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『最低な女』

作者:零那
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『金と心』



数日後、孝史がホテルに行こうというので逆らわずに従った。
一応チャント好きだった。

此が未桜の逃げなのかもしれないけど。
でも孝史の存在に救われたのも事実だから、すぐにはキライになれなかった。

キーケースじゃなくてキーリングが欲しいと言えば探しに行った。
どんなブランドが似合うのか、好みは...
未桜なりに尽くした。
仕事終わりに逢うときオニギリを作ってきて欲しいと言われてからは、毎回チャント作って行った。
タバコが切れたと言っていたらカートンで渡していた。

自分でバカな女だと思った。
でも、未桜は元々尽くしたいタイプだし、買えるモノなら買う。
買えないモノは買わない。
出来ることはする。
出来ないことはしない。

無理してまでは相手に従わない。

意に添わないこともするだろうし言うだろう。
でも人間だから。
玩具みたいに言われたことを何でもするワケじゃない。
玩具なんて二度となりたくない。
意志がある。
心がある。

未桜は他の誰でもなく未桜。
言われたくないことやされたくないこともある。
キレることだって勿論ある。

そんな当然な事、孝史は最近忘れてるのかもしれない。
未桜が何でも言いなりになると勘違いしていた。

数十万するモノが欲しいと言う孝史。
其れは無理だと言った未桜。
娘の貯金に廻すお金が足りなくなる。
一般的に考えても普通じゃないのか?
普通じゃない未桜がそう思う。

孝史はこれで機嫌が悪くなり、暫く連絡はなかった。
未桜からもしなかった。
それがまた気に入らなかったんだろう。
何故連絡してこないのかと怒ってきた。
面倒な年上だ。

そう思うなら手を切れと冷静なもう1人の未桜が言う。
そうだそうしよう。
サヨナラって言えば良いだけだ。

でも、孝史は蒼にお金を貸していると...返ってきていないと言う。
あれから数回、逢う度と言って良いほど物以外に現金も渡している。

おかしい。
未桜が払っているのは一体何のお金?
それに、証拠もない。
今の孝史には不信感しかない。

蒼に話すことにした。
蒼は、未桜と孝史の事は気付いていた。
それでも良いと言っていた。

ギャンブルのこと、お金のこと、孝史にいくら借金してるのか...
未桜が払い続けていることも話した。

蒼は、お金は返してると言った。
借りていても次勝ったときは奪うようにしていくから、どちらかと言えば多めにいつも取られていると。

未桜は騙されていた。
いつから?
最初からズット?
優しさも嘘?

未桜の心を返せ。
未桜が悪いくせに、そう思った。
情けなくて死にたくなった。

蒼も傷つけた。


 
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