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Blue Rose

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第七話 姉としての責任その五

「暫くお酒もかなり飲んでね」
「それで、ですね」
「暗かったんですね」
「ちょっと前まで」
「ええ、けれど今は大丈夫よ」
 見ての通りという口調での言葉だった。
「安心してね」
「はい、わかりました」
「それならです」
「私達もです」
「明るくいきます」
「そうしてね、私はこの通りだから」
 もう大丈夫だというのだ。
「このまま明るくいくわ」
「それでこそ普段の先生ですね」
「じゃあ今日のお昼もですね」
「明るくですね」
「食べるわ、今日のお昼はね」
 何を食べるつもりかもだ、優子は言った。
「おうどんにしようかしら」
「先生調子がいいとなんですよね」
 看護士の一人が笑顔でこんなことを言ってきた。
「お昼おうどんなんですよね」
「あれっ、そうだったの」
「はい、絶好調の時はです」
「私おうどん食べてるの」
「特に天麩羅うどんを」
「確かに私おうどん好きで」
 それでとだ、優子も言う。
「天麩羅もね」
「実際天麩羅うどんお好きですよね」
「お蕎麦も好きよ」
 こちらの麺もというのだ。
「天麩羅そばも天ざるもね」
「けれどおうどんの方がですね」
「どっちかというのね」 
 実際にという返事だった。
「おうどんね」
「そこはやっぱり関西人ですね」
 関西はうどんか蕎麦かというとうどんである、大阪や香川、福岡が代表的であるが神戸もまた同じである。
「おうどんが第一ですね」
「そうね、私も」
「それで天麩羅もですね」
「好きよ、だから調子のいい時は」
「それ頼まれることが多いです」
 看護士はこう優子に話す。
「それと丼も頼まれますけれど」
「おうどんと一緒に」
「そこではカツ丼ですね」
「天麩羅うどんとカツ丼ね」
「この組み合わせ多いですよ」
「揚げものばかりね」
「揚げものお好きなんですね」 
 笑って優子に言うのだった。
「そうなんですね」
「ううん、あまりバランスよくないわね」
「カロリー高めですね」
「確かにね」
 優子もそのことを否定しなかった。
「調子のいい時はその組み合わせ食べること多いわね」
「お昼その二つのつもりでした?」
「多分それ頼んでたわ、それでね」
「実際にですね」
「その二つでいくわ」
 看護士の言った通りにというのだ。
「天麩羅うどんとカツ丼ね」
「病院の食堂で」
「そうするわ、ここの食堂の御飯美味しいからね」
「確かに美味しいですね」
「よく病院の食事は美味しくないっていうけれど」
「この病院は患者さんのお食事も美味しいって評判ですね」
「病院でもね」
 それでもと言う優子だった。 
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