手助けになるだろう。」

と、アルフレッドの肩をぽんと叩きながら一言。

「船の設計はガートンも一枚噛ませる。素材の加工ならアイツも何かの役に立つはずだ。」

「ほいきた!お前の相棒は心強い奴ばっかりだな!しかし…お前さんは船を作ってどこへ行くつもりだ?移動なら連絡船でも事足りそうなもんだが…。」

と村長の問いかけにジャックスは帽子を脱ぎながら

「実はな…ある日突然空から降ってきた"コイツ"の謎を解き明かすために船が必要なんだ。」

以前アルフレッドと見せ合ったあの白いモノを村長に見せた。

「ほーっ…コイツは綺麗だ…。なんつーか、いつまでも見てられるな…。」

と、村長があの白いアイテムに見とれていると、奥の方から一人の子どもがやってきた。

「ハンターさーん!帰ってきてたのー!?」

「おぅムスメよ!この人たちのおかげで父ちゃん元気が出たぞ!」

「ハンターさん、ホンットにありがとう!私、父ちゃんたちの元気になったカオが見れてうれしい!わーん!!」

少女が地面にへたり込み少し叫んだあと

「泣いてない!!」

と、思いっきり泣きはらしたような赤い顔で笑顔を作った。







夕刻、キャラバンのマイルームの前にはジャックスとアルフレッド達が集まっていた。

「さて、皆のおかげでどうにかナグリ村の最悪の事態は避けられたわけだが…。」

ジャックスが帽子を少しずらして村長の居る場所の奥にある、滝の様な場所を眺めながら

「ナグリ村の危機はまだ去っていない。そこで君たちには別々の任務に就いてもらう。」

再度ジャックスが帽子を深くかぶり

「アルフレッド、君はさっきも言ったように村長に付き添って脅威を排除しつつ調査の補助をしてあげてほしい。」

「分かりました。」

「ダイラス、君はルブル・エルトラス遺跡平原で現れたケチャワチャというモンスターを討伐してきてほしい。新しく舞い込んできた依頼だ。」

「おう!大型だろうが古龍だろうが一発で沈めてやるさ!」

「残ったアルマとマトレガでパーティを組み、ガルガン地底洞窟に出現した二匹のアルセルタスを討伐してきてほしい。アルフレッド以外の三人に頼んだ依頼はどちらも資材の流通経路を確保するための依頼だ。」

「了解よ。」

と、アルマの一言。
マトレガは静かに頷く。

「よし!我らの団、任務開始だ!」

四人はジャックスの掛け声と共に一斉に支度にとりかかった。





「溶岩を堰き止めているモンスター…。一般則で考えるなら溶岩を邪魔に思うモンスターが行う行動だけど、準備するに越したことはないし状態異常を起こす武器で行こう。」

アルフレッドが装備ボックスから手に取ったのはロイヤルローズ。
火竜のつがい―――リオレウスとリオレイアはそれぞれ毒を持つ棘が有名であるが、その棘を取り込んだ片手剣。容赦ない毒牙で獲物をジワジワ攻め落とす。
防具はいつもの通り三十七式装備。

「一般則でそれ、ならアナタの経験則ではどうなの?」

バルバレについたときの装備―――羽衣・戦装備を纏いアインス・ディレクトⅠを担ぐアルマ。

「主にマグマでも生息を容易とするモンスターが新たな狩場を作る為…とも推察できますが…。」

アルフレッドは背中に違和感を覚える。

「どうして僕の体にぴったりくっついてるんですかアルマさん…。」

先刻まで部屋の入口に居たアルマが瞬く間にアルフレッドの背中に抱き着いていた事は誰の目にも認められなかった。いや、認められたらマズいのだが。

「えー?だってこれから別任務でしょ?だったら離れる前に気が済むまでアナタを感じたいから…。」

「はぁ…あの、狂竜症のことをみんなに説明する時間もとってるので出来れば離れて頂きたいんですが…。」

「やーよ♪それともこのまま皆の前で説明する?どうせ私は狂竜症の話をアナタから聞いてるんだし。」

「…。」

妙な二択を迫られるアルフレッドだったが

「ラスをここに呼びましょう。その方が説明しやすそうだし…。」

「それがいいわね♪」

「ええ…」

と、当惑しながら連絡用の糸電話に手を伸ばした。





「話ってなんだアル?…の前に一つ聞いていいか?」

アルフレッドからの連絡でやってきたダイラスとマトレガだったが

「…何だい?」

「お前の背中にくっついてるアルマさんはどうしたんだ?」

やはり誰の目から見ても疑問視される光景が二人の目の前にあった。

「気にしないでくれ。別任務になるとこうなるんだよ。発作みたいなものさ。」

と、言いながら紙の束を手に取り話を始めた。

「それじゃ本題に移るよ。まずテツカブラの狩猟の時に言った『狂竜症』の克服症例についてだけど…」

克服症例とは、読者の世界で言う克服そのままの意味である。
狂竜ウイルスに感染したハンターが一定時間、感染対象を攻撃することで狂竜ウイルスは症状を消し、逆にハンターの身体的制限を解除する。逆に一定時間攻撃しなかった場合、ウイルスが身体に蔓延し狂竜症を引き起こす。この際自然回復力が無くなり、傷の完治が遅くなったり受けるダメージが大きくなったりする。

「なるほど…。俺の体が軽くなったのはそういうことだったんだな…。」

「そういうこと。あ、そうそう。ラスに渡したウチケシの実だけど、ギルドから支給された数が限られてて今はそんなに贅沢して使っていられないんだ。だからしばらくはウチケシの実は持ち込まずに狩猟に行ってほしいんだ。」

「分かった。皆もそれでいいな?」

ダイラスの問いかけに残り二人…約一名を除いて頷いた。



「お待たせしました、ジャックスさん」

ジャックスの前に再び四人が集まった。

「おう!…妙に一人キラキラしてるのが居るのはツッコまん方がいいのかアルフレッド?」

「ええ、まぁ…。」

ジャックスが帽子のつばに指をかけ

「それじゃあ気を取り直して、任務に出発!我らの団!」

「おーう!!!」

ナグリ村異変解決の依頼に向けて出発した。
 
 

 
後書き
ほんっっっっっっっっっっっっっっっ(ry
とうにお待たせしました!!
ちなみにこの話は今年の4月から書き始めたものです。(殴

1話書くのに4か月かかるとか、ないわー(蹴

次回から3パートに分けます。
1つはアルフレッド・村長ルート
2つはダイラスのケチャワチャとワチャワチャ(♂)ルート
3つ目は女子会withアルセルタス
更新する順番は上の通りになります。
お楽しみにー! 
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