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ゴブリンになった・・・・・死ねってこと?

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ゴブ郎視点1

 
前書き
二十六日目までのゴブ郎視点の話です 

 
俺はゴブ郎。妹兼ストーカーの女性に殺されて、最弱種族のゴブリンに転生してしまった不幸な男だ。それでも、前世の超能力者の俺の能力である『吸飲能力』が受け継いたので、そこまで悲観する事もなかった。前世で得られた能力は全てリセットされてしまったが、またこっちでモンスターを食って能力を得られればいいと思い、この世界で力の限り生きていく事を誓ったのだった。

そんなわけで、生後四日で自分の飯は自分で確保しなかればいけない事に自然界は厳しいなと思ったが、そこで俺は友人兼捨て駒要員のゴブ吉君と一緒に狩りをして、ホーンラビットという一角獣の角が特徴のウサギを狩る事に成功して、俺は久しびりの肉を食らう事が出来た。やっぱり肉は美味いと思い、久しぶりに腹が膨れて満足して洞窟に戻った時に、俺はあるゴブリンを見て驚いた。

そのゴブリンは、俺やゴブ吉君と同じ同期ゴブリンのゴブ八君である。

生後四日で、初めての狩りを単独で成功させて、しかもホーンラビットを単独で二体も食べている事を知ったときは驚きが隠せなかった。しかも、木の棒すら扱う知識もないゴブリンなのに、ゴブ八君は誰にも教えてもらってないのに一角獣の角を武器として扱っている。これに俺は驚いたが、同時にゴブ八君も一緒に狩りに誘えば、俺の生存率も高くなり、狩りの成功率も高くなると判断して、次の日の朝に俺はゴブ八君を誘った。

「ゴブ八君」

「ん。ゴブ郎だよな。どうしたんだ?」

「今日から俺達と一緒に狩りをしないか」

「ゴブ郎達と」

「一緒に行動すれば狩りの成功率も高くなるよ」

「そうだな。単独で狩りをするのもきついしな……わかった、参加するよゴブ郎」

こうしてゴブ八君も仲間に入れる事に成功した。ゴブ八君は、やっぱり俺の想像通りに頭はよかった。ゴブ吉より膂力は下だけど理解力は遥かに上だ。しかも、俺の考えを察してくれて直ぐに次の行動に素早くシフトしてくれて、俺としては大助かりだ。

そして、ゴブ八君は何処か俺と同じ感じがすると思わずにいられなかった。それは、ホーンラビットを狩って思わず呟いた時の出来事である。

「角最強伝説」

思わず言ってしまい、自分で恥ずかしいと思った。だけど、ゴブ吉が俺の言った事を理解してなくて助かったが、ゴブ八君は違った。

「なに、その中二病みたいな発言!しかもドヤ顔!!」

ゲラゲラと腹を抱えて笑っているゴブ八君に、イラとして思わず右ストレートを顎にお見舞いしてやった。

「この野郎。ちょっと笑っただけで、顎にガチの右ストレートはねえよ」

うん。反省してなかったようだ。俺はゴブ八君に上下関係を分からすために……。

「わ、わかった。俺が悪かったから顎に殴るのはやめてくれ!」

上下関係を分かってよろしい。そのあたりをゴブ八君は理解してくれて何よりだ。だが、このように生後五日で地球の言葉である「中二病」や「ドヤ顔」を、どうして知っているんだと疑問に思うばかりなのだ。ゴブ八君も、もしかしたら転生者じゃないのかと思うが、あまりその手の事を言わない方が今はいいだろう。ゴブ八君に不信感を持たれるのも困るので、今はゴブ八君に、こっちを最大限に信用してもらうまで転生者について聞くことはしないでおこうと思う。

ゴブ八君に次に驚いた事は、ゴブ美ちゃんを仲間に入れた次の日の事だ。雨が降っていて狩りを休みにして、今まで集めた素材で武器や防具を作製する事になった時に、俺と同じように黒曜石もどきでナイフを作製した時に、作業中の表情とオーラがあまりにも職人さんであった為に、話しかけられる雰囲気でなかったのだ。

こっちの視線に気がついたゴブ八君は疑問に思って質問してきた。

「どうした?」

「いや、あまりに話しかけれる雰囲気じゃないくらいに作業してたから」

「マジ?」

「マジで」

本人は気がついてなかったようだ。後でゴブ爺に聞いてみたら、ゴブ八君は本来はゴブリンが持ち合わせていない生産系のアビリティを獲得しているそうだ。本来の種族が持ち合わせていないアビリティを獲得しているケースは、ごく稀だが存在するらしい。このようなアビリティ持ちをユニークに分類されるとの事だ。

ゴブ八君は、生産系に役立つアビリティを持っているだけあり、武器や防具の制作はスムーズに進んだ。ゴブ八君が作った小型のクロスボウや木の矢は、俺達のパーティの攻撃力を向上させるきっかけに貢献してくれた。この時点ではゴブ八君は、金属系の武器の作製は不可能であり、まだまだ単純な武器や防具しか作れないと言ったが、現状では、これだけの武器や防具を作ってくれるだけでも俺としては嬉しかった。

俺も武器や防具を作るのにだいぶ楽になるから。実際に俺の想像通りに、ゴブ八君が作る武器や防具は実に単純だが、実用的な物が多かった。ゴブリンの時は、鉄製の武器や防具は作れていなかったが、それでもゴブリン時代に相手にしていたモンスターなら問題ない程の武器や防具を提供してくれた。

ゴブ八君は、戦闘に関してはゴブ吉君やゴブ美ちゃんに若干劣っている部分があるけど、ゴブ八君は視野が広いので、その状況に応じて的確に援護するスタイルであった。俺と同じようにオールラウンダーの戦い方が出来るので、戦闘に関しても合格点だ。武器や防具も作れて大助かりだ。

オークの洞窟を襲う時も、同期ゴブリンの武器や防具を充実させて、戦闘力を向上にも貢献。群れの戦力増加にもゴブ八君の能力は際立っていた。それに、ゴブ八君は結構ジョークも言って気軽に話しかけてくれるので、俺も気兼ねなく話せる中なので意外と馬があった。食い物に関しても共通点が沢山あるのも好感をもてる。

「鉄板の焼き豚……焼肉のタレにつけてご飯が食べたい。そして、出来ればビールと一緒に……」

気持ちはわかる。てか、俺も酒が物凄く飲みたいです!くそー最後に買ったあの缶ビール……どうなったんだ。転生してから酒を一滴も飲んでないので、ものすごく辛い。

「ゴブ八君。酒は造れない?」

「無茶いうな。武器や防具は作れても酒の細かい製造までは知らねえよ。」

試しに聞いてみたけど、やっぱり駄目だった。

「でも、面白そうだな。試しに作ってみるか。原料になりそうな果実が森には沢山あるからな」

「もし成功したら真っ先に飲ませて!」

「お前。酒が好きなのか?」

「めっちゃ好きです!」

前世でめちゃくちゃ飲んでいたから、仕事の帰りの酒はすごく好きです!

俺のテンションに、少し引き気味のゴブ八君だったけど、「あんまり期待するなよ」と、言いながらも引き受けてくれました。ゴブ八君は、色々と後方的な事で頼りになる。 
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