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Blue Rose

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第八話 安息日にその六

「そちらもね」
「まずは」
「他のお花や植物を観て」
「楽しみましょう」
 二人で話してだった、そのうえで。
 優子は優花を植物園の中でも案内する様にして連れて行った、だが。
 どの花かどの植物かを傍にある説明を読む前に言う優花にだ、優子は驚いて言った。
「詳しいわね」
「ここには結構来てるからね」
「詳しいのね」
「部活でも描くし」
「ああ、美術部の」
「うん、だからなんだ」
「植物園のことに詳しい、いえ」
 優子は言いながら自分の言葉を訂正した。
「植物自体に」
「そうなるかな」
「そうね、優花らしいわね」
「植物に詳しいことが」
「ええ、そう思うわ」
「よく皆に言われるんだ」
 今は熱帯の植物達のコーナーにいる、そこでその日本にはあまりない植物達を見ながらこう姉に話した。
「僕が植物に詳しいとね」
「優花らしいって」
「言われるよ」
「実際にそう思うわ」
「姉さんもだね」
「優花がお花に詳しいとね」
 熱帯、しかもアマゾンの植物達を見つつ言う。
「植物にもね」
「僕らしいんだね」
「似合うわ」
「特にお花がだよね」
「そう思うわ」
 実際にというのだ。
「本当にね」
「僕ってやっぱり」
「ええ、お花よ」
「お花が似合うんだね」
「性別に関係なくね」
 それこそというのだ。
「お花が似合うのはいいと思うわ」
「それだけでだね」
「そこに華が出来るから」
 漢字は違うが平仮名での読み方は同じだった。
「いいのよ」
「華と花だね」
「華は花なのよ」
「同じ意味で使われることもあるんだね」
「そう、だから華があるから」
 花が好きだと、というのだ。
「お花が好きだっていうことはね」
「それだけでいいことなんだね」
「そうよ、特に優花はね」
「お花が似合うんだね」
「そうした子だから」
「僕がお花が好きでもいいのね」
「いいわ」 
 また女の子の呼び方になったがだ、優子は弟のその言葉をここでも聞きそびれたことにしてそのまま話した。
「本当にね」
「ならね」
「このままお花を好きでいてね」
「ずっとだね」
「そうしてね、じゃあ次のコーナーに行きましょう」
「うん、次はね」
 優花は姉についていってそしてまた植物について言っていった、それは花達についてもで。
 次から次にだ、花達を観て笑顔になってだった。それから。
 その花について言っていった、そうしていく中で。
 優子は薔薇のコーナーに入るとだ、すぐにだった。
 その赤や白、黄色のかぐわしい薔薇達の中に入って優花に言った。
「優花が一番好きなお花よね」
「うん、他のお花も大好きだけれど」
 優花はピンクや紫の薔薇達を観ている、黒薔薇もある。 
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