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Blue Rose

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第六話 声も身体もその六

 そうした仮想が現実になった場合も一応は頭に入れてからだ、龍馬は一瞬だけ考えたうえでまた優花に言った。
「やっぱり御前は御前だろ」
「僕がサイボーグや化けものになってもだね」
「優花さんも言ってるだろ、人間ってな」
「心で人間になるってね」
「姿形ってあるさ」
 その問題はというのだ。
「それが人間じゃなくてもな」
「心が人間なら」
「人間なんだよ」
「絶対にだね」
「そうだよ、だからな」
「それでなんだ」
「俺は絶対に御前の友達だ」
 例え何があってもというのだ。
「このことは安心しろ」
「うん、じゃあね」
「御前に色々言う奴がいたってな」
 それでもというのだ。
「優子さんと俺は御前の傍にいるからな」
「そして僕もだね」
 優花もだ、自分のことに当てはめて考えてから述べた。
「姉さん、そして龍馬のね」
「傍にいてくれるか」
「そうするからね」
 絶対にというのだ。
「だから安心してくれよ」
「それじゃあね」
「何かあったら言え」
 微笑みもだ、龍馬は優花に向けた。
「いいな」
「そうさせてもらうよ」
 優花はにこりと笑ってだ、龍馬に応えた。優花は自分には龍馬がいてくれることも知った。既に知っていたがあらためてだった。
 その優花にだった、その日クラスの女の子達がだ。
 彼が日直の日誌を書いているのを見てだ、こんなことを言って来た。
「蓮見君字変わった?」
「そうなってない?」
「字が変わるって?」
 日誌を書きつつだ、優花は自分の席のところに来ている彼女達に聞き返した。
「筆跡が?」
「そう、何かね」
「柔らかい感じになってない?」
「妙にね」
「女の子の字っていうかね」
「そうかな」
 優花は彼女達の言葉に首を傾げさせた。
 そしてだ、自分のその字を見てまた言った。
「僕は別にね」
「そう思わないの」
「特に」
「前と変わらないよ」
 こう言うのだった。
「特にね」
「自分じゃわからないわよ」
「いつも見てるとね」
「そうした変化ってね」
「わからないわよ」
「そうかな、そんなに字が変わったかな」
「見比べてみたら?」 
 女の子の一人が言ってきた。
「日直日誌だから蓮見君の前の字も載ってるでしょ」
「それはね」
「だったらね」
「その字と今の字をなんだ」
「見比べてみたら?」
 こう優花に提案するのだった。
「そうしてみたら?」
「それじゃあね」
 その娘に言われるままだ、優花は。
 日誌にある自分の今の字と過去の字を比較してみた、すると。
 確かに変わっていた、その変化は。 
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