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ガールズ&パンツァー《復讐の戦争》

作者:ななよん
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第二話 西住みほと不審な捜査

翌日
永田町
首相官邸
「防衛大臣、君が述べていることは本当なのかね?」
「はい、これがすべて事実です」
緊急閣議で防衛大臣から配布された資料を見て各大臣が驚きの顔を隠せない様子だった。その中でも総理だけは冷静な表情で、防衛大臣を見ていた。
「仮に今回のレインボーブリッジ爆破が戦略自衛隊の犯行だとして、なぜそんなことを?」
「それはお手元の資料にあります、二ページ目をご覧ください」
総理は資料をゆっくりと開いた。そこには二年前に実行された作戦の概要が書かれていた。被害者の名前も。
「今回のクーデターを立案したのは“黒森峰事件”で
殺害した娘の父親であり、現国防庁長官の大下幹保長官かと思われます」
「・・・」
総理はそれを聞くと目を瞑ったまま沈黙してしまった。
「・・・大臣、彼はなにをするつもりかね?」
総理は目を瞑ったまま防衛大臣に問いかけた。
「はい、恐らくはクーデターに乗っ取った娘の復讐かと」
「そうか・・・」
総理はそう呟くと椅子から立ち上がり窓の方へと体を向けた。その背中にはとてつもない重みがかかっているように大臣達には見える。
「今後、彼はどうするつもりだろうか。大臣これ以上話が大きくなる前に手は打てるかね?」
その言葉に大臣は下唇をぐっと噛む。そして何かを決断したかのようにいい放った。
「総理の許可さえあれば、何時なんどきでも打てます」
その言葉に総理は深く頷く。そして再び大臣達の方を向くと大声で命令した。
「防衛大臣!直ちに自衛隊の部隊から情報収集部隊を編成し出動せよ!!」
「分かりました」
その言葉に各大臣達が一斉に動き出す。一人を除いては・・・。
  ・  ・  ・
同じ頃
大洗女子学園学舎
部屋の主である西住みほの寝起きは激しいノックで始まった。まだ朝の8時30分である。
「はーい、今出まーす・・・」
みほは眠たい目を擦りながら玄関の鍵を開けた。
「優花里さん?今日は休日じゃあ・・・」
重たい瞼を開けると、そこには見慣れた友人ではなく黒いスーツを着た男が二人で立っていた。
「えっ?どちら様ですか?」
そう問うと手前の男が胸ポケットからとあるもの取り出した。
「警察庁公安部の者です。西住みほさんですね?二年前の事故について少しお訊きしたい事か・・・」
みほはそれを聞いた途端に勢いよくドアを閉めようとした。が、そんな簡単に逃がす公安でもなかった。みほが閉めようとした瞬間、足でその行為を強制停止させる。
「どけてください・・・」
「いや、我々はお話を聞きに来ただけですから」
「無理です!帰ってください」
一層手に力を入れるが全くしまる気配がない。それどころか少しづつドアが開きつつあるのだ。
「流石、戦車乗りだけあって腕力は強いですね」
笑顔でそう言う刑事だが、目は笑っていなかった。
(このままだと開いちゃう・・・だったら・・・)
みほは閉めるのを突然やめ、逆に思いっきりドアを開いた。すると反動で後ろにいた刑事もろとも倒れた。
みほはその隙を突くと、急いで階段を駆け降り、表の道路へと出た。だが、表へ出たと同時に車にきずかず道路へと出てしまう。
「!!」
車は急ブレーキで何とかみほの一歩手前で停まった。すると中から一人の男が出てきた。
「君、大丈夫?」
いかにもひょろひょろしていそうな男だった。男はみほを立たせるとパジャマの砂を払ってくれた。助手席には女も同乗しており、心配そうにこちらを見ている。
「どうしたの?パジャマで外に出て」
「実は、その・・・」
言おうとしたとき、先程の刑事達が階段を降りてきて、此方を指差し駆けてきた。
「貴様っ!・・・ん?これは、後藤警部補殿ではありませんか!!」
みほも後藤と呼ばれた男の方を見る。
「どちら様で?」
「わたくし公安の者でして、その子に少し用があったので・・・」
「はあ・・・」
後藤はやり取りをしながらみほを自分の後ろへと回すと、指で車に乗るよう指示をした。みほも最初は分からなかったものの、感じで分かったのか素早く車へ乗り込んだ。
「後藤警部補殿、女の子を此方に渡してくれませんか?」
「嫌と言ったら?」
「それでしたら・・・実力行使でっ!!」
その瞬間、刑事が後藤に殴りかかってきた。だが、後藤も後藤である。元公安は強かったのだろう。飛びかかってきた刑事のみぞおちに殴りを入れた。
「何をするかっ!!」
「いや、普通飛びかかってきたら攻撃するでしょ」
「!!~」
刑事は後藤を睨むと倒れた仲間を抱えて何処かへと走っていった。
「ふー、しのぶさんその子大丈夫だった?」
後藤の言葉に南雲は「ええ」と短く返事をした。
「いやー、良かった良かった!俺たち通らなきゃどうなってたか・・・」
「ありがとうございます」
みほは座ったままお礼を言った。すると後藤は「いやいや」と笑顔で答えた。
「しのぶさん、この子家にもって帰らない?」
「後藤さんの家に!?」
「なわけないでしょ」
「ああ、そう・・・」
みほの理解しがたい状況の中、車はもうスピードで発進した。







 
 

 
後書き
今回は短いですかね。後藤さんって柔道何段位なんですかね?知ってる人は教えてください。次こそはもう少し長いのを書きます。待っててください。それではまた次回。 
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