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ガンダムビルドファイターズ ~try hope~ 外伝

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リクエスト7!『ハルカゼ トウイ×モチヅキ ミサキの恋愛(?)編』!

 
前書き
二本同時掲載の内、こっちの方が先に書き終えていました。2月の中旬にはもう書き終えてましたね。だったらはよ出せやって感じかもしれませんが、今回は二本同時掲載でやりたかったんです!くそっ!ガンブレ3という名の魔物に囚われてしまったばかりに……!
まあ前置きもここまでにし、
では、どうぞ! 

 
「テレッテッテテッテッテッ~♪」

TSU○○YAのプチゲーセンコーナーでUFOキャッチャーをやっていると、なんの奇跡か、ガチャガチャでよく使われている玉を一発で取ってしまった。

「これはPS3を二回で取ったという奇跡に次ぐ奇跡だ………。何番の鍵が入ってるかな~? 」

ガチャガチャを開けると、一番と書かれた鍵が入っていた。ちなみに、このUFOキャッチャーは八つの箱があり、その箱には鍵がかかっている。
UFOキャッチャーでガチャガチャを取り、その中にある鍵を使って箱を開けるということ。

本題に戻るけど、一番と書かれている箱の中身は遊園地のチケットが四枚入っている。フラグ満載の流れごちそうさまです。

「うーん……。二枚はヒロヤ君とシノさんのからかい用として、残り二枚はどうしよう? 」

他に面白そうな人いたかな?コムカイ君とアマミヤさんはそんなんじゃないし、キハラさんとミサカさんはほとんどくっついてるようなもんだし………。

…………よし。ヒロヤ君に電話して聞こう。もちろんヒロヤ君とシノさんをからかい用に二枚取っておくことは伏せといて。

「というわけで、誰がいいと思うよ? 」

『いや知らないし、どうでもいい』

「そんなこと言わず、誰かいないかな~?この二枚のチケットが無駄になっちゃうじゃないか。苦労して取ったのに」

『お前一発で取ったって言ったばかりだろうが。苦労してないだろ』

「まあまあ。それよりも他に誰かいないかな? 」

『いやだから知らな…………いや、ちょうど一組あったな』

「今何かニヤリと聞こえたような気がするんだけど、気のせいかな? 」

『気のせいだろ~よ~』

「キャラが崩壊してるよヒロヤ君! 」

『うるせい。本題に戻るぞ。チケットがあるなら、お前達が行ってこい』

「えー僕?てか達って、もう一人誰? 」

『お前は人の事を散っ々、鈍感扱いしながら分からないのかよ』

「あーはいはい。ミサキね。OK分かりました。自分で誰かいないか考えます」

『おいこら。逃げんな』

「えー。そういうのって僕には不向きだし、そういうのってヒロヤ君達だけで充分だと思うんだけど」

『うるせい。いいからお前達で行ってこい。じゃあ切るぞ』

有無を言わせないかのように電話を切られ、その場にはツーツーという音が響いた。………マジっすか。

「はあ…………えーと、遊園地の場所は…………東京ね。うん、遠い。あっちからしたら遠くないけど、宮城出身には遠い」

今の小遣いだと行くだけでも精一杯だし、どうしよっか…………。

「バイトするしかないか~。けど、どこかにいいバイトってあるかな………あっ、一つあった」





ーーー--





「いらっしゃいませ~」

「ほっほっほっ。いきなりバイトさせてほしいと来た時は驚いたが、よく働いてくれるものじゃ」

「イチヨウさん。あなたはまた店の改造をしようとしてますね?これ以上するのはいい加減にしてもらいたい」

「リンドウ君は働いてくれるものじゃが、手厳しいのぅ………」

「二人は相変わらずだな~。あっ、いらっしゃいませ~」





ーーー--





バイトを続けて二週間。ついに給料日がやってまいりました。

「ほれ。今月の給料じゃ。二週間とはいえよく働いたのぅ」

「ありがとうございます」

封筒を受け取り、早速中身を確認する。えーと………諭吉さんが五人に野口さんが二人に五百円玉が一枚。計五万二千五百円という結果だった。

「これだけあれば大丈夫かな………全員トランザム機能を付いて、特攻する覚悟もあるはずだし」

「してハルカゼ君よ。そろそろ我がいちば模型店にバイトをしに来た理由を教えてくれぬか?いや、お金が必要な理由はなんじゃ? 」

「あー……。まあ東京に行くのに小遣いが足りなかったんですよ」

「となると、誰かに会いにでも行くのじゃな? 」

この人はニュータイプか何かなのかな?僕全部は言ってないんですけど。

「ほっほっほっ。青春じゃのぅ。まあ楽しんで来い。ちなみに、バイトがやりたくなったらいつでも来るがいい。働き者は大歓迎じゃ」

「…………ありがとうございました! 」





ーーー--




「もしもーし。ミサキさんですかー? 」

いちば模型店のバイトを終え、早速ミサキに電話をかけ、スリーコール以内に電話に出た。

『なんで敬語……?ミサキだけど、どうしたの……? 』

「えーとね。いきなりで悪いんだけど、来週の土日のどっちか空いてる? 」

『日曜日なら空いてるけど、どうするの……? 』

「あっ、じゃあさ、日曜日遊園地に行きませんかね?もしミサキがよけ『いいよ……』…………即答ですか…」

『場所はどこ……? 』

「東京だから、ミサキからは近いよ」

『じゃあトウイ君が来るの……? 』

「まあそうなるね。とりあえず、九時には東京駅に着いてるからそこを集合場所にしよっか」

『分かった……じゃあ来週の日曜日に……』

「はいはーい」

電話を切り、小さくため息を吐く。

「こういうのはヒロヤ君達だけで充分なんだけどな~」





ーーー--





「新幹線は酔わないんだ……」

「らしいね。僕も初めて知ったよ」

「遊園地の乗り物は大丈夫なの……? 」

「それについては大丈夫だよ。メリーゴーランドとコーヒーカップは駄目だけど」

「じゃあ大丈夫そう…早速行こっか……」

「了解」

日曜日になり、ミサキと合流して遊園地の中に入る。フリーパスを貰い、定番中の定番のジェットコースターに乗ることにした。

「一応聞くけど、絶叫系は大丈夫なの? 」

「大丈夫……むしろ好きだから……」

「よし。じゃあ手始めに遊園地にある絶叫系を制覇していこう! 」

「うん……! 」

ミサキからの了承も貰い、早速ジェットコースターに乗る。いや~。絶叫系以前に、まずアトラクションに乗ったのっていつぶりだっけかな~。あっ、小学生以来だ。

まあそんな事は置いといて、ジェットコースターの次は海賊船でブンブン振り回されるもの。その後、上へと上がっていき急降下するものなどを乗った。数がややあるので、ここから先はetc.で通しまーす。

「さて、あらかた絶叫系を乗ったね」

「次はどうする……? 」

「うーん。そうだね…………あっ」

時間もそろそろ昼時だし昼食にするか、それとも売店に寄って何か買うかどうかを考えていると、遊園地の定番中の定番のものが視界に入った。

「じゃあ、昼食を食べる前にあそこに入ろっか」

ミサキの肩越しに見えるものに指差すと、釣られてそちらの方へと振り向いた。

「お化け屋敷……? 」

「うん。遊園地の定番でもあるしね」

「…………トウイ君が行きたいなら行くけど……」

何か引っかかるような返答をされたが、ヒロヤ君程鈍感ではない僕はすぐに理由を察した。しかし、ここはあえてお化け屋敷に直行しよう。
だって…………そっちの方が面白そうじゃん!

二人で列に並ぶと、お化け屋敷内から悲鳴やら叫び声が聞こえてきた。見た感じお化け屋敷もデカいし、これは出るまでに少し時間がかかるかな?

「トウイ君はお化け屋敷は平気なの……? 」

「一回しか入ったことないからな~。多分、大丈夫だと思いたい」

さすがに怖がってたら男子として情けないので、本当に大丈夫だと思いたい。どうか耐性がついていますように。そして逆に僕がひどい目にあいませんように。
あれ?なんかこれフラグかな?

そんな事を思っていると、あっという間に自分達の番になり、お化け屋敷の中へと入っていく。

「さすがに雰囲気あるね」

「早く進もう……」

会話が成り立っておりませんよミサキさん。ここは中に入った事だし、そろそろ聞こうかな?

「……ところで一ついいかな? 」

「なに……? 」

「もしかして、お化け屋敷は苦手なのかな? 」

「………絶叫系は大丈夫だけど、お化けとかは苦手…かな……」

ヒロヤ先輩。シノさんといい、どうして親しみある女の子はお化けとかホラーが苦手何でしょうね?いや別にいいですよ。そのせいでミサキの反応が可愛いから。けど、この君との共通点はなんなの?

【知らねーよ】

うっわ!返答聞いてないのに返答が来たよ!絶対そう返答するって分かってるせいだから?

まあ気を取り直してっと。

「苦手なら無理に入らなくてもいいのに、どうして入ろうと思ったの? 」

「トウイ君が入ろって誘ってきてくれたから……」

罪悪感半端ないですミサキさん。なんとなく苦手なのかーってのが分かっていながら誘った事に関しての罪悪感が半端ないです。
とりあえず、お化け屋敷から出たら謝ろう。

「まあ、先に進もっか。怖かったら目を閉じててもいいから。その時は手を引っ張るし」

「…ありがとうね……」

ミサキが手を出してきたので、その手を握って前へと進んでいく。無言で進むのも逆に怖がらせるかもしれないと思い、何かてきとうな話しをしながら進んでいく。

「それで先々週、天之川学園売店戦争に向かったんだよ。群がる人、人、人。溢れんばかりの人がいる上に、空腹を満たそうと全員本気で戦争に臨んでたんだよ。僕もその内の一人で、溢れんばかりの人混みに突っ込んだんだよ」

「それで、どうなったの……? 」

「僕は何故か人混みに流されてあっという間に先頭に出たんだよ。さながら大波に呑まれるようにね。けど、誤算だったのが今年の一年生の人は荒い人もいてね。喧嘩が始まっちゃったんたよ」

「天之川学園って荒れてるの? 」

「いや。荒れてるのは売店という名の戦場のみ。他の場所では荒れてないよ」

「そうなんだ……それで、喧嘩はどうなったの……? 」

「ちょうど知り合いだったから、仲介に入って事を治めたよ。おかげで荒g……」

ガタンゴトンっ!

「………っ!! 」

ちょうど曲がり角を曲がった直後、後ろから大きな物音が立ち、二人して後ろを振り向く。そこには貞子みたいな格好をした人が立っていた。

「あー………これはあれですね。逃げなきゃマズいあれですね」

そう言うと、貞子(?)は予想通りこちらに向かって大きくユーラユーラと揺れながら早歩きで追いかけてきた。

「走るよ! 」

ミサキの手を引っ張り、廊下を走っていく。貞子(?)は地味にペースが速いので、それなりにスピードを出さなければいけない。がっ!それでもミサキに負担をあまりかけないように走っていく。

走っていると曲がり角があり、すぐに角を曲がると、貞子(?)はそれ以上追ってこなくなった。

「ふぅ……大丈夫ミサキ? 」

「…うん。大丈夫……だけど、やっぱり怖かった……」

まああんな動きで追いかけられればね。にしても思ったよりも長いな~。今みたいな出来事はこれで何回目だろ?

「お化け屋敷もそろそろ出れるといいけどな~」

「うん……」

そこから少し廊下を進んでいくと、微かに外の光が射し込んでいるのが分かった。

「あっ。やっとゴールだ」

「……よかった。早く出よう………」

「はーい」

そのまま廊下を進み、後数歩という所でいきなり光が消えた。同時に、何かに下に引っ張られる感覚もある。
結論、落とし穴にハマりました。幸い穴の下にはネットが敷かれていたので怪我はしなかった。

「いてて……大丈夫ミs…」

「あっ…………」

起き上がろうとするも、ミサキが覆い被さるような体勢になっており起き上がれず、お互い吐息が聞こえるぐらいに顔が近くなっていた。

「………………」

どうしてそうなったのか分からないけど、途端にミサキが近すぎる顔をより近づけてきた。えっ?えっ?えっ!?

「ちょっ!ミサキ!?ストップストップ!! 」

ミサキの両肩を掴み前に押し出して距離を離すも、それでも近いということには変わりはなかった。けど、それよりも何をしようとしてたのかが聞きたい。

「何しようとしてたの!? 」

「……何しようとしてたと思う……? 」

質問を質問で返されてしまった。

「と、とりあえず。まず落とし穴から出よう。後続の人にも迷惑かけるし」

「もう少しこのままでもいいけど……」

「すいません。それは勘弁してください」

僕が保たないんで、それは本っ当に勘弁してください。なんなのこのラブコメ全開の展開は?一応サブタイトルで(?)って入っているよね?そういうのは主人公とメインヒロインだけで充分なんだけど!

ミサキはしぶしぶ離れていき、落とし穴から抜け出し、それに続いて僕も落とし穴から抜け出した。

「ふぅ………」

大きく息を吐き、お化け屋敷から出た。係員の人が出口で営業スマイル以上の笑顔を浮かべていたのは、おそらく二人揃って顔が赤かったからだろう。だって顔が妙に暑いんだもん。

「怖かったけど、最後の方はいいことがあったからよかった……」

「僕にとってはなんとも言えない感じですけど」

「嫌だった……? 」

「…………ノーコメントで」

「そう……」

「それよりも、そろそろ昼食にしよっか。時間も昼頃だし」

「分かった……」

どこかいい所がないかを歩きながら探し、場所が決まり次第昼食を食べる。

「さてっ、と。この後どうしよっか」

「もう一回お化け屋敷に行く……? 」

「いいけど、二度も落とし穴には落ちないよ。というか、そこまで行くのに時間がかかるし、お化けとかホラーは苦手って言ってなかった? 」

「……………やっぱり止めとく……」

「アハハハハ。じゃあどうしよっか」

「売店でも見て回る……?確か遊園地内にプラモ屋らしきものも見かけたし……」

「遊園地内にプラモ屋って…………場違い感が半端ないけど、まあ行こっかな。その最中に他にも売店を見かけたら入ろう」

「うん……」

席から立ち上がり、食器を片付けて店から出る。そのまま色々な所を見て回って買い物をしたりし、諭吉さんと野口さんがどんどん特攻していった。
なぜかって?そりゃもちろん奢ってますから。女の子に払わせませんよ。その為にもバイトをしたんですから。

「お金は大丈夫なの……? 」

「…………大丈夫です」

さっきはあんな事を思っていたが、思ったよりも金額の消費が激しい。これであと三、四軒分の買い物をしたら帰る分のお金しか残らない。…………大丈夫だよねこれ?

「結構買い物もしたし、そろそろプラモ屋に行こ……」

「了解っと」

た、助かった~…………。





ーーー--





「何の騒ぎだろあれ? 」

「なんだろう……」

プラモ屋に入った途端、店の奥から騒ぎ声が聞こえてきた。何事かと思いそのまま店の奥に行くと、二人組の男が、もう一人の男と揉め事を起こしていた。

「いいから寄越せよ。約束は約束だろ?きちんと守れよな」

「そー言うこった。諦めな兄ちゃん」

「ふ、ふざけんな! 」

「あーもう!うるせえ!! 」

二人組の内の一人の男が相手に蹴りを入れ、蹴られた男は吹っ飛ばされた後悶絶をしていた。

「それじゃあ、約束通りお前のガンプラは貰ってくぜ」

「これで何機目だろーな? 」

「だいたい六機目じゃね? 」

二人組はそう話し合い、いったい何がどうなっているか分からず近くの人に聞いてみた。

「アイツら二人組が店に値引きの交渉をしていたんだよ。それで頑なに応じない店員を殴り付け、近くにいた人達が止めようとしたんだが手につけられなくてな。
そこでアイツらがこんな条件を出してきたんだよ。ガンプラバトルでお前らが買ったら諦めて帰ってやる。けど、負けたらお前のガンプラを寄越せってな。
流石に喧嘩慣れしてる奴には勝てないと思いガンプラバトルをしていったんだが、ガンプラバトルもとんでもなく強くてな。客が代わりにバトルをしてくれてもいたんだが、やはり手も足も出ない」

「となると、最初からそれが目的って訳ですか」

「そう言うわけだよ」

「卑劣……」

事情も大方分かったし、やることは一つか。

「よし。じゃあぶっ倒そう」

「ちょっ!?君っ!話を聞いてたかい!? 」

「聞いてましたよ。要は勝てばいいんですよね? 」

「そうだけど、相手は二対一のバトルしかやらないんだぞ!? 」

「問題ないです」

「問題ないって…………」

男の人は引き留めようとしてきたが、振り払って男二人組の所へと向かおうとする。しかし、左裾がミサキに掴まれていて前に進めなかった。

「トウイ君……ガンプラはあるの……? 」

「一応ね。まだ未完成だけど、多分こういう人相手には充分だよ」

「未完成って、何が出来てないの……? 」

「?バックパックと本体のチューニングだけど? 」

「…………そんな状態でバトルはさせない……。今から私が作るから、ガンプラ貸して……」

「えっ?いや大丈夫だって。…………多分」

「駄目…………それに正義感満載のところは好きだけど、そういう事で相手を軽く見るのは嫌い……」

う゛っ…………ごもっともです。

「…………じゃあ任せるよ。どれくらいで出来る? 」

「それだけだったら十五分から三十分で出来る……それまで耐えてて…………」

「……善処します」

十五分から三十分か…………その間に何人やられるんだろう…………駄目だ駄目だ。さっき耐えててっと言われたばかりなのに。
にしても正義感満載って、僕はそんなつもり無いんだけどな~。まあ相手を軽く見ていたのは事実かもしれないけど………………よし、気を取り直して作るのを手伝おう。

「ミサキ。やっぱり僕も手d「大丈夫……」…………はーい」

即答で断られました。僕どうしましょう?多分バトル見ていると我慢出来なくなるし、僕はいったいどうしたらいいのでしょう。

【我慢しろバーロー】

わーお。頭の中に罵声が聞こえてきたぞ~。おそらくこの場にいたら絶対に言われるんだろうな~。

一人でそんな脳内漫才を繰り広げていると、背中を小さく叩かれる感触があり、振り返るとミサキがガンプラを渡してきた。

「…………大幅に改造したねミサキ。てか、このパーツって………」

「記念にあげる……」

「……ありがとう。必ず勝ってくるから」

ミサキからガンプラを受け取り、早速二人組の所へと向かう。ちょうどバトルが終了したらしく、相手からガンプラを奪っていった。

「もーらいっと。次に挑んで来る奴はいっかー? 」

「じゃあ僕が相手をさせてもらうよ」

「おっ?今度はすぐに挑戦者がきたな」

「じゃあやろーぜ。対戦は二対一でやらせてもらうぜ」

「別に構わないよ」

「トウイ君……頑張って……」

「なんだー?彼女連れか? 」

「彼女じゃないです」

「ふーん。じゃ、お前は特別にルールを追加させてもらうぜ」

「?なに? 」

GPベースを取り出し、バトルシステムにセットしながら返事をする。

「俺達が勝ったら、お前のガンプラとそこの女も貰うぜ。中々の上玉だしな」

「はっ? 」

「言っとくけど、嫌とは言わせねーぜ。お前のガンプラを取られる覚悟で挑んできてんだよな?だったら連れにも同じ覚悟をしてもらおうじゃねーか」

「ふざけn「いいよ……」…………はっ? 」

怒鳴ろうとした瞬間にミサキに遮られ、そのまま言葉を続けた。

「いいよ……だって、トウイ君は必ず勝ってくるって言ったから……」

「ちっ!やっぱりリア充じゃねーかよ」

「ムカつく奴だ。ぶっ潰してやるよ」

二人組はミサキの言葉を聞いて更に悪態をついてきた。

「ミサキ。ゴメンね」

「いいよ……気にしないで」

「………………ありがとう。ねえ?こっちも一ついいかな? 」

「あっ?なんだよ? 」

「僕が勝ったら、いままで奪ったガンプラをここに置いていき、すぐに立ち去れ。二度とこんな事をするな。そして、二度と僕の前に現れるな」

「はっ!ふざけんのも大概にしろよな! 」

「まあいいぜ。ただし、お前が勝てたらの話だけどな」

『GUNPLA BATTLE combat mode』

『Startup』

『Model Damage level Set to C』

『Please Set Your GPベース』

『Beginning plavsky particle 』

『Dispersal』

『Field 1 スペース』

フィールドは、宇宙だ。

『Please Set Your GUNPLA』

『BATTLE START』

「ハルカゼ トウイ!フリーダムガンダムセレナ!!行きます!! 」

掛け声と共に機体は宇宙空間へと飛び立ち、その姿をあらわにする。
フリーダムガンダムをベースに、フリーダムの翼にスターゲイザーのリングが取り付けられ、機体全身にはスターセレナの金色の発光ラインのクリアーパーツが埋め込まれており、両腕はスターセレナのものに変更されている。両手にはGNソードⅢを小型化しているブレイドトンファーを装備している。

「まさかフル改修されるとはね…………さて、相手は何処かな? 」

周囲を見渡すと、前方から大量のミサイルとビームがこちらに放たれていた。バルカンでミサイルを撃墜しつつビームを回避、敵機を見据える。一機はサンダーボルトのフルアーマーガンダムに、もう一機はサイコザクだった。

「サンダーボルトコンビか。確かにこれは手強そうだね。けどっ! 」

二つのブレイドトンファーのブレイドを展開し、二機に向かって突っ込んでいく。二機は二連装ビームライフルや大型ビームキャノンやミサイル、大量のバズーカで迎撃してくるが、全てかわしきる。
まずはフルアーマーガンダムを撃破するために、すれ違い際に機体を回転させてブレイドトンファーを振るっていく。

しかし、フルアーマーガンダムはシールドを四つ装備しているため守りも固く、シールドによって攻撃を防がれてしまった。

「固いっ! 」

「貰ったっ! 」

攻撃したばかりで無防備の所に、サイコザクがバズーカで攻撃してきた。回避行動を取ろうと宙返りするも、一発だけ被弾してしまい機体を吹き飛ばされてしまった。

「ぐぅっ…………! 」

機体の体勢を立て直すと、相手は追撃してくるように攻撃に続けてきた。回避行動を取りつつミサイルを撃ち落としていくも、このままではじり貧になってしまう。

「フルアーマーガンダムのシールドが厄介だし…………サイコザクを狙っているうちに、フルアーマーガンダムからの高火力で狙われるし…………」

となると、フルアーマーガンダムから倒した方がいいか。さっきみたいにサイコザクから攻撃されても、二度もやられるような真似はしない。
しかし、そうなるとフルアーマーガンダムの守りを崩す必要がある。

「ハイマットフルバーストじゃ隙が大きいし、やっぱりさっきと同じ方法でやるしかない」

ブレイドトンファーのブレイドを展開し、攻撃を回避しつつ再度フルアーマーガンダムに突進していく。

「馬鹿め! 」

「貰ったっ! 」

守りを崩す方法…………二連撃を防ぐ相手…………だったら!

フルアーマーガンダムとすれ違い際にブレイドトンファーを振るっていく。もちろんシールド四つを前方に寄せて防がれたが、ここからが本番だ。

「はああぁぁぁぁぁぁっ!! 」

右手のブレイドトンファーの前後に持ち替え、後ろに向けて突き刺す。シールド四つを前方に展開しているため背後はがら空きになっており、フルアーマーガンダムのバックパックと左腕を貫通していった。

「なっ!? 」

「ちっ! 」

フルアーマーガンダムはバックパックをパージして直撃を避け、サイコザクはバズーカで攻撃してきた。

「オーバードライブ!! 」

フリーダムは金色の光に包まれ、更に機体周囲にリング状のヴァワチュール・リュミエールが展開された。
バズーカの攻撃はヴァワチュール・リュミエールを飛ばして切断し、ブレイドトンファーのブレイドを収納して全身のクリアーパーツから胞子状のピットを放出する。

「ハイマットフルバースト!! 」

二つのブレイドトンファーとクスィフィアス レール砲とバラエーナ プラズマ収束ビーム砲、それにヴァワチュール・リュミエールにピットによるハイマットフルバーストを二機に向けて一斉に放つ。

ヴァワチュール・リュミエールとピットにより範囲も広く、なおかつ威力も高まっており、二機を貫通していった。

『BATTLE ENDED』





ーーー--





「嘘だろ……! 」

「俺達が…………」

「さ~て。お二人さん。じゃあ約束は守ってもらいましょーかね~」

唖然としている二人にそう言い寄る。

「あーんなふざけた事を言ったんだ。約束はきちんと守るんだよね? 」

「う、うるせえぇっ!! 」

男の一人が拳を握って殴りかかってきた。僕は焦ることなく相手の手首を掴み、そのまま腕を背中に回し、左手で背中を押さえつける。
ふん。僕をやるならヒロヤ君を連れてくるんだね。伊達に毎日やられてるわけじゃないんだから。

「イテテテっ!!は、離せっ! 」

「さて、二つに一つだ。このままやられて消えるか、それとも潔く消えるか。どっちがいい?五秒以内に答えろ」

「わ、分かった!分かったから離してくれ!」

「本当かな?嘘をついたり、この場をやり過ごすためだけに言ってたら肩を外すよ。もう一人もね」

「嘘じゃない!嘘じゃないから離してくれっ!!」

「お、俺もだっ! 」

そう言ってきたのは嘘じゃないと思い、拘束を解く。拘束されていた一人は肩を押さえながらもう一人の男と一緒に走り去っていった。

「ふう…………ガンプラ使って変な事しないでよね」

「おおーーっ!!勝ったぞあの少年! 」

「何気に荒事になる前に拘束したぞ! 」

「あ、ありがとうございました!ガンプラ取り返してくれて! 」

「あっ、え~と…………どうもです」

周囲に人がいたことを完全に忘れ、何かくさい事を言ったと思い少し恥ずかしくなった。ガンプラを奪われた人と店員さんからはお礼を言われ、他の人達からも称賛をもらいその場を後にした。

「ふう…………ひとまずスッキリした~」

「お疲れ様…………ところで、トウイ君って武術とか出来たの……? 」

「ううん。常日頃にヒロヤ君から攻撃を受けてて、それで体が勝手に技を覚えてるだけだよ」

「そうなんだ……」

「さてっと。この後どうしよっか。時間もいつの間にか六時過ぎになっているし、夕食にでもする? 」

「うん……」





ーーー--





「夕食も食べ終えたし、乗るものもやることもだいたいやったし、この後どうしよっか? 」

「…………じゃあ遊園地の大広場に行こ……」

「?いいけど、そこで何かあるの? 」

「それは行ってみての楽しみ……」

「えー。勿体ぶらなくてもいいのに」

っと言いつつも、大人しく大広場に行きました。

「それで、ここで何かあるの? 」

「トウイ君、今何時……? 」

「えっ?ちょうど七時にな───」

言葉の途中で大きな爆発音が鳴り、音がした方向へと振り向くと、花火が打ち上がっていた。それと同時に、奥の観覧車やジェットコースター、その他の乗り物が豪華に発光していた。

「毎月のこの日、遊園地の設立記念日としてこういうイベントがあるの…………それを一緒に見たかったの……」

「そうなんだ…………初めて知ったよ。とっても綺麗だね」

「うん………………ねえ、最後にあれに乗らない……? 」

ミサキが遠くの方へと指差し、その先には定番中の定番の乗り物があった。

「観覧車ですか」

「うん…………駄目……? 」

「いや、別にいいよ。じゃあ乗ろっか」

観覧車がある方へと向かい、既に数組の小さい行列が出来ている最後尾に並ぶ。並んでいる間は今日の出来事を話して暇を潰していると、時間はあっという間に過ぎていった。

「お次のお客様。どうぞお乗りください」

係員の人に言われ、急いで観覧車に乗り込む。観覧車は止まることがなく進むので、急いで乗らればならない。だから、座る場所について考える暇もなかった。

「ミサキさん。なぜ対面ではなく隣に座っているのかについて聞いてもよろしいでしょうか? 」

「嫌……? 」

「いや、別に嫌ってわけじゃないけど…………なんかなぁ~」

近すぎるんですよ距離が。お化け屋敷の落とし穴レベルに近いんですよ。
…………あっ、夜景が綺麗。流石設立記念日だな~。←現実逃避

「一ついい……? 」

「なに? 」

肩に顔を寄せてきて、そんなことを呟かれて現実へと引き戻された。振り向かずに出来るだけ平静を装って返事をするも、顔が近くてドキマギしている。

「さっきの揉め事の時、私のために怒ってくれてありがとう……」

「えっ? 」

「相手が私を要求してきた時、怒鳴ろうとしてくれた…………凄く嬉しかった……」

「あー、あれね。まあそりゃ怒鳴るよ。ただでさえ卑劣な相手な上に、あんなふざけた要求まで出されたらね」

「…………ありがとうね……」

「気にしなくていいよ。当たり前の事をしたまでなんだから」

そう言って顔を背け、また夜景を眺める。観覧車もどんどん上へと登っていき、より夜景が広く綺麗に見えた。

「ねえ………」

「ん? 」

「………………好き……」

………………………ホワイ?ちょっと待って。今僕はとんでもない事を言われたような気がするんだけど、気のせいかな?
あまりの事に夜景を見るのを止めて、ミサキの方へと振り向いて顔を見ると、心なしか赤くなっていた。

「…………今なんて言いました? 」

「…………好き……」

聞き間違えじゃない!これは確実に現実だ!ど、どないしたらええんやろ!?
もちつけもちつけ…………いや落ち着け。まずは状況の整理からだハルカゼ トウイ。

「それって、Like?それともLove? 」

「…………後者の方……」

ハルカゼ トウイ、頭がショートしました。支給医療班を手配してください。なに?既に医療班も全滅だと?ええい!何をやっているのだ!

混乱して脳内コントを繰り広げていると、またまた現実に引き戻されるかのように裾を引っ張られた。

「それで、答えは…………? 」

「あ、え~と。その……………」

人生初めての告白を受けたので、返答しようにも驚き過ぎてうまく言葉が出ない。すると突然、今までのミサキとの出来事を振り返る。嬉しかったこと。楽しかったこと。ケガとか辛い時とかに隣にいてくれたこと。いろいろな事を振り返っていると、自然と口から答えが出た。

「…………ありがとうね。これからもよろしくお願いします」

「…………うん……! 」





───『ハルカゼトウイ×モチヅキミサキの恋愛編』 完───

 
 

 
後書き
(?)が抜けている?わざとですよ。だってこれもう(?)じゃないですもの。
まあ気を取り直して、この二人組もくっつけました。今回ガンプラバトルを入れる予定は無かったんですが、なんか自然とガンプラバトルが入りました。

さて、これで貯まりに貯まったリクエストは残るはもう僅か。最後までガンダムビルドファイターズ ~try hope~ 外伝をよろしくお願いいたします。 
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